科目名 | 心理的アセスメント/心理査定法 | |
担当者 | 酒井 佳永 | |
開講期 | 2024年度春学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 3年 | |
単位数 | 1単位 | |
授業の方法 | 演習 | |
授業題目 | 心理的アセスメントの目的、倫理、観点、方法を学ぶ。 | |
授業の達成目標 | 心理査定(心理的アセスメント)の目的、心理的アセスメントにおける様々な観点、心理的アセスメントの倫理について説明できるようになる。 心理支援の現場で用いられることの多い、様々な心理検査(質問紙法、投映法、知能検査、神経心理検査等)について、その特徴、実施方法、結果の整理と解釈の技法を学び、簡易な心理検査を用いた心理的アセスメントを実施できるようになる。 さらには、心理支援を行う対象(要支援者)について、心理検査法の結果、および、面接、観察等の情報を統合して心理的アセスメントを行い、その結果を要支援者にフィードバックする技能、そして心理的アセスメントの結果を踏まえた支援計画を立てる方法について説明できるようになる。 |
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今年度の授業内容 | 授業では、最初に心理的アセスメントの目的、観点、倫理について概説する。 その後、心理臨床の現場で用いられることの多い心理検査を中心に、検査が依拠する理論、検査の実施方法、結果の整理や解釈の方法、心理支援結果の報告とフィードバックの方法について講義を行ったうえで、受講者が実際に検査を実施もしくは体験することにより、心理検査の実施および解釈の方法について学ぶ。各検査を体験する毎に小レポートを作成し、理解を深める。 また解釈が行いやすい複数の心理検査については、臨床事例をもとにした架空事例を用いて、心理検査結果の解釈およびアセスメントに基づいた心理支援の計画を作成の演習を行う。 |
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準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 事前にポータルに掲出する各回の資料を読み、疑問に思うことを予め整理しておくこと。なお、毎回ではないが、教員から事前に取り組むべき課題を指示することがある。授業終了後は、配布プリントやノートを見直して自分なりにまとめなおして理解を深めること。授業中に心理検査を実施した場合は、その結果を整理し、解釈を行うことによって、心理検査の実施法、整理法、解釈法の理解を深めること。 | 合計15時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 心理検査、面接、観察など様々な情報を用いて、統合的に要支援者を理解し、支援計画を立てるための方法を学ぶ授業です。特に心理検査の実施方法、解釈方法の習得には、多くの時間と労力を必要とします。 授業では、自分自身を被検者として様々な心理検査を体験するとともに、その結果を整理し、解釈してレポートにまとめる、という課題が課されます。授業時間外に多くの自習が必要になるとともに、「心理検査を受検する」「自分自身について知る」ことに関わる心理的な負担も体験することになります。 自習時間の多さ、心理検査の受検が必須となることを念頭に置き、それが自分にできるかどうかを考えたうえで受講するかどうかを決めてください。 |
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第1回 | オリエンテーション—心理的アセスメントとは何か | |
第2回 | 心理的アセスメントの理論 | |
第3回 | 面接・観察・検査によるアセスメント | |
第4回 | 質問紙法の実施と解釈―特性論に基づいた心理検査 | |
第5回 | 質問紙法の実施と解釈―類型論に基づいた心理検査 | |
第6回 | 質問紙法の実施と解釈―交流分析とエゴグラム | |
第7回 | エゴグラムの解釈―架空事例を用いた演習 | |
第8回 | 投映法の基礎知識 | |
第9回 | 投映法の実施と解釈ー風景構成法 | |
第10回 | 投映法の実施と解釈ー文章完成法 | |
第11回 | 風景構成法と文章完成法の解釈―架空事例を用いた演習 | |
第12回 | 投映法の実施と解釈―P-Fスタディ | |
第13回 | 知能検査の基礎知識 | |
第14回 | 知能検査の解釈ー架空事例を用いた演習 | |
授業の運営方法 | まず心理的アセスメントに関わる基本的な知識に関して講義を行う。 その後、心理検査を用いた様々なアセスメント方法について、①自らを被検者として体験する、②実施方法、結果の整理、解釈についての講義を聞く、③実施した心理検査について、結果を整理し、考察(解釈)を行って、レポートを作成し、提出する。このプロセスを通じて、心理的アセスメントの実施方法、結果の整理方法、解釈方法について学ぶとともに、心理的アセスメントの臨床的、倫理的側面についても体験的に学ぶ。 架空事例の解釈の演習を行う際には、小グループにわかれてディスカッションを行う。 |
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課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 小レポートについては、次の講義で全体に対して講評を行う。 各回のコメントシートに記載された質問や疑問については、次の講義において解説を行う。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 0% | 定期試験は行わない |
小論文・レポート | 80% | 授業期間中に課す小レポートおよび期末レポートを評価する。 |
授業参加 | 20% | コメントシートの提出、グループワークへの積極的な参加を評価する。 |
テキスト | 特に指定しない |
参考文献 | 公認心理師の基礎と実践14 心理的アセスメント/津川律子・遠藤裕乃編著/遠見書房/2019/ ISBN978-4-86616-064-1 |
関連ページ | 特になし |
その他、履修生への注意事項 | 1.授業内に、様々な心理検査を体験し、整理、解釈方法を学びます。心理検査の倫理綱領(授業内で詳しく説明する)を遵守し、決して心理検査の拡散(検査の設問やその整理・解釈方法についてSNSなどに書き込む、検査刺激の写真をとってアップロードする、架空事例について公共の場で話すなど)をしないこと。これに違反した場合は、その後の授業への参加を禁じ、成績は不可とします。 2.心理検査の体験演習を行う週に欠席したものは、その検査は体験できないことに留意してください。(翌週に当該学生だけを対象に実施したり、検査用紙のみを配布して、自宅で実施したりすることはできません) 3.架空事例の解釈に関する演習は、小グループでのディスカッションを行います。ディスカッションには積極的に参加してください。また、架空事例であっても、実際の事例をもとにしてあります。事例の内容について、決して公共の場で話したり、SNS等に書き込んだりしないでください。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【心理学部 臨床心理学科】 |
実務経験の概要 | 医療機関、教育機関において臨床心理士、公認心理師としての勤務経験あり。 |
実務経験と授業科目との関連性 | 医療現場における心理支援において、心理的アセスメントを行っていた実践経験を生かし、本授業で学ぶ心理的アセスメントを、実際の臨床事例への心理支援にどのように適用するかについて習得できるよう指導する。 |