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科目名ヴィジュアル・カルチャー概論
担当者渡邉 大輔
開講期2026年度春学期
科目区分週間授業
履修開始年次1年
単位数2単位
授業の方法講義
授業形態対面(全回対面)
オンライン60単位制限対象科目
全回対面
授業の到達目標映像メディアの多様化に伴って、近年、個別の研究領域に限定されない、視覚メディアを包括的に扱う「視覚文化論」や「映像文化論」、総じて「ヴィジュアル・カルチャー研究」への注目が高まっています。主に近代の複製技術以降の映像メディアに焦点を絞り、それらヴィジュアル・カルチャーの多様性や歴史性を概観できるようになります。それを通じて、以後の各種講義において、ヴィジュアル・カルチャーに属する文化や作品の基本的理解を深め、各自の関心に応じて主体的な分析ができるようになることを目指します。
今年度の授業内容本講義では、複製技術以降の視覚メディアの特性や歴史について映画研究やメディア文化理論、カルチュラル・スタディーズの視点から概説していきます。とくに、「写真」「映画」(海外/日本)「テレビ」「動画サイト/映像アプリ」などのジャンル、分野の歴史、及び基礎的な映像メディア理論を取り上げていく予定です。なお、「アニメーション/アニメ」は春学期の「アニメーション史概説」で扱います。また、「映画」のうち、一般的な劇映画(物語映画)の歴史は秋学期の「映画史概説」で扱いますので、本講義では「ドキュメンタリー」を軸に構成します。
準備学修(予習・復習等)の具体的な内容及びそれに必要な時間について事前にポータルに掲出する当該回の講義資料を熟読し、疑問に思うことをあらかじめ整理しておく。講義終了後は、当日の講義内容も踏まえ、感想・疑問をリアクション・ペーパーとして提出する。また、講義で扱った映像作品(写真、映画、アニメーションなど)で興味を持ったものは、なるべく全編を鑑賞して理解を深めること。 1回平均約190分
自習に関する一般的な指示事項授業内で配布するレジュメなどを参考にし、授業で扱ったり紹介する関連文献や映画作品、映像動画を適宜確認・鑑賞すること。また、それ以外に、日常的にさまざまな映画や映像に触れておくことが望ましいでしょう。
授業の特徴(アクティブラーニング)リアクションペーパー
第1回イントロダクション――「ヴィジュアル・カルチャー」ってなに?
授業概要・形式・成績評価などの説明と「ヴィジュアル・カルチャー」(映像文化)研究の基本的な説明をします。
第2回複製技術時代の視覚文化論――バラージュとベンヤミン
映像文化論の古典的テキストであるベラ・バラージュの「視覚的人間」とヴァルター・ベンヤミンの「複製技術時代の芸術作品」を解説します。
第3回写真は何を伝えてきたか――芸術からコミュニケーションへ
写真の歴史をたどります。ニエプス、ダゲールの写真の発明からInstagramまで。
第4回海外ドキュメンタリー映画の歴史(1):「初期映画」から「ドキュメンタリー」の誕生
外国のドキュメンタリー映画の歴史。エジソン、リュミエール兄弟による「映画」の発明からロバート・J・フラハティ、ジガ・ヴェルトフの登場までを見ていきます。
第5回海外ドキュメンタリー映画の歴史(2):イギリス・ドキュメンタリー運動と戦時下のレニ・リーフェンシュタール
1930年代のイギリス・ドキュメンタリー運動と戦時下のレニ・リーフェンシュタールをはじめとするプロパガンダ映画を見ます。
第6回外国ドキュメンタリー映画の歴史(3):戦後世界のドキュメンタリー映画革命
第2次世界大戦後のセミ・ドキュメンタリー、ダイレクト・シネマ、シネマ・ヴェリテ、日記映画、新左翼ドキュメンタリーなどの現代化するドキュメンタリーについて見ていきます。
第7回日本のドキュメンタリー映画の歴史(1):草創期の実況から戦時下文化映画の台頭
草創期の記録映像からプロキノ、戦時下の文化映画までの状況を見ます。
第8回日本のドキュメンタリー映画の歴史(2):戦技日本のドキュメンタリー映画
戦後の岩波映画から土本典昭、小川紳介の現代ドキュメンタリーまでを見ます。
第9回日本のドキュメンタリー映画の歴史(3):現代日本のドキュメンタリー
原一男、河瀬直美、想田和弘から小森はるか、小田香まで現代ドキュメンタリーの状況をまとめます。
第10回デジタル時代の映像文化(1):古典的映画から映像のデジタル的転回へ(前半)
アンドレ・バザン、レフ・マニヴィッチの理論を参考に、マーベル映画などを例に「実写映画とアニメーションの融合」について見ていきます。
第11回デジタル時代の映像文化(2):古典的映画から映像のデジタル的転回へ(後半)
スロー・シネマ、パズル映画、ポストカメラなど21世紀映画のキーワードを紹介します。
第12回デジタル時代の映像文化(3):映像と観客の「可塑性」
『KING OF PRISM by Pretty rhythm』の応援上映などを事例に、映画の受容の変化を見ていきます。
第13回「テレビドラマ」の時代――コミュニケーションの変遷史
日本のテレビドラマの歴史。高柳健次郎によるテレビの開発から『逃げるは恥だが役に立つ』『あなたの番です』まで。
第14回まとめにかえて:「ポストYouTube」の映像環境:複合する映像環境
InstagramやバーチャルYouTuber(VTuber)、TikTokまで、現代の映像環境をごく簡単にたどります。
授業の運営方法講義中心の授業。事前にポータルから講義資料のPDFを配布。それを元に、教室で関連する映像を上映しながら解説をしていきます。毎回、リアクション・ペーパーの提出を課します。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法毎回のリアクション・ペーパーの質問や感想に対して、有意のものはポータルか次回授業の冒頭で解説・回答・講評を行う。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 50% 期末テスト
小論文・レポート 0% 実施しない
授業参加 50% 課題提出、積極的な授業態度
その他 0%
テキスト 授業時にレジュメ資料を配布・配信。
参考文献 エリック・バーナウ『ドキュメンタリー映画史』(筑摩書房、2015年、4480873783)品切れ、村山匡一郎編『映画史を学ぶクリティカル・ワーズ 新装増補版』(フィルムアート社、2013年、978-4845913077)2200円、佐藤忠男編『シリーズ日本のドキュメンタリー』全5巻(岩波書店、2009-2010)、稲田豊史『このドキュメンタリーはフィクションです』(光文社、2024年、4334104339)1980円、長谷正人編『映像文化の社会学』(有斐閣、2016年、978-4641174245)2640円、渡邉大輔『新映画論 ポストシネマ』(ゲンロン、2022年、4907188447)3300円
この他、内容が多岐にわたるので授業内で適宜紹介します。
その他、履修生への注意事項 幅広い映像文化や映像作品への興味関心を抱いて、日常的に作品鑑賞に努めることが大切です。


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