西原ゼミ「わたしのベスト3」

大学生活で出会った作品ベスト3
みゃまいる
第1位 小麦畑『冠を持つ神の手』
 圧倒的文章量のフリーゲーム。自由度が高く、攻略対象から主人公に対する好感度だけでなく主人公からキャラクターに対する印象度という機能が設定されている。これによりイベントで取れる選択肢やキャラクターの反応が変わったりする。例えば、攻略対象をぞんざいに扱う時、こちらの印象度が+であれば勘のいい攻略対象はそれを照れ隠しとして対応してくる。細やかな分岐により、まるでキャラクターが生きているように感じて来るのだ。11人のキャラクターに愛情・友情・憎悪・裏切・殺害エンドが用意されているがその中でも複数のエンドがある。
また、他の特徴として反転システムがある。その名の通り、主人公のキャラに対する印象を反転するのだ。愛する人を憎んだり、友人を避けたりといった突発的な感情はこのように表現されている。そしてこの反転は攻略キャラクターにも起こりうる。突然憎まれたり愛されたりする可能性もあるのだ。来年にリメイクが発売予定なのでぜひプレイしてみよう。

『冠を持つ神の手』公式サイト
第2位 六内円栄『Thisコミュニケーション』(『ジャンプSQ』集英社)
舞台は人類がほとんど滅んだあとの上高地、元軍人のデルウハがとある研究所の改造人間ハントレスたちと共に、研究所を宇宙人イペリットから防衛する。デルウハが合理的かつ悪魔のような男であり、目的のためなら躊躇いなく女子供を殺す。なのに読者人気が高いのは圧倒的な有能さと不運さからだろう。またそこまでして叶えたい目的が「食事をすること」という些細なことなのもあるかもしれない。この作品のみならず、六内円栄作品は強くて悪魔みたいな男に人生をめちゃくちゃにされたい人におすすめ。

『Thisコミュニケーション』公式サイト
第3位 Projectmoon『LimbusCompany』
ProjectMoon作のブラウザ・ソーシャルゲーム。各国の文学をモチーフにしたキャラクターが地獄のような都市を旅する。我が国からは芥川龍之介の「地獄変」をモチーフにした良秀が登場する。プレイアブルキャラクターは12人、こういうゲームをプレイしたことがある人なら少ないと感じるだろう。しかしこのゲームでは鏡技術というものを使ってキャラクターの異世界の様子を、この世界のキャラクターに被せることが出来るのだ。お金持ちのお坊ちゃんが異世界ではマフィアのボスをしたりしている。これによりキャラクターが型落ちすることがない。またストーリーは自己実現の面が強く、プレイしていると自分の人生に対するやる気が出て来る。重い展開やR18G相当の場面もあるが、根底に流れているのは人類賛歌。文学好きでパワーが欲しい人にぴったりのゲームだ。

『LimbusCompany』公式サイト

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