科目名 | 心理的アセスメント/心理査定法 | |
担当者 | 酒井 佳永 | |
開講期 | 2023年度春学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 3年 | |
単位数 | 1単位 | |
授業の方法 | 演習 | |
授業題目 | 心理査定(心理的アセスメント)の目的、倫理、観点、方法を学ぶ。 | |
授業の達成目標 | 心理査定(心理的アセスメント)の目的、心理的アセスメントにおける様々な観点、心理的アセスメントの倫理について説明できる。 心理支援の現場で用いられることの多い、様々な心理検査(質問紙法、投映法、知能検査、神経心理検査等)について、その特徴、実施方法、結果の整理と解釈の技法を習得する。 さらには、心理支援を行う対象(要支援者)について、心理検査法の結果、および、面接、観察等の情報を統合して心理的アセスメントを行い、その結果を要支援者にフィードバックする技能、そして心理的アセスメントの結果を踏まえた支援計画を立てる技能を習得する。 |
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今年度の授業内容 | 授業では、最初に心理的アセスメントの目的、観点、倫理について概説する。 その後、心理臨床の現場で用いられることの多い心理検査を中心に、検査が依拠する理論、検査の実施方法、結果の整理や解釈の方法、心理支援結果の報告とフィードバックの方法について講義を行ったうえで、受講者が実際に検査を実施もしくは体験することにより、理解を深める。各検査を体験する毎に小レポートの提出を求める。 授業の最終段階では、具体的な事例(臨床事例をもとにした架空事例)について、心理検査の結果、面接や観察によって得られた情報、その他の情報を提示する。受講者は各自でそれらの情報を統合して心理的アセスメントを行い、心理支援の計画を作成する。 |
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準備学修 予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 事前にポータルに掲出する各回の資料を読み、疑問に思うことを予め整理しておくこと。なお、毎回ではないが、教員から事前に取り組むべき課題を指示することがある。授業終了後は、配布プリントやノートを見直して自分なりにまとめなおして理解を深めること。授業中に心理検査を実施した場合は、その結果を整理し、解釈を行うことによって、心理検査の実施法、整理法、解釈法の理解を深めること。 | 合計15時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 心理検査、面接、観察など様々な情報を用いて、統合的に要支援者を理解し、支援計画を立てるための方法を学ぶ授業です。特に心理検査の実施方法、解釈方法の習得には、多くの時間と労力を必要とします。 授業では、自分自身を被検者として様々な心理検査を体験するとともに、その結果を整理し、解釈してレポートにまとめる、という課題が課されます。授業時間外に多くの自習が必要になるとともに、「心理検査を受検する」「自分自身について知る」ことに関わる心理的な負担も体験することになります。 自習時間の多さ、心理検査の受検が必須となることを念頭に置き、それが自分にできるかどうかを考えたうえで受講するかどうかを決めてください。 |
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第1回 | オリエンテーション—心理査定とは何か | |
第2回 | 心理的アセスメントの理論 | |
第3回 | 面接・観察・検査によるアセスメント | |
第4回 | 質問紙法の実施と解釈1(Y-G性格検査) | |
第5回 | 質問紙法の実施と解釈2(ビッグファイブ理論に基づいた性格検査) | |
第6回 | 質問紙法の実施と解釈3(Y-G性格検査とビッグファイブ理論の解説と演習) | |
第7回 | エゴグラムの実施と結果の整理 | |
第8回 | エゴグラムの解釈 | |
第9回 | 投映法の基礎知識 | |
第10回 | 風景構成法の実施と解説 | |
第11回 | 文章完成法の実施と解説 | |
第12回 | P-Fスタディの実施と解説 | |
第13回 | 知能検査の基礎知識 | |
第14回 | 知能検査の実際と心理支援 | |
第15回 | レポート課題の提示と解説 | |
授業の運営方法 | まず心理的アセスメントに関わる基本的な知識に関して講義を行う。 その後、心理検査を用いた様々なアセスメント方法について、①自らを被検者として体験する、②実施方法、結果の整理、解釈についての講義を聞く、③実施した心理検査について、結果を整理し、考察(解釈)を行って、レポートを作成し、提出する。 このプロセスを通じて、心理的アセスメントの実施方法、結果の整理方法、解釈方法について学ぶとともに、心理的アセスメントの臨床的、倫理的側面についても体験的に学ぶ。 遠隔授業を実施する場合は、Microsoft Teamsによるリアルタイム授業を基本とする(チームコードは初回授業前に通知する)。 |
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課題 試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 小レポート回収後、特徴的な見解の紹介や典型的な誤解についての解説を行う。 各回のコメントシートに記載された疑問や感想について、次回の講義において解説と講評を行う。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 0% | 定期試験は行わない |
小論文・レポート | 80% | 授業期間中に課す複数の小レポート、および、期末レポートを評価する。 |
授業参加 | 20% | 各授業で提出するリアクションペーパーを評価する。 |
その他 | 0% |
テキスト | 特に指定しない |
参考文献 | 公認心理師の基礎と実践14 心理的アセスメント/津川律子・遠藤裕乃編著/遠見書房/2019/ ISBN978-4-86616-064-1 |
関連ページ | 特になし |
その他、履修生への注意事項 | 授業内に、様々な心理検査を体験し、整理、解釈方法を学ぶ。心理検査の倫理綱領(授業内で詳しく説明する)を遵守するとともに、決して心理検査の拡散(検査の設問やその整理・解釈方法についてSNSなどに書き込む、検査刺激の写真をとってアップロードする、架空事例について公共の場で話すなど)をしないこと。これに違反した場合は、その後の授業への参加を禁じ、成績は不可とする。 【遠隔授業での出欠の取り方について】 対面授業・遠隔授業ともに、ポータルのスマホ出席登録と授業時に指示する課題の提出をもって出席とする。課題はTeamsを利用して提出する。 【遠隔授業の実施方法について】 遠隔授業を行う場合は、基本的にはMicrosoftTeamsを利用して、リアルタイムで実施する。 【対面授業における注意点について】 欠席した日に実施した心理検査類について、後日、検査用紙のみ配布することはしない。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【心理学部 臨床心理学科】 |
実務経験の概要 | 医療機関、教育機関において臨床心理士、公認心理師としての勤務経験あり。 |
実務経験と授業科目との関連性 | 医療現場における心理支援において、心理的アセスメントを行っていた実践経験を生かし、本授業で学ぶ心理的アセスメントを、実際の臨床事例への心理支援にどのように適用するかについて習得できるよう指導する。 |