西原ゼミ 「わたしのベスト3」

[ミステリーな読後感3選!]
しょな
第1位 原作:古賀慶/作画:伊澤了「ブルータル 殺人警察官の告白」(『月刊コミックゼノン』コアミックス)
この作品は、『トレース 科捜研法医研究員の追想』に登場した壇浩輝という人物が主人公のスピンオフ作品です。
壇は顔良し・人柄良しでおまけに優秀、周りから慕われる刑事です。しかし彼には警察が難航する事件や、警察にさえ見つかっていない事件などの犯人を惨殺するという、裏の顔がありました。彼の殺害方法は惨いものばかりなのに、どこかスカッとしてしまう読後感。壇浩輝はなぜこのようなことをするのか。それは、彼が苦しむ犯人に放つ「その絶望(かお)が見たかった」という一言で理解できるはずです。
(参考情報:『ブルータル(ゼノン編集部)』
第2位 浅倉秋成「六人の嘘つきな大学生」(KADOKAWA)
とある有名IT企業が行った新卒採用にて、最終選考に残った六人の就活生。そこで与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げて、ディスカッションを行うというものだった――はずなのに、本番直前、「六人の中から内定者を一人決める」という課題に変更されてしまいます。更に突如として発見された六通の封筒の中身により、仲間から敵に変わってしまった六人の凄まじい潰し合いが始まる…。本作は伏線がとても多いので、読みば読むほど面白くなっていきます。また、作中に度々登場するインタビューの内容を最後に理解した時の読後感がたまりません。「もう一度読みたくなる」とはこういうことだと分かります。
(参考情報:『浅倉秋成「六人の噓つきな大学生」(角川文庫)』
第3位 原作:雨穴/漫画:綾野暁「変な家」(『comic HOWL』一迅社)
「あなたは、この家の異常さがわかるだろうか」…一見なんてことない二階建てのとある家の間取りは、何かがおかしいものでした。本作はオカルト専門フリーライターの「私」と、オカルト好きな建築設計士・栗原の2人を中心に家に隠された謎を解いていく物語です。謎の空間や意味深な二重扉など、その謎めいた造りの訳とは…?しかし、そんな謎多き家の間取りから二人が立てた仮説は、「殺人のために作られた家」でした。物語が進む度に入ってくる情報により、“仮説”が“真実”になる予感…。このワクワクとゾクゾクが重なり合う読後感が味わえる、魅力的な作品です。
(参考情報:『変な家(一迅プラス)』

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