| 科目名 | 人文学特殊講義(国際教養)D | |
| 担当者 | 笹島 雅彦 | |
| 開講期 | 2026年度秋学期 | |
| 科目区分 | 週間授業 | |
| 履修開始年次 | 3年 | |
| 単位数 | 2単位 | |
| 授業の方法 | 講義 | |
| 授業形態 | 対面(全回対面) | |
| オンライン60単位制限対象科目 | ― | |
| 全回対面 | ||
| 授業の到達目標 | ロシアのウクライナ侵略と中国の台頭により、ポスト冷戦構造が崩壊した現状を認識し、国際秩序のあり方について理解を深める。 米中対立を背景に、日本と中国、朝鮮半島の近現代史と現在の問題点を理解し、説明できるようにする。 そのうえで、ルールに基づく国際秩序を再構築し、強化していくために、日本はどのような外交を進めるべきか、自分の意見を述べることができる。 |
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| 今年度の授業内容 | 国際情勢を扱う。冷戦終結(1989年)後の「ポスト冷戦構造」は、2022年2月、ロシアのウクライナ侵略開始を契機に、崩壊していき、自由主義的な国際秩序は大きく揺らいでいる。冷戦後のグローバリゼーションの流れと自由貿易システムの拡大、ルールに基づく国際秩序の形成に、大きなブレーキがかかっている。ロシアへの対応をめぐって、日米欧など「民主主義体制」の国家群対中露・北朝鮮・イランなどの「権威主義体制」の国家群の対立が深まっており、民主主義の後退が懸念されている。 そうした中、中国の習近平指導部は3期目に入り、権力集中が進められ、1強独裁体制が強まっている。こうした専制主義体制の強化は、米国との対立を一層深め、最先端技術をめぐるグローバル・サプライ・チェーンの分断につながっている。その一方、こうした対立関係から一歩距離を置こうとする新興国や発展途上国を中心とする「グローバル・サウス」の国々の動向が注目を集めている。 第2期トランプ政権の登場は、こうした混沌とした国際情勢に一層、拍車をかける。トランプ大統領は同盟諸国との関係に冷淡な一方、権威主義国家の指導者たちとは親和性を示している。同氏は、中国やロシアとの「取引外交」を展開する構想を示している。ポスト冷戦構造の崩壊は、第二次大戦後長く続いた「パックス・アメリカーナ」(アメリカによる平和)の時代の終焉を意味するのだろうか。 |
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| 準備学修(予習・復習等)の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 毎回、指定する範囲内でテキストを熟読、予習すること。新聞の国際ニュースを毎日欠かさず読み、流れをつかむこと。 また、国際ニュースの担当者は、1週間の出来事の中から重要と思われる報道内容をレジュメにまとめて紹介する準備を行う。 1回平均約190分 |
1回平均約190分 |
| 自習に関する一般的な指示事項 | 新聞を毎日熟読し、国際ニュースの流れをつかむ。 |
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| 授業の特徴(アクティブラーニング) | リアクションペーパー/レポート/プレゼンテーション/討議(ディスカッション・ディベート) | |
| 第1回 | 授業の概要説明と担当振り分け 第2回 |
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| 第2回 | ポスト冷戦構造の崩壊とは何か |
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| 第3回 | 戦後の国際秩序の構築 |
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| 第4回 | 冷戦時代と「長い平和」 |
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| 第5回 | 冷戦時代の核戦略と現代における復権 |
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| 第6回 | 紛争後の平和構築とその挫折 |
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| 第7回 | アメリカの介入主義の系譜 |
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| 第8回 | 米中対立の深まり 第1期トランプ政権における2017年以降の対中経済制裁は、米中関係の悪化に拍車をかけた。この間、米国内では、超党派の有識者による対中認識が厳しさを増す時期となった。これによって、民主、共和党を問わず、対中政策は関与政策からの転換を求める方向になった。バイデン政権における国家安全保障戦略は、対中関係を戦略的競争関係と位置づけ、第1期トランプ政権からの継続性を示した。 |
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| 第9回 | 管理された戦略的競争関係から経済重視へ |
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| 第10回 | 日中国交正常化以降の日中関係と対中ODA供与 |
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| 第11回 | 第1次安倍政権以降の日中「戦略的互恵関係」とその復活 日本と中国、韓国の関係はいつもぎくしゃくしており、日本国内には嫌中感情、嫌韓感情が漂っている。日本の対中戦略を明確に定め、外交の機軸を提示する必要がある。日本では、尖閣諸島問題、台湾問題などから、中国に対する脅威感は高まっているが、日中関係の目指す方向性が定まっていない。こうした問題意識の下で、日米中のトライアングル外交を考えていく。 |
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| 第12回 | 第20回中国共産党大会と第3期習近平政権 |
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| 第13回 | 国際秩序形成を巡る競争 |
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| 第14回 | トランプ政権と日本の役割 |
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| 授業の運営方法 | 毎回の授業冒頭、担当学生が国際関係に関わる新聞報道を報告する。教員がそれに基づく背景説明を行い、当日の授業と関連付ける。講義内容は実証的アプローチを目指しており、学生からの積極的な質問・意見を求める。 |
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| 課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | ウエブ会議システムMicrosoft-teams上、各学生それぞれの「クラスノートブック」欄を用い、毎回の授業終了時に「リアクション・ペーパー」を投稿する。One Note機能をフル活用する。「リアクション・ペーパー」に質問は書かないこと。質問は授業時間内に直接、質問することが原則。「リアクション・ペーパー」には、授業内容のメモや、指示に基づくそれぞれの意見を書きこむこと。教員はそれに対し、赤ペンで講評、添削を行う。レポート提出の場合も同様である。 場合によっては、チームズのチャット機能や、ポータル上の「掲示板」「Q&A」「メール」機能を利用する場合もある。 |
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| 評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
| 定期試験 | 0% | 実施しない |
| 小論文・レポート | 60% | 中間・期末レポート |
| 授業参加 | 40% | 国際ニュース報告と質問、意見表明、毎回の授業後のリアクション・ペーパー記載など |
| テキスト | 北岡伸一、細谷雄一編「新しい地政学」(東洋経済新報社、2020年) |
| 参考文献 | 川上高司・石澤靖治編「トランプ後の世界秩序」(東洋経済新報社、2017年)のうち、笹島雅彦著「第2章日中関係【政治】」 |
| その他、履修生への注意事項 | (成績評価) |
| 卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【文学部 人文学科】 |
| 実務経験の概要 | 35年間に及ぶ新聞記者生活。政治部、国際部などに所属し、北京特派員として中国の暗部を探るなど、ジャーナリズムの最前線で働いてきた。 |
| 実務経験と授業科目との関連性 | 政治、外交、安全保障にかかわる豊富な現場体験をもとに、理論と現実の相違点を実証的にわかりやすく分析する。単なる教科書的な理論の紹介ではなく、深く現実政治の動向を見据えながら、ダイナミックに国際事象に切り込んでいく。 |