西原ゼミ「わたしのベスト3」

私の⼤学⽣活を彩った3作
けだま
第 1 位 ヨシダ。「ディグイット」(『アフタヌーン』講談社)
主人公の獅子谷岳は、バレーボールの全日本選手として活躍した父親により、日本一のアタッカーになるための英才教育を受けている。しかし、その父親からアタッカーとしての才能に見切りを付けられてしまう。岳は父親も含めたアタッカーが恐怖するほどボールを拾い続けると、レシーブ専門のリベロにポジションチェンジする。自分の才能は自分で見つけ磨き、証明してみせるという、“逆襲”のバレーボール物語である。
この作品は、「ハイキュー!!」(古舘春一『週刊少年ジャンプ』集英社)でバレーボールの面白さに魅せられた私が、新しいバレーボールの作品を読んでみたいと思っていた時に偶然出会った作品だ。線は細めなのに迫力やスピードを感じられる絵と、マンガでしか味わえないプレーシーンの構図を楽しむことができた。“逆襲”がテーマにあるため、今後の物語展開への期待がある。岳がリベロとしてどう成長していくのかを見届けたいと思った。
「ディグイット」『アフタヌーン』(講談社)
第 2 位 キヅナツキ「ギヴン 9巻」(『シェリプラス』新書館)
ロックバンドを舞台に繰り広げられる、オルタナティヴ・ラブ作品の最終巻。主人公・真冬の亡くなった元彼が真冬のために制作していた楽曲を、今の恋人である立夏が完成させる。高校卒業後の進路に悩む真冬は立夏に音楽で引っ張られたことで、未来へ踏み出していく覚悟を決める。
立夏が完成させた曲をライブで披露し、それを聴いた真冬がぽろぽろと涙をこぼすシーンが印象に残っている。マンガなので当然音楽は聴こえてこないが、真冬がその曲を聴いて感じたことや、蘇る元彼との思い出が手に取るように伝わり、泣きながら読んだ作品だ。モノクロのページから、柔らかな光を感じる日常と、煌びやかで眩しいライブを体験できる。真冬を含めたすべてのキャラクターが前向きに進んでいることを、何気ないワンシーンでくみ取れるところがこの作品のすごいところだと思っている。何度も読み返すことで、これまで描かれたストーリーの解釈と未来のキャラクターたちへの期待が膨らんでいく一冊だと感じる。
「ギヴン」公式サイト 
第 3 位 渚アユム「愛⽇と花嫁」(『gateau』⼀迅社)
オメガバースに神話の要素を掛け合わせたボーイズラブ作品。献身的で人のために自分を犠牲にしてしまうオメガ性の主人公・ルカが、アルファ性の神様・クロに助けを求めるところから二人の関係が築かれる。原始的な暮らしをしている世界の、穏やかにゆっくり進む時間を感じられる。ルカとクロの愛が紡がれ、ルカとクロが架け橋となって神様と人々が手を取り合っていく過程が丁寧に描かれた、ハートフルな作品。
オメガバースの跳躍した発想が故にある設定の穴を神話という設定が補っていて、ファンタジーなのに筋が通っているところに感動し面白いなと思った。ルカもクロも自分を蔑ろにしがちだが、互いに「頼ってほしい、あなたを助けたい」という気持ちで接していて、支え合う強さが伝わってきた。アルファとオメガが番になるだけでなく、周囲の友人や縁者も含めて家族になっていく様に心温められた。
「愛⽇と花嫁」『一迅プラス』(一迅社)
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