西原ゼミ 「わたしのベスト3」

魔女を守る任を負う鬼の少年・モリヒトは、ひょんなことから幼馴染である魔女・ニコと同居することになる。魔法でイレギュラーを巻き起こしつつ日々の生活を楽しむニコと、まるで保護者のように隣に立つモリヒト。さらにそれを見守る天狗や狼男、吸血鬼が増えていく。

カオスが過ぎるファンタジー空間、ふんだんに詰め込まれた笑いの要素、内に秘められた幼馴染の心など、見どころ・つっこみどころ盛りだくさん。読むなら頭は空っぽで。
（参考情報：『篠原健太「ウィッチウォッチ（週刊少年ジャンプ公式サイト）』）

交通事故の後に突然姿を消した父親、人に追いかけられるようになった母親・早苗と息子・力。南は九州から北は東北まで、二人で逃避行をする。訪れた先々で全く知らない土地の美しさに見とれ、そこに暮らす知らない住人たちのやさしさに触れ、悪意に晒され弱った心が洗われていく。

再び家族は揃うのか。この逃避行に終わりはあるのか。目に浮かぶような情景描写と苦しくなりそうな心理描写が胸を打つ。丁寧に編まれた苦みと明日を是非。
（参考情報：『青空と逃げる　特設ページ（中央公論新社）』）

一人はギャンブラー、一人はスポーツ万能、一人は女好き、一人は博識。高校生の主人公・由紀夫には、父親が四人いる。個性豊かで愛情深い父親たちと由紀夫自身の感情が彼をひたすらに振り回す。学校生活を放棄せざるを得ないほど、事件の渦に巻き込まれていく。

綿密に構築された突飛で独特な世界観や登場人物たちの予測不可能な言動。物語の何がいつ急カーブをかけてくるか分からない。“読了までのめり込み”注意。
（参考情報：『「オー！ファーザー！」新潮社公式サイト』）