科目名 | 臨床心理学演習IA | |
担当者 | 岡本 潤子 | |
開講期 | 2024年度春学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 3年 | |
単位数 | 1単位 | |
授業の方法 | 演習 | |
授業題目 | 青少年の反社会行動・不適応行動や子どもをめぐる家族の問題の研究 | |
授業の達成目標 | ① 自身が漠然と関心を持っているテーマを,文献および先行研究で具体的に当たり,探求したいことを心理学のことばに絞っていくことができる。 ② 知りたいことを知るために,具体的な方法を考えることができる。 ③ グループでの学びを重ねる中で,お互いの意見を尊重しながら議論することを身に着ける。論文作成などの学術活動に際して必要な研究倫理を身につける。 |
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今年度の授業内容 | 非行,いじめ,不登校,引きこもりなどの青少年の社会不適応行動,児童虐待,家庭内暴力,きょうだいの不和,父母の離婚や紛争の中の子どもなど,子どもをめぐる家庭や家族の問題は,多様な要因が複雑に関係し,簡単に解明はできません。しかし,先行研究の学習を十分に行い,小さな問いを工夫して組み立て,自分たちなりの発見を積むことはできるはずです。 春学期の演習では,秋学期での調査を視野に入れ,1年がかりの実証研究をスタートさせます。研究は,グループで行います。グループ員で関心を絞り込み,或いは発展させ,研究計画を練り,質問紙の使用,専門家へのインタビュー調査など,計画を練っていきます。 非行のある少年や現に問題を抱えている子どもを直接調べることはできないので,研究計画には工夫が必要です。 |
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準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | まず,自分の興味のあることについて,すでにわかっていることを,文献や先行研究を読み,調べていきます。それらの準備学修や,グループでの検討は,授業時間内だけでは行えません。各人が,グループでの活動を積極的かつ効率的に行う工夫を提案し,努力してみてほしいと思います。 | 合計15時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 青少年,家族,子どもについて社会の中で起きている出来事に興味を持ち,色々な考え方があることに気付くようにしてください。 | |
第1回 | オリエンテーション・学生と教員の自己紹介 | |
第2回 | 心理学の実証研究を行うことの意味について考える。教員の講義とディスカッション | |
第3回 | 犯罪や家族の研究について。教員の講義とディスカッション | |
第4回 | 自分の関心領域について,既知の事実や先行研究の結果の調べ方について。教員の講義 | |
第5回 | 関心テーマについての学生の発表 ① 学生のプレゼンテーションと質疑 | |
第6回 | 関心テーマについての学生の発表 ② 学生のプレゼンテーションと質疑 | |
第7回 | キャリアガイダンス | |
第8回 | 研究計画のたて方について ① 教員の講義とワーク | |
第9回 | 研究計画のたて方について ② 教員の講義とワーク | |
第10回 | 先行研究調べと研究計画についての学生の発表 ① プレゼンテーションと質疑 | |
第11回 | 先行研究調べと研究計画についての学生の発表 ② プレゼンテーションと質疑 | |
第12回 | 班編成。班ごとの準備と検討開始 | |
第13回 | 班別研究 | |
第14回 | 夏休みに向けての班別行動計画発表。 レポート提出 | |
授業の運営方法 | 秋学期に行う実証研究に向けて,準備をしていきます。 春学期には,それぞれが自分の関心事からスタートし,心理学の実証研究につなげていけるよう,教員からの講義を受けつつ,準備します。プレゼンテーションと質疑のときには,学生自身がマネージメントをし,進行します。 心理学科で学び,巣立っていく自分を意識し,キャリアについても考えていくために,キャリアガイダンスの回も設けます。 |
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課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 学生の発表の回には,授業の中で,フィードバックをしていきます。 春学期の最終レポートについては,全体的な講評をポータルで配信し,秋学期に個別のコメントを返します。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 0% | 行いません |
授業参加 | 60% | 発表(2回),発表時のフロア参加,講義授業時のディスカッションへの積極的参加 |
小論文・レポート | 30% | 最終レポートの形式と内容 |
その他 | 10% | グループ活動への姿勢 |
テキスト | 教科書は使用しません。 |
参考文献 | 桐生 正幸『基礎から学ぶ 犯罪心理学研究法』 福村出版 (2012) ルドルフ・シャファー 『子どもの養育に心理学がいえること』 新曜社 (2001) |
その他、履修生への注意事項 | 興味本位や個人的な関心に流されやすい分野ですが,臨床的な視点と,クールな探究心を期待します。また,面倒くさがらずに作業に向かう姿勢を歓迎します。 グループ活動を行う中で,たくさんのことを学び,社会で通用する力をつけてほしいと思います。 出席は毎回,点呼により確認します。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【心理学部 臨床心理学科】 |
実務経験の概要 | 教員は,家庭裁判所で,少年非行事件の調査,家事事件における調整や子どもの福祉についての調査などを長く担当してきました。また,現在も,犯罪からの立ち直りに向き合っている人たちとのグループ活動で,更生をサポートしています。 |
実務経験と授業科目との関連性 | 教員の実務経験は特殊な領域のことではありますが,司法の現場で,心理学がどのように活用されているかということを背景にゼミを運営していきたいと思います。 また,卒後に心理職の公務員としての道筋を検討している人には,直接ご相談にのっていきたいと思います。 |