西原ゼミ 「大学生で出会った作品ベスト3」

[大学生で出会ったアブナイ作品ベスト3]
FLY ME TO THE MOMO
第1位 北条司「シティーハンター」(『週刊少年ジャンプ』集英社、1985年-1991年)
-XYZ- もう後がないという意味の、シティーハンターへの依頼の暗号。でも、依頼を受けるのは美女がらみか心が震えた時だけ…。裏社会NO.1スイーパー冴羽獠と相棒の槇村香が新宿を舞台に大活躍するハードボイルドラブコメディー!
 獠と香が、社会の悪を成敗し、依頼人を助けるシリアスなストーリーに、美女に目がない獠の暴走を100tハンマーで止める香のコメディー要素が相まって面白く、暗い過去を理解し、互いを思いやり、愛と信頼に満ちた最高のパートナーでありながら、素直になれないふたりの関係性が素敵です。この作品は、母に勧められて読みましたが、最高にクールでかっこいいけど、それ以外も多いので、この作品を子供に勧める母が一番アブナイと思いました。
(参考情報:北条司 OFFICIAL WEB SITE
第2位 遠藤達哉「SPY×FAMILY」(『少年ジャンプ+』集英社)
西国・ウェスタリスと東国・オスタニアが冷戦を繰り広げるなか、スパイの男・ロイドがミッションのために用立てた「かりそめの家族」フォージャー家。スパイの父・ロイド、エスパーの娘・アーニャ、殺し屋の母・ヨルはそれぞれの事情を隠し、平穏な家庭生活を送るため奮闘する。
かりそめの家族をお互いに自認しながらも、互いの存在が大切になっていく様子から、本当の家族とは何なのか考えさせられます。アーニャのかわいらしさや、フォージャー家のコミカルなやり取りが楽しい一方、戦争、孤児、親子関係、動物実験をいったエッセンスがちりばめられていて、実はアブナイ作品でもあります。
(参考情報:アニメ『SPY×FAMILY』
第3位 岡崎京子「pink」(『NEWパンチザウルス』マガジンハウス)
昼間はOLとして働き、家ではワニを飼っているユミちゃんは、欲しいもののためなら何でもする。普通のOLだったユミちゃんが東京という街で普通に壊れてしまう様子を描いた、“愛”と“資本主義”をめぐる物語。
愛とは、お金とは、人の美しさも醜さも弱さも強さをも、あまりにリアルに描き切った、圧倒的な傑作です。乾いたセリフにクールな絵、一切媚びない描写や描き出されるものに、何度もドキッとさせられ、80年代後半の東京を舞台としながら、今も変わらない普遍的な物語に、苦しくなります。なんと、作者の岡崎京子は跡見の卒業生でもあります。最高にロックでパンクでアブナイ、岡崎京子作品にぶん殴られてみては?
(参考情報:『pink 新装版』―岡崎京子著

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