科目名 | 文化マネジメント入門 | |
担当者 | 米屋 尚子 | |
開講期 | 2025年度秋学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 1年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業形態 | 対面(全回対面) | |
オンライン実施回 | — | |
全回対面 | ||
授業題目 | 芸術文化、文化産業の成り立ちと、その主な事業主体のマネジメントの特徴について、歴史や制度的側面を考えながら学ぶ | |
授業の到達目標 | 現代日本においてさまざまなジャンルのアート活動、文化産業が展開されていること、文化領域の諸活動の幅の広さを概括的に捉えるとともに、それぞれの活動主体のマネジメントの特徴について理解できるようにする。アートや文化にかかわる事業は、営利ビジネスとして成立しているものと非営利活動として行われているものがあることを理解し、また芸術文化をとりまく諸制度の影響を受けることから、文化産業の状況や文化政策の今日的課題との関連でアーツマネジメントの特徴について説明できるようになることを目指す。 | |
今年度の授業内容 | 本講義では、演劇、音楽、伝統芸能などの実演芸術、美術などの芸術諸分野を対象とするアーツマネジメントや、映画やアニメなどのコンテンツ、ライブ・エンタテイメントなどの文化産業など、文化マネジメントの基礎を学ぶ。アートの諸領域に加え、わが国の劇場・音楽堂、博物館・美術館などの文化施設について、また種々の文化産業の概況を捉え、文化政策、支援制度、法律などの観点からも文化にかかるマネジメントの特徴を捉え、現状と課題についての考察につなげられるようにする。 | |
準備学修(予習・復習等)の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 講義時に示す参考資料について、事後に振り返りを行い、理解を深めること。個別の事象、事例の内容理解にとどまらず、全体を通しての関連性、共通項などを意識すること。 | 1回平均約190分 |
自習に関する一般的な指示事項 | 新聞やニュースサイトの文化記事などに普段から注意を払っておくこと。またアーツマネジメント領域に関する総合情報サイトnet-TAMや、講義の際に示される参考資料が得られるWebサイト等に適宜アクセスして、積極的に情報収集すること。 |
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授業の特徴(アクティブラーニング) | レポート/討議(ディスカッション・ディベート)/グループワーク | |
第1回 | イントロダクション:アーツマネジメントとは何か(1) 「文化」という語が示す範囲と、文化の意義について。アーツマネジメントの基礎知識。 | |
第2回 | アーツマネジメントとは何か(2) 「芸術」の語源とその概念の変遷、そして「美」を支えてきた制度の変遷について。 | |
第3回 | 日本の芸能のいろいろと、その上演施設について。 | |
第4回 | 劇場について。その構造と歴史的変遷 | |
第5回 | 劇場とは何か。制度としての公会堂、公民館、公立文化施設との相違点・共通項 | |
第6回 | アートの現場:演劇の公演に関わる組織、人とその役割。 | |
第7回 | 劇場と公演主催者のいろいろ。集客のためのチケットポリシーや普及のための工夫について | |
第8回 | アートの現場:日本のオペラ、バレエ、ダンス公演のマネジメント。芸術フェスティバルについて | |
第9回 | クラシック音楽のコンサート、伝統芸能の公演について | |
第10回 | 著作権制度について(1) 文化産業に不可欠な基礎知識として知っておくべきポイント。 | |
第11回 | 著作権制度について(2) ポピュラー音楽、放送、映画などのエンタテイメント産業におけるマネジメントの基礎 | |
第12回 | 映画、アニメ産業、ライブ・エンタテイメントの動向 | |
第13回 | アーツ・マーケティングについて。宝塚歌劇団を例に、ライブ・エンタテイメントのマーケティングについて | |
第14回 | 文化政策、芸術文化をとりまく諸制度とマネジメントの課題、まとめ。 | |
授業の運営方法 | 毎回、テーマに関係する資料を提示。必要に応じてペアまたはグループでディスカッションをする。 | |
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 受講生は、講義の中で疑問に思ったことや感じたことを短いコメントにして、講義ごとに配布されるフォームに記載、またはTeams経由で提出。教員はそれらに対し、授業内もしくは個別にフィードバックを行う。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
授業参加 | 40% | 授業ごとのコメント |
小論文・レポート | 60% | 期末レポート |
テキスト | スライドを使用 |
参考文献 | 米屋尚子著『改訂2版 演劇は仕事になるのか? 演劇の経済的側面とその未来』(アルファベータブックス 2024) 石田麻子著『市民オペラ』(集英社新書 2022) 福井健策著『18歳の著作権入門』(ちくまプリマ―新書 2015) 森下信雄著『元・宝塚総支配人が語る「タカラヅカ」の経営戦略』(角川新書 2015) |
関連ページ | net-TAM https://www.nettam.jp/ 文化庁 https://www.bunka.go.jp |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【マネジメント学部 マネジメント学科】 |
実務経験の概要 | 外資系銀行勤務、フリーの演劇ジャーナリストなどを経て、英国シティ大学大学院、米コロンビア大学大学院に留学し英米のアーツマネジメントを学んだのち、1996年より2020年まで日本芸能実演家団体協議会(芸団協)に勤務。実演芸術分野の実務家向けの芸団協セミナー等の研修事業や舞台芸術にかかる調査研究、政策提言などの携わる。文化審議会文化政策部会委員や、自治体の文化芸術振興審議会等の委員を経験。2023年5月より独立行政法人日本芸術文化振興会・基金部で文化施設担当のプログラム・オフィサー。 |
実務経験と授業科目との関連性 | 演劇・音楽・舞踊・演芸などの実演芸術の現状と課題を捉え、その環境改善のための調査研究、政策提言に関わってきたことから、芸術の現場と制度との関係について専門的知見を有する。また芸文振のPOとして、芸術支援制度の改善と発展に現在進行形で関わる立場から、芸術団体のマネジメントの今日的課題について意識的である。 |