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川島ゼミ 観劇レポート(2024年10月期)
『新テニスの王子様 The fourth stage』
今回観劇したのは『新テニスの王子様 The fourth stage』だ。この公演は8月から東京・愛知・大阪をまわり9月に東京凱旋公演を行った。『テニスの王子様』はよく知られている通り、「少年ジャンプ」で連載されていたスポーツ漫画だ。青春学園中等部のテニス部に入った越前リョーマが全国大会で優勝するまでの話だ。続編である『新テニスの王子様』とは、全国大会の後に優秀な選手を集めたU-17選抜を賭けて競い合う物語だ。今回の4thステージでは、U-17WORLDCUP準決勝にてリョーマ含む日本代表と世界最強のチーム・ドイツとの試合が描かれている。
はじめに注目した点はテニスコートと映像の使い方だ。まずテニスコートの使い方。舞台の真ん中に長いテニスネットが設置され、役者は左右に別れて対戦する形になっている。他の選手達は左右に設置されたベンチに座りストーリーテラーの役割を担っていた。普通にテニスをする時は基本的に固定されたテニスネットを挟んで戦うが、今回観劇した新テニミュではテニスネットの両端をスタッフが持ち自由に回転させたり移動出来るようになっていた。つまりテニスネットがぐるぐると回転する中、役者たちもネットを挟んで戦いながら移動していた。まるで舞台装置の盆の上で踊っているかのようだった。テニスをする以上対戦場面がほとんどを占める為、観客を視覚的に飽きさせないようにこのような演出を行っているのでは無いかと考えた。また、テニスネットを動かすことによって選手たちの動きに躍動感が生まれ、臨場感がぐっと高まるのを感じた。
次に映像の使い方だ。今回の公演では、ダンクマール・シュナイダーというドイツ代表の選手が登場する。この選手はネット上で見た事がある人も多いと思うが、体を巨大化させてテニスを行う。「デカ過ぎんだろ、、」で有名なキャラクターだ。巨大化を再現するために、ダンクマールが幕の後ろ側に回り込むと、影がどんどん大きくなり最終的に巨大化したダンクマールの映像が投影された。この映像は巨大化したあとが日によって違うようで、私が観た時はダンクマールがキラキラと発光して「いや輝きすぎんだろ!!!」と周りが叫んでいた。大千秋楽では地球の上に立っていたり、他の日では富士山の映像が追加されていたようだ。表現することが難しい技を映像化することによって、技の再現が可能になり『テニスの王子様』の世界観により入り込めると感じた。
今まで円盤でしか見たことがなく、初めて現地での観劇だったが、ベテランから若手まで国籍関係なく様々な役者が揃っていて歌がとても上手く感動した。特に好きなキャラクターの1人である日本代表の幸村精市が、ドイツ代表である手塚国光と対戦する場面はとても感動した。全国大会のfinalで越前リョーマに敗退し、あれから心が折れかけていた幸村が、「これがテニスなんだね!」と楽しそうにラケットを振る姿がとても格好良かった。演じているのは役者だが、キャラクターが乗り移ったかのような立ち振る舞いが見事に感じた。
また、最後に客席降りもありとても楽しかった。そして1月から『テニスの王子様 青学vs比嘉』がはじまる。新たなキャストを迎えての一発目の公演になる。また王子様たちの戦いを観に行こうと思った。