西原ゼミ 「大学生で出会った作品ベスト3」

[大学生で出会った作品ベスト3]
第1位 高橋悠也「小説 仮面ライダーエグゼイド〜マイティノベルX〜」(講談社キャラクター文庫、2018)
舞台は2023年。医師・宝生永夢のもとに届いた謎の小包には「マイティノベルX」と書かれたガシャット(ゲーム)が入っており、差出人は消滅したはずの檀黎斗だった。ゲームを攻略する永夢は、ゲームに描かれた自分の過去と対峙しゲームオーバーになってしまう。仲間たちは彼を救い出すため、彼が隠していた思いに直面し、運命と向き合う。東映作品、「仮面ライダーエグゼイド」の続きを描き、全ての根元が明らかになる小説。放送作品に感じる「なぜ?」を鮮やかに回収し、永夢の過去に圧倒されて苦しくなった。水晶が透き通って純粋に見えるのは何故なのか。命について考えさせられる、本編を全て観てから読むべき一作。
(参考情報:講談社BOOK倶楽部
第2位 楪 一志「レゾンデートルの祈り」(KADOKAWA、2021)
感染症の蔓延をきっかけに安楽死が合法化された日本。安楽死を遂げるためには人命幇助者(アシスター)との面談が必須である。アシスターに就いた主人公の眞白は、安楽死希望者との対話の中で様々な苦しみと幸せに対峙する。わずかに見える「生きたい」の気持ちに、希望を見出す眞白は生きるための理由を共に見つめ直していく。心に染み渡るような言葉の温かさが安心をもたらす一方、残酷さを帯び、希望者と対立するシーンが魅力的で苦しい。生きづらさが少し和らぐような、絶望の中の希望の小説。ハンカチ必須です。
(参考情報:KADOKAWA
第3位 尾田栄一郎「ONE PIECE novel LAW」(集英社、2020)
国民的漫画「ONE PIECE」に登場するキャラクター、トラファルガー・ローの過去を描いた小説。漫画では描かれなかったエピソードの行間が明らかになり、ローが船長を務める「ハートの海賊団」旗揚げに至るまでの日々が描かれる。船員たちとどのように出会い、何を抱えて海に出たのかがわかるため、ワンピース好きにお勧めしたい一作。愛に裏切られ、愛を知り、愛を失ったローはどのように人と向き合っていくのか。これを読むだけでキャラクターへの印象が変わり、再び漫画を読み直したくなるような情報の詰まった作品。
(参考情報:JUMPJBOOKS

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