ご挨拶

梅雨です。
率直なところ苦手ですね。
本を読んでいると眠たくなります。
(2019/6/22)

ことば

「それに、サーヴィスが下手だとおっしゃる貴方の目が、いつ私をくびきるかも判らないし、なるべく、私と云う売り子に関心を持たれないように、私は下ばかりむいているのです。あまりに長いニンタイは、あまりに大きい疲れを植えて、私はめだたない人間にめだたない人間に訓練されていますのよ。あの男は、お前こそめだつ人間になって闘争しなくちゃ嘘だと云うのです。あの女は、貴女はいつまでもルンペンではいけないと云うのです。そして勇ましく戦っているべき、彼も彼女もいまはどこへ行っているのでしょう。彼や彼女達が、借りものの思想を食い物にして、強権者になる日の事を考えると、ああそんなことはいやだと思う。宇宙はどこが果てなんだろうと考えるし、人生の旅愁を感じる。歴史は常に新しく、そこで燃えるマッチがうらやましくなった。」林芙美子『放浪記』、新潮文庫、2002年改版、245頁。

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