西原ゼミ「わたしのベスト3」

⼈との関わりを通して、⾃分の在り⽅を⾒つけていく物語
ミルクティーはウバ茶派
第 1 位 ⾼松美咲「スキップとローファー」(『アフタヌーン』講談社)
石川県の小さな町から、進学を機に東京へやってきた主人公・岩倉美津未。将来を見据えた綿密な人生プランを胸に高校生活をスタートさせるが、素直すぎる性格が思わぬズレを生むことも。それでも彼女の真っすぐさは、人との出会いの中で少しずつ日々を明るく変えていく。
きらきらと輝きながらも、すれ違いや迷いを含んだ青春の様子が繊細に描かれている。人はこれまでに経験してきた出来事を積み重ね、今の自分を形作っているが、その価値観は人それぞれ全く異なるものだと気づかされる。人との関わりの中で刺激を受け、時に戸惑いながらも少しずつ変化していく姿が丁寧に描写されており、どんな自分でも素直でいられる友人に囲まれていたいと自然と思わせてくれる。柔らかく丸みのある作画が、作品全体に明るく優しい雰囲気を与えている。登場人物の感情も角張らずに表現されており、読む側の気持ちまで和らぐような絵柄になっている。
「スキップとローファー」『アフタヌーン』(講談社)
第 2 位 泥ノ⽥⽝彦「君と宇宙を歩くために」(『&sofa』講談社)
何をしても長続きしないヤンキーの小林は、変わり者の転校生・宇野に助けられたことをきっかけに、次第に彼と親しくなっていく。普通が上手くできない彼らは、それぞれの問題や葛藤を抱えながらも、互いを理解したり周りの環境からヒントを得たりし、自分なりの生き方を見つけようと模索していく。
自分にとって当たり前だと思っていることほど、実は他者の目にははっきりと映っているのだと気づかされる物語。「なぜ自分だけできないのか」と悩むのではなく、それをどう受け止め、どう向き合っていくかによって、生き方は少しずつ変えていけるのだとさりげなく伝えてくれる。全てが上手く解決しないからこそ、個性や葛藤は現実味を帯び、読み手の心に残される。簡素で抑制された描写の中に、登場人物の些細な心の揺れが丁寧に描かれ、天文学の要素を通して星や宇宙への興味も自然と広がっていく作品だ。
「君と宇宙を歩くために」『コミックDAYS』(講談社)
第 3 位 株式会社日本一ソフトウェア「うたの☆プリンスさまっ♪Debut for Nintendo Switch」(『うたの☆プリンスさまっ♪』株式会社ブロッコリー)
女性向け作品「うたの☆プリンスさまっ♪」のゲームシリーズの1作。卒業オーディションから1年後、プリンスとヒロイン・七海春歌は事務所に所属し、正式なデビューを目指して日々奮闘している。しかし、彼らの前にはこれまでとは比べ物にならないほど大きな困難が立ちはだかる。
スキャンダルや降板、音楽表現への葛藤など、次々と困難に直面する姿は、プレイしている側まで苦しくなる程現実味を帯びて描写される。それでも七海はプリンスを支え、音楽を通して真っ直ぐに想いを伝え続ける。1枚絵や立ち絵、BGMや効果音といった演出により、文章では和らいでしまいそうな出来事も、重みがより鮮明に伝わってくる。だからこそ、困難を乗り越えた彼らの姿に成長が感じられ、強くなったことがはっきりと伝わってくる。ひたむきに挑戦し続けるプリンスたちの姿が、私に憧れと勇気を与えてくれる。
『うたの☆プリンスさまっ♪Debut for Nintendo Switch』
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