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西原ゼミ「わたしのベスト3」
2024年・わたしの今年を彩った3作
クそブスれいちゃ
第1位 卯月ココ「恋せよまやかし天使ども」(『KCデザート』講談社)
心撃の天使(エンジェル)と噂される完璧少女、桂おとぎは、他者から求められる完璧な自分像を演じてきた。誰にも見せないと思っていた秘密の裏の顔を、気になっていた完璧男子一刻(にのまえとき)に見られてしまう。しかしその一刻にも秘密の裏の顔があった。お互いの秘密を知った二人は「共犯」として親しくなっていき――。
この作品の魅力はヒロインのおとぎちゃんのギャップです。普段は容姿も性格も完璧なおとぎちゃんが刻のことになると表情が柔らかくなったり赤面したり、口が悪くなったりと、思わず読者も恋してしまいそうな愛らしさがあります。刻に振り回されていると思うおとぎちゃんですが、そんなギャップのある彼女に刻も振り回されているのが本作の見どころとなっています。
恋せよまやかし天使ども 公式サイト(デザート)
恋せよまやかし天使ども 公式サイト(デザート)
第2位 凪良ゆう「儘ならない彼」(キャラ文庫 徳間書店)
現役大学生で実績もない新人写真家・平良が、個展を開催することに。師匠からの破格の条件をお膳立てされ、プレッシャーに押し潰されそうになっていた。そんな恋人を心配する清居は、自分を神と崇める平良に助言もできず葛藤する毎日を送る。悩んだ末に平良が会場に選んだのは、なんと廃墟だった。異例づくしの初個展が、ついに開催日を迎え…。新進写真家と演技派俳優──それぞれ目指す場所へ駆け出した二人の試練と成長の軌跡。
シリーズ『美しい彼』の3年ぶりの新刊です。最新刊では、前巻では俳優である清居の成長が描かれていましたが、本作では写真家としての道を決めてからの平良の葛藤と成長が語られています。本シリーズはBL作品ですが、もはやBLという枠を超えた二人の人生を楽しむことができます。
美しい彼 公式サイト(徳間書店)
美しい彼 公式サイト(徳間書店)
第3位 みかわ絵子「忘却バッテリー」(『少年ジャンプ』集英社)
かつて「怪物バッテリー」と恐れられ、数々の球児が彼らによって野球から離れた。その一人である山田太郎は野球部のない普通の公立高校に入学したが、なぜか件の怪物バッテリーも同じ高校に入学していた。記憶喪失で野球を忘れた天才捕手の要圭、要と野球をしたい怪物投手の清峰葉流火、そして彼らによって野球から逃げた3人。偶然か必然か、彼らは公立高校で集まってしまい、甲子園を目指す。
今年の夏にアニメ化され話題となった本作の魅力は、物語のテンポと間の良さです。試合を行いながら登場人物の野球への思いがしっかり入れ込まれて物語が進みます。また、個性的なキャラクターが多く、コメディ要素も強いです。まさに笑いあり、涙ありの高校生野球マンガとなっています。
忘却バッテリー 公式サイト(少年ジャンプ)
忘却バッテリー 公式サイト(少年ジャンプ)