サイトマップ
西原ゼミ「わたしのベスト3」
⼤学⽣活4年間のベスト3
れもんてぃー
第 1 位 つるまいかだ「メダリスト」(『アフタヌーン』講談社)
世界レベルの選手になるためには5歳からの練習が必要とされるフィギュアスケート。遅咲きながらフィギュアの選手になることを夢見る少女・結束いのりと、フィギュアに生活を捧げ、夢破れた青年・明浦路司が、リンクへの執念を捨てきれず、選手とコーチとしてフィギュアスケートで世界トップを目指す。
美しい演技の裏側にある選手たちの葛藤と執念を描く本作では、スケーティングの描写が詳細に描き込まれており、フィギュアスケート経験の有無を問わず楽しめる工夫が施されている。特に印象的なのがジャンプを描くときのコマの自由度であり、その動きの鮮明さは音がしないマンガなのに、まるで競技の曲が流れてくるような衝撃を与えてくれる。また、観客側が選手を応援する描写も丁寧に描かれており、努力する選手の過程を応援しながら観客と同じように成長に驚くことができるという、非常に没入感の高い作品である。諦めきれないものがあるすべての人を勇気づける作品である。アニメ作品も魅力的だが、マンガでもぜひ読んでほしい。
「メダリスト」『アフタヌーン』(講談社)
「メダリスト」『アフタヌーン』(講談社)
第 2 位 ⼗河、⼾帳さわ「毒を喰らわば⽫まで」(『アルファポリス』アルファポリス)
竜の恩恵を受けるパルセミス王国の悪の宰相・アンドリムは、娘・ジュリエットが王太子に婚約破棄を言い渡されたことで前世の記憶を思い出し、ここが乙女ゲームの世界であることを自覚した。娘が処刑される悪役令嬢であり、自分も共に身を滅ぼす運命だと気づいたアンドリムは運命をひっくり返し、ゲームの攻略対象であった王太子たちを巧妙な策略で陥れていく。
賢者の末裔の一族でありながら、裏では悪事も行っていたアンドリムが運命を覆すため、事実を自分たちに都合よく、そして他者を思ったように動かしていく。すべてを知る第三者的な存在である読者からすると、恐ろしくもあり爽快感も感じさせる。時には立場を逆手に取り、相手が突いてくるであろう隙を自ら作り出す一連の行動は、見習いたいほど鮮やかであった。悪役であるアンドリムは、果たして悪役として幕を下ろすのか。転生悪役系統の作品が多くある中でも圧倒的な爽快感とワクワクを味わうことができる本作をぜひ読んでみてほしい。
「毒を喰らわば⽫まで」公式サイト
「毒を喰らわば⽫まで」公式サイト
第 3 位 Plutus、Spoon「ある⽇、お姫様になってしまった件について」(『LINEマンガ』LINE Digital Frontier)
目が覚めると、小説の中で虐げられ処刑された姫・アタナシアに生まれ変わっていた主人公。大人としての自我を持ちながら赤ちゃんの身体で周囲を懐柔していく中で、小説の物語とは違う現実での出来事に戸惑いながらも処刑を下した父・クロードに愛され、死を回避するべく生存戦略をとっていく。
美麗なイラストと魔法が存在する世界観の中に親近感を抱かせる多様な親子の形や心の成長をみられるのが、この作品の魅力である。本作では主に 3 組の親子が登場し、お互いへ想いの変化がみられる点には、共感できる部分があるだろう。また、親子を見守る人々とアタナシアに興味を持った魔法使い・ルーカスなど、多くの魅力的なキャラクターが登場する。特に、小説のかわいらしいお姫様の主人公・ジェニットの家族への期待と孤独感、小説のキャラクターではわからなかったジェニットの想いにアタナシアがどう行動を起こすのかに注目してみてほしい。
「ある⽇、お姫様になってしまった件について」『LINEマンガ』
「ある⽇、お姫様になってしまった件について」『LINEマンガ』