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西原ゼミ「わたしのベスト3」
大学生活で出会った作品ベスト3[足をとられたら負け、世界を魅せた作品集]
おつまみインターチェンジ
第1位 朝倉秋成『六人の嘘つきな大学生』(角川文庫)
大人気SNSを立ち上げたIT会社が初の新卒総合職採用募集を開始。最終選考まで進んだ6名の大学生は、全員で協力する「チームディスカッション」という課題に取り組むことになる。スムーズに事が進み本番もうまくいくかに思えたが、当日待ち受けていたのはそれぞれが隠してきた「嘘」を告発する手紙たち。告発を信じるか、犯人は誰なのか。予想を何度も覆される心理戦に手に汗握ること間違いなし。
就職に悩み始める時期にたまたま手に取り衝撃を受けた。読了後最初に浮かんだ言葉は「エコーチェンバー」。人間という生き物の思考の覚束なさを強く刻まれた作品。
『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成 [角川文庫] - KADOKAWA
『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成 [角川文庫] - KADOKAWA
第2位 外薗健『カグラバチ』(『週刊少年ジャンプ』集英社)
高名な刀匠である父親の下で平穏に暮らしていた少年の主人公は、父が打った6本の“妖刀”を狙う妖術師によってその平和を打ち砕かれる。妖刀と深い関係があるらしい“契約者”、妖刀を脅威とみなす国家直属組織、そして少年の復讐先である妖術師たち――様々な思惑が交錯する中、父が命を懸けて遺した7本目の妖刀を握りしめ、少年は父を殺した妖術師への「復讐」に手を染める。
それまで大学の講義や日常で触れてきたマンガ作品とは何かが違うと思わされた。モノクロなマンガならではの「黒」の使い方、刀という武器の見せ方に惚れ惚れする作品。
『カグラバチ』|集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト
『カグラバチ』|集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト
第3位 夕木春央『方舟』(講談社)
山奥の地下建築「方舟」を訪れた主人公。そこで一夜を過ごした翌朝、地震が発生し主人公含む9名が地下建築内に閉じ込められてしまう。さらに地盤の変化で施設内が浸水。安全な脱出を迫られる矢先、殺人事件が発生する。タイムリミットは1週間、それまでに殺人犯を見つけ、「その人物を生贄に」脱出すべきであると、犯人以外の誰もが考えていた。果たして、主人公たちは無事に地上に出られるのだろうか。
司書課程学生のおすすめ作品として大学図書館に展示紹介されていた。人間の欲深さ、自己中心的な部分が「最悪で最高」の描かれ方で浮き上がる作品。暫く水に怯えた。
『方舟』(夕木 春央)|講談社BOOK倶楽部
『方舟』(夕木 春央)|講談社BOOK倶楽部