| 科目名 | 人文学特殊講義(現代思想・社会)B | |
| 担当者 | 三笠 俊哉 | |
| 開講期 | 2026年度秋学期 | |
| 科目区分 | 週間授業 | |
| 履修開始年次 | 3年 | |
| 単位数 | 2単位 | |
| 授業の方法 | 講義 | |
| 授業形態 | 対面(全回対面) | |
| オンライン60単位制限対象科目 | ― | |
| 全回対面 | ||
| 授業の到達目標 | 本講義では,現代の行為の哲学に関わる基本論文の内容を検討することによって,現代哲学の基本的なテーマの一つである行為の哲学の内容を考察する。論文の読解を通して,人文科学の文献の理解に必要な批判的な読解のスキルを身につける。 | |
| 今年度の授業内容 | 一般に,人間が行うなにか動作をともなった事象を「行為」という。こうした行為が哲学の問題になるというのはどのようなことなのだろうか。 次のようなケースを想像してみよう。「パソコンでレポートを作成しているとき,頭が痒くなって,キーボードを打つ手を止めて頭を掻いた。さらに2時間後,目に強い疲労感を感じ,まぶたに痙攣があった」。この中の「頭をかく」はこの人の行為といってよいだろうが,「まぶたの痙攣」は行為であろうか。まぶたの痙攣のような現象は生理的な反応であり,一般には行為とは呼ばないのではないか。では「頭を掻く」は行為と呼び,「まぶたの痙攣」は行為と呼ばないのはなぜなのだろうか? 行為の哲学では,まず何が行為と呼ばれ何が呼ばれないのかを理解し説明することを目指す。行為のしくみが理解できたからとって,例えば,私たちが現実の生活において道徳的に良い行為を常に選択してできるようになるわけではないかもしれない。しかし行為について理論的に理解することができなければ,例えばそもそも倫理的な行為は,何に向けての行為なのかといったことがわからない。行為についての理論的な考察は,私たちの実践的な行為を行うにあたって,どうするべきかを考えるための前提をなすことになる。 本講義では,現代の行為の哲学の主要な論者であるアンスコム,デイヴィドソンなどを取り上げ,彼らの主要論文の読解を通してその主張の内容を検討する。 |
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| 準備学修(予習・復習等)の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 事前に配付する講義資料,テキストの該当箇所を読み疑問点をまとめておくこと。 授業後には,理解した内容を整理しておくこと。 |
1回平均約190分 |
| 自習に関する一般的な指示事項 | 事前に配付された資料や参考文献を参照し, 自 分の興味に関連する箇所を読んでおくこと。 | |
| 授業の特徴(アクティブラーニング) | リアクションペーパー/レポート | |
| 第1回 | ガイダンス:行為の哲学とは何か | |
| 第2回 | E. アンスコム,『インテンション』,意図的行為の分析 | |
| 第3回 | E. アンスコム,『インテンション』,意図的行為の分析と意図原因説の問題点(1) | |
| 第4回 | E. アンスコム,『インテンション』,意図的行為の分析と意図原因説の問題点(2) | |
| 第5回 | D.デイヴィドソン,「行為,理由,原因」,§§1~2を読む。行為の因果説の検討(1) | |
| 第6回 | D.デイヴィドソン,「行為,理由,原因」,§§3を読む。行為の因果説の検討(2) | |
| 第7回 | D.デイヴィドソン,「行為,理由,原因」,§§4を読む。行為の因果説の検討(3) | |
| 第8回 | M.プラットマン,「計画を重要視する」,§1を読む。意図の計画理論の検討(1) | |
| 第9回 | M.プラットマン,「計画を重要視する」,§2を読む。意図の計画理論の検討(2) | |
| 第10回 | M.プラットマン,「計画を重要視する」,§3を読む。意図の計画理論の検討(3) | |
| 第11回 | M.プラットマン,「計画を重要視する」,§4を読む。意図の計画理論の検討(4) |
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| 第12回 | 行為を秩序づけるとはどのようなことか,E. アンスコム『インテンション』の実践的推論の検討(1) | |
| 第13回 | 行為を秩序づけるとはどのようなことか,E. アンスコム『実践的推論』の実践的推論の検討(2) | |
| 第14回 | 行為を秩序づけるとはどのようなことか,実践的推論と実践的知識 | |
| 授業の運営方法 | 授業は講義形式で進める。 また講義中に生じた疑問やコメントは大いに歓迎するが,リアクションペーパーで提出してもらうことも可とする。 |
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| 課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 中間のレポートについては授業内でコメントする。 | |
| 評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
| 小論文・レポート | 100% | 論文内容を理解しているか。理解した内容を元に自分の興味関心分野に応用できるか。 |
| 参考文献 | 柏葉達也,『行為と出来事の存在論』,勁草書房,1997年. 黒田亘,『行為と規範』,勁草書房,1992年. 門脇俊介,野矢茂樹 編・監修,『自由と行為の哲学』 エリザベス・アンスコム,(柏葉達也 訳),『インテンション 行為と自由の哲学』,岩波書店,2022年. サラ・K・ポール,『行為の哲学』,勁草書房,2025年. |
| その他、履修生への注意事項 | 授業資料の配付にTeamsを使用する。参加コードは初回授業で伝える。 |
| 卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【文学部 人文学科】 |