Ryoko
川島ゼミ 観劇レポート(2024年10月期)
劇団四季『ライオンキング』
10月19日(土) 13:00/有明四季劇場
『ライオンキング』は、太陽煌めくアフリカの大地を舞台に「サークル・オブ・ライフ(生命の連環)」をテーマとして繰り広げられる壮大なミュージカルだ。今回この作品を観劇しようと思ったきっかけは劇団四季といったら『ライオンキング』というイメージが強く、劇団四季の名を様々な世代に広めたこの作品を一度は見ておきたかったということにある。
実際に鑑賞してみて、大きく2つの点について印象に残った。1つ目は人間が動物を演じるということ。この難題をどう表現するのか注目しながら観劇したが、驚いたことに開始から5分ほどで客席を動物が大行進してきた。この時点で創意工夫を凝らされた動物たちの動き、カラフルな世界観、様々なテクニックに目を奪われた。そして、気づいた時には、目の前にはサバンナが広がり、野生の動物がいるかのような感覚に陥った。主人公のシンバについては、頭にライオンを模したマスクを乗せて、上半身は半裸の状態。冷静に考えたら相当な違和感を感じるはずであるが、観客は想像力を掻き立てられ、物語の世界に一気に引き込まれる。
そして2つ目は音楽について。音楽は、ポップス界の巨匠エルトン・ジョンとミュージカル界の重鎮ティム・ライスが担当している。舞台版では映画版より新たに8曲が追加され、中には南アフリカ出身のレボ・Mらアーティストが新たに曲を提供したものもある。アフリカの言語「ズールー語」を用いたそれらの楽曲は、“生命の連環”を意味する「サークル・オブ・ライフ」や、アフリカ民族の誇りをうたう「ワン・バイ・ワン」など、観る者を一気にアフリカの広大なサバンナの大地へと誘った。
『ライオンキング』を観劇して、過去や現実と向き合うことで自分自身を取り戻すことの大切さを学ぶことが出来た。これが老若男女問わず『ライオンキング』が愛され続けてきた理由なのではないかと考えた。