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科目名心理実習A
担当者酒井 佳永、宮岡 佳子、板東 充彦
開講期2024年度秋学期
科目区分集中講義
履修開始年次3年
単位数1単位
授業の方法実習
授業題目保健医療分野、福祉分野における心理実習
授業の達成目標(1) 保健医療分野、福祉分野の施設の特徴や関連法規について説明できる。
(2) これらの施設で公認心理師や関連職種がどのような業務を行っているかを説明できる。
(3) これらの施設で行われるチームアプローチ、多職種連携、地域連携について説明できる。
(4) これらの施設で行われる心理的アセスメントと心理支援の基本と実際について説明できる。
(5) これらの施設でみられる精神疾患や障害について要因、経過、治療について説明できる。
(6) 公認心理師としての職業倫理及び法的義務を説明できる。
(7) 学外実習および事前・事後学習を通して、上記1~6に関する自己の理解・修得状況について考察・説明できる。
今年度の授業内容保健医療分野については、精神科医療機関(精神科病院または精神科クリニック)における3日間の体験実習を行う。体験実習では、主に精神科デイケアに参加することにより、公認心理師をはじめとする医療従事者による心理支援、チームアプローチや多職種連携について学ぶ。また福祉分野については、障害者支援施設での見学実習を行い、福祉分野の心理支援について学ぶ。
保健医療分野の体験実習は、9月から12月にかけて実施する。5か所の精神科医療機関において、1-4人の実習生が3日間の実習を行う。
福祉分野の見学実習は8月に行う予定としている。
実習の事前学習の一部は、春学期の「心理演習」の中で行う。また実習を充実したものにするため、また安全に実施するために、学内での事前学習ならびに事後学習を行う。学外実習に参加するためには、事前学習と事後学習への参加は必須となる。
実習の準備および記録として、実習ノートを作成する。実習の事前学習、事後学習の内容は全て実習ノートに記入する必要がある。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について保健医療分野、福祉分野に関する心理支援に関して、文献を通して事前に知見を整理し、事前学習等の機会に疑問点等の確認を行う。また、精神科デイケアと実習施設について調べ、イメージアップを十分に行った後に実習を体験する。実習後は、自分の実習体験の振り返り、他学生の振り返りを通して、実習による学びと今後の学習課題の整理を行う。 合計7.5時間
自習に関する一般的な指示事項実習マニュアルをよく読むこと。学外実習に行く前に、保健医療分野と福祉分野について、十分学んでおくこと。具体的には、実習先の施設に関する知識、関連する法律、公認心理師の職責、精神疾患や障害、心理的アセスメント・心理支援の方法について等である。事前学習が不十分な状態で、学外実習に行くことは、実習施設の実習指導者ならびに利用者に対して非常に失礼であり、また危険も伴うことである。また、知識を持ったうえで実習に臨むことにより、はじめて実習が実りあるものとなる。
第1回事前学習1(実習施設の概要、心構え、実習マニュアル読み合わせ、実習ノートの書き方)
第2回事前学習2(保健医療分野で行われる心理的アセスメントおよび心理支援について)
第3回福祉分野の見学実習(障害者支援施設)
第4回福祉施設の見学実習後の事後学習(ふりかえり、シェアリング、ディスカッション)
第5回精神科医療機関の地域連携アセスメント実習
第6回精神科医療機関での体験実習に関する事前学習(施設について調べたことを整理し、まとめる)
第7回精神科医療機関での体験実習に関する事前学習(各施設の実習スケジュール、注意事項等)
第8回精神科医療機関での体験実習(1日目午前)
第9回精神科医療機関での体験実習(1日目午後)
第10回精神科医療機関での体験実習(2日目午前)
第11回精神科医療機関での体験実習(2日目午後)
第12回精神科医療機関での体験実習(3日目午前)
第13回精神科医療機関での体験実習(3日目午後)
第14回精神科医療機関での体験実習についての事後学習(ふりかえり、シェアリング、ディスカッション)
授業の運営方法実習マニュアルと実習ノートを配付する。学外実習に行く前の学内授業で、実習先の施設について学び、関連した医療、福祉の知識を深める。地域連携アセスメント実習では、体験実習に行く医療機関のある地域に自らおもむき、その地域における社会資源を調べ、どのような地域連携が可能であるかについてアセスメントを行う。福祉分野の見学実習は、実習施設の実習指導者と担当教員の指導の元に行う。精神科医療機関のデイケアにおける体験実習(3日間)は、実習施設の実習指導者の指導の元に行う。体験実習期間中、担当教員による巡回指導がある。学生は実習ノートを作成する。学外実習終了後は、学内授業で事後学習を行う。事後学習および実習後の総合自己評価において、見学実習および体験実習を通じて、何をどのように学ぶことができたかについて自己評価を行い、提出する。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法レポート課題、授業での質問・発表、実習体験報告等に対して教員が講評を行う。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% 実施しない
小論文・レポート 60% 実習ノート
授業参加 20% レポート作成、学外ならびに学内での積極性、自発性、協調性
その他 20% 体験実習での実習指導者の評価
テキスト テキストは特に定めない。
参考文献 1.精神疾患とその治療(三村将ほか編、医歯薬出版、2019、3,200円+税、ISBN978-4-263-26585-7)
2.公認心理師の基礎と実践 第17巻 福祉心理学(野島一彦監修、中島健一編、遠見書房、2018、2,860円+税、ISBN-13: 978-4866160672)
3.公認心理師の基礎と実践 第1巻 公認心理師の職責( 野島一彦・ 繁桝算男監修、野島 一彦編、遠見書房、2018、2,000円+税、ISBN-13: 978-4866160511)
関連ページ 1.精神保健福祉法について(厚労省HP 知ることから始めよう みんなのメンタルヘルス総合サイト)
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/nation/law.html
2.障害者自立支援法、障害者総合支援法について(厚労省HP 障害者福祉等)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/index.html
3.精神科デイケア、精神科治療一般について(厚労省HP 知ることから始めよう みんなのメンタルヘルス総合サイト 精神科の治療いろいろ)https://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/medical_2.html
その他、履修生への注意事項 1.原則として遅刻、早退、欠席は許されない授業である。体調管理に気をつけ、遅刻、早退、欠席をしない様にする。見学実習、デイケアでの体験実習ともに、精神医学、福祉心理学、心理支援、公認心理師の役割等について事前に十分な勉強をする。実習は、協調性、積極性、真摯な態度で臨む。デイケアでの体験実習では、患者様と直接ふれあうため、近すぎず、遠すぎずという距離感に気を付ける。デイケアの流れを読みとり、スタッフの先生方の邪魔にならないようかつ積極的な姿勢で行動する。問題あるふるまいがあった場合は、学外実習は中止となる。

2.国家資格である公認心理師の受験資格を得るためには必要な科目となる。ただし、心理実習AとBの両方の履修が必要である。両方を履修することで公認心理師法施行規則に定められている「大学における公認心理師となるために必要な科目」の「心理実習」(実習の時間が80時間以上のものに限る)を修得することになる。

3.医療機関でのデイケア体験実習にあたっては、事前学習の中で指導する新型コロナウィルス等の感染対策を遵守し、かつ、実習の2週間前から必ず検温をし、体調管理に気を付けて実習を行う。発熱、咳、鼻水などの症状があり、感染症の疑いがある場合は、必ず医療機関を受診し、医師の診断を受けたうえで、実習に参加してよいかどうかを担当教員に相談すること。実習施設のスタッフや利用者に感染症を広げるなどして迷惑をかけることは決して許されない。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【心理学部 臨床心理学科】