Y.M.
パフォーマンス・ゼミ(川島ゼミ) 観劇レポート(2026年5月期)
『美少女戦士セーラームーン-Shining Theater Shinagawa Tokyo』
2026年5月18日(月)19:30/品川プリンスホテル クラブeX
初めて現地で2.5次元ミュージカルを観劇した。「二次元が三次元にとはこういうことか」と改めて2.5次元の意味を再認識した体験であった。
『美少女戦士セーラームーン』は、主人公・月野うさぎが「セーラームーン」に変身し、仲間のセーラー戦士たちと共に「幻の銀水晶」を探し求めて愛と正義のために戦う、少女漫画である。本作は、『美少女戦士セーラームーン』の世界観はそのままに、ストーリーはオリジナルで再構成された作品となっている。AIの敵たちにセーラー戦士たちが立ち向かうという現代的なテーマを盛り込んだ内容が特徴であり、原作を知らない人でも入り込みやすくなっている。
会場に入るとステージはかなり小規模で、大きな舞台装置も見当たらない。どんな演出があるのかと考えている間に開演し、映像と光の演出で一気に世界観に引き込まれた。キャストの姿を取り込んだ映像演出や、レーザーやフラッシュライトの照明演出などにキャストの動きが連動し、ストーリーが立体的に展開されていた。
そして、キャラクターの再現度が高い。長さや毛流れが完璧に再現され、終演まで全く崩れないウィッグ。ボリューム感やシルエット、鮮やかな配色が美しい衣装。さすが2.5次元というビジュアルが感じられた。それに加えて、立ち姿や動き方、仕草にキャラクターそれぞれの特徴が表れており、キャストの演技力もキャラクターの再現度を高める重要な要素である。
いよいよ、ライブパート。フォーメーションチェンジを活かした動きがありつつ、指先や決めポーズまで計算された美しいシルエットが印象的な振付であった。高いヒールを履きながらも、キレ・シンクロ・表情のすべてに妥協のないパフォーマンスを披露。ライブパートは撮影可能で、キャストが客席に降りて手を振りながら練り歩く場面もあり、観客との距離がぐっと近づく特別な時間となっている。ただ”観る”だけではなく、その空間を一緒に体験している感覚へと自然に引き込まれていく。華やかな衣装で踊り、生歌を届け、さらにはファンサービスまでこなす姿は、エネルギッシュで輝きに満ちた”セーラー戦士そのもの”を感じさせるものであった。
二次元の世界が、舞台上さらには降壇して目の前にキャストが来るという現実に、不思議かつ新鮮な感覚を覚えつつ、この二次元と三次元の曖昧さに観客は心を掴まれているのだと実感した。
