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西原ゼミ「わたしのベスト3」
2024年・わたしのベスト3
あお
第1位 卯月ココ「恋せよまやかし天使ども」(『デザート』講談社)
本作は、表の顔は学園中から注目される「完璧美少女」と「完璧美男子」でありながら、そんな表の顔からは想像もつかない裏の顔を共有するふたりの恋模様をコメディタッチで描く少女マンガである。この作品の特徴は、ヒロイン・ヒーロー共にギャップが大きいところにある。どちらかにギャップがある作品はよく見かけるが、メインキャラクターのどちらもがギャップのあるキャラクターとして振り切れていることで、読んでいて飽きがこない。更に、キャラ自身もギャップを自認して行動しているため、読者の感じている気持ちとキャラクターの気持ちにズレがない。そのため、キャラクターに感情移入がしやすく、主人公と一緒になって物語を楽しめる。作画が丁寧なことやキャラクターの上品な仕草から、丁寧に読みたくなるラブコメだと感じた。
恋せよまやかし天使ども 公式サイト(デザート)
恋せよまやかし天使ども 公式サイト(デザート)
第2位 堀越耕平「僕のヒーローアカデミア」(『週刊少年ジャンプ』集英社)
世界総人口の約8割が超常能力を持つ超人社会になった世界を舞台に、ヒーローに憧れた能力を持たない主人公、緑谷出久が最高のヒーローになるまでの物語が描かれている。10年間にも渡る連載の末、2024年に完結した作品である。大迫力のバトルシーンや仲間との絆、主人公や周囲のキャラクターの成長が繊細かつ大胆に描かれており、長編ながらも変わり続ける読めない展開に終始わくわくドキドキの気持ちを持って読み進める事ができる。バトルシーンや怪我の描写はあるもののグロテスクな表現ではないことや、学生らしさを感じられるシーンの温かみなどから、年代を問わず多くの人が楽しめる作品であるように感じた。
僕のヒーローアカデミア 公式サイト(少年ジャンプ)
僕のヒーローアカデミア 公式サイト(少年ジャンプ)
第3位 山本和音「生き残った6人によると」(『ハルタコミックス』KADOKAWA)
ゾンビパンデミック×シェアハウスという新ジャンルの物語。極限化でのおかしな人間模様を描く、サバイバル・ラブコメディーとなっている。ゾンビとの戦闘シーンはハラハラドキドキで迫力もありながら、温かみのある画風で、生き残りながらの恋愛模様が描かれている。命がけのサバイバルと恋愛リアリティショーを合わせたような設定は、驚きと新鮮さを感じられる。キャラクター達の掛け合いから、この状況で恋愛をする意味の説得力も感じられるため、違和感なく世界観に浸り楽しむことができる。
生き残った6人によると 公式サイト(KADOKAWA)
生き残った6人によると 公式サイト(KADOKAWA)