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科目名映画史概説
担当者渡邉 大輔
開講期2026年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次1年
単位数2単位
授業の方法講義
授業形態対面(全回対面)
オンライン60単位制限対象科目
全回対面
授業の到達目標現代の文化表現において、「動く映像moving image」は重要な位置を占め続けていますが、その始まりであり、今なお代表的な存在となっているのが、約130年前の19世紀末に生まれ、20世紀に発展した「映画」です。映画というジャンルを正確に理解するには、その時代ごとに制度や表現、思想を変えていく歴史=映画史についての理解と、代表的な個々の名作の鑑賞経験が不可欠です。本講義では、国内外の映画史について、基本的な事績や論点を具体的な作品紹介とともに学びます。それを通じて、映画史への理解を深め、近現代の映画史について各自の関心の関心に応じて主体的な分析・批評ができるようになります。
今年度の授業内容本講義では、映画の特性や歴史について、映画研究やメディア文化理論の視点から概説していきます。また、アニメーション、テレビなど映画以外の映像表現も幅広く取り上げていく予定ですが、アニメーション/アニメは春学期の別科目「アニメーション史概説」で中心に扱うので、本講義はいわゆる「実写映画」中心です。なお、非劇映画=ドキュメンタリー映画については、これも春学期の「ヴィジュアル・カルチャー概論」で主に扱います。
準備学修(予習・復習等)の具体的な内容及びそれに必要な時間について事前にポータルに掲出する当該回の講義資料を熟読し、疑問に思うことをあらかじめ整理しておく。講義終了後は、当日の講義内容も踏まえ、感想・疑問をリアクション・ペーパーとして提出する。また、講義で扱った映像作品(映画、アニメーションなど)で興味を持ったものは、なるべく全編を鑑賞して理解を深めること。 1回平均約190分
自習に関する一般的な指示事項授業内で配布するレジュメなどを参考にし、授業で扱ったり紹介する関連文献や映画作品、映像動画を適宜確認・鑑賞すること。また、それ以外に、日常的にさまざまな映画や映像に触れておくことが望ましいでしょう。
授業の特徴(アクティブラーニング)リアクションペーパー/レポート
第1回授業ガイダンス:映画史と映画表現を学ぶ視座
第2回外国映画の歴史(1):初期映画からグリフィスの登場まで
エジソン、リュミエール兄弟による「映画」の発明からジョルジュ・メリエスの登場、エドウィン・S・ポーターやデイヴィッド・ウォーク・グリフィスによる映画の物語文法の確立と「ハリウッド」の成立まで。
第3回外国映画の歴史(2):モンタージュ理論のインパクト
1920年代のソヴィエトで生まれた「モンタージュ理論」と、レフ・クレショフ、セルゲイ・エイゼンシュテイン、フセヴォロド・プドフキン、ボリス・バルネットらソヴィエト作家たちの活躍を見ます。

第4回外国映画の歴史(3):古典的映画の黄金期(前編)
エルンスト・ルビッチ、アルフレッド・ヒッチコック、ミュージカル映画、ミッキーマウスなどいくつかの作品を例に、「古典的(ハリウッド)映画」「ヘイズ・コード」「トーキー」の説明などを交え、20世紀半ばに映画が黄金時代を迎えていったプロセスを見ていきます。西部劇、サスペンス、スクリューボール・コメディなどの代表的な各ジャンルの名作も確認します。
第5回外国映画の歴史(4):古典的映画の黄金期(後編)
その後、オーソン・ウェルズ『市民ケーン』『上海から来た女』などのフィルム・ノワールやヒッチコック『サイコ』を例に、古典的映画の変容を見ます。
第6回外国映画の歴史(5)戦後世界の映画革命ーー「現代映画」の始まり
ここから第2次大戦後から現代に至る現代映画の発展を見ていきます。1940年代の「イタリアン・ネオ・レアリズモ」、1950年代末の「ヌーヴェル・ヴァーグ」、1960年代の「アメリカン・ニュー・シネマ」などです。
第7回外国映画の歴史(6):現代ハリウッドとワールドシネマの現在
1970年代のニュー・ハリウッド(ルーカス、スピルバーグ)から21世紀のマーベル映画(MCU)までの現代ハリウッドと、アジアをはじめとする各国の映画の状況を紹介します。
第8回日本映画の歴史(1):「活動写真」の時代
日本映画の歴史。明治時代の映画の渡来から日本人自身による撮影・製作の始まり。「日活」の創業、日本初の映画監督・映画スターの登場、「活動弁士」や「女形俳優」など、日本独自の歴史を見ていきます。
第9回日本映画の歴史(2):撮影所の時代と巨匠の登場
溝口健二・小津安二郎・成瀬巳喜男・黒澤明の4大巨匠の作品を軸に、1930年代から戦後の日本映画の発展を見ていきます。『ゴジラ』など娯楽映画の重要作も見ていきます。
第10回日本映画の歴史(3):戦後日本のヌーヴェル・ヴァーグ
増村保造、中平康のインパクトから大島渚らの「松竹ヌーヴェル・ヴァーグ」まで、戦後日本映画の「新しい波」について見ていきます。
第11回日本映画の歴史(4):斜陽化とメディアミックスーー大林宣彦の時代
1970年代の「角川映画」によるメディアミックスや80年代の自主映画の時代について見ていきます。
第12回日本映画の歴史(5):庵野秀明、岩井俊二から新海誠へ
1990年代から21世紀の現代日本映画の状況を、庵野秀明・岩井俊二・新海誠の3人を軸に、2025年の『劇場版鬼滅の刃 無限城編』『国宝』の大ヒットまで見ていきます。
第13回日本映画の歴史(6):「2007年の世代」からその先へ
濱口竜介、三宅唱、深田晃司などの1970・80年代生まれの以降の現代日本の映画作家の動向について見ていきます。
第14回授業のまとめ
授業の運営方法講義中心の授業。事前にポータルから講義資料のPDFを配布。それを元に、教室で関連する映像を上映しながら解説をしていきます。毎回、リアクション・ペーパーの提出を課します。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法毎回のリアクション・ペーパーの質問や感想に対して、有意のものはポータルか次回授業の冒頭で解説・回答・講評を行う。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
小論文・レポート 50%
授業参加 50% 積極的・協力的な授業態度に加え、毎回のリアクションペーパーを成績評価の参考に用います。
参考文献 村山匡一郎編『映画史を学ぶクリティカル・ワーズ 新装増補版』(フィルムアート社、2013年、978-4845913077)2200円、北野圭介『新版ハリウッド100年史講義』(平凡社新書、2017年、978-4582858495)990円、四方田犬彦『日本映画史110年』(集英社新書、2014年、978-4087207521)1100円、北村匡平『24フレームの映画学:映像表現を解体する』(晃洋書房、2021年、978-4771034518)2750円、蓮實重彦『見るレッスン:映画史特別講義』(光文社新書、2020年、978-4334045159)902円
この他、内容が多岐にわたるので授業内で適宜紹介します。
その他、履修生への注意事項 幅広い映像文化や映像作品への興味関心を抱いて、日常的に作品鑑賞に努めることが大切です。
拙著『『君の名は。』は日本映画に何をもたらしたのか:庵野秀明、岩井俊二、新海誠から読み解く現代日本映画史』(星海社新書)が3月に刊行予定ですが、これも参考テキストに加えます。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 現代文化表現学科】