科目名 | 産業・組織心理学/産業心理学 | |
担当者 | 岩熊 麻由美 | |
開講期 | 2024年度春学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 3年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | 産業・組織心理学(産業場面における人間行動) | |
授業の達成目標 | 産業・組織心理学は、組織や産業場面における人間行動を研究する学問である。 この講義では、産業組織の中で働きキャリアを形成していく労働者の立場、人を採用し育成していく産業組織の立場両面からの知識習得を目指す。 それらの知識を、実際の社会の中で産業組織がどのように効果的に機能しているのか、理論的背景と有機的に結びつけていく。また、キャリア形成や職場で起こる対人葛藤や心理的不調にどのような心理的支援が行われているのかについて、実際の現場からの事例を交えて解説する。 産業・組織心理学における基本的な理論を論述できるようになること、産業場面での心理的支援について解説できるようになること、流動する社会の中で起こるさまざまな現象を産業・組織心理学の知見と結びつけて記述できることが目標となる。人事管理や人材育成、組織の中での人間の行動、職場におけるメンタルヘルス、モチベーションの創造など、自分にとって身近な問題であることを意識し、自己成長の一助としてもらいたい。 |
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今年度の授業内容 | 仕事を選択し、組織に属し、キャリアを形成していく働く側の視点と、どのような人を採用し、評価し、育成を行っているかという産業組織側の両者の視点から、職業適性、動機づけ、人事評価、職場での人間関係、キャリア支援、リーダーシップなどについて講義していく。 社会的産業環境や,疲労と能率、災害・事故、機械器具と人間の特性との関係を理解することも、組織の中の人間行動を知る上で必要となる。近年重要視されている、職場におけるメンタルヘルスの問題や産業カウンセリング、キャリア形成についての心理的支援について、実際の事例を交えて触れていく。 労働安全衛生法が改正され、職場でストレスチェック制度が始まっている。今後、産業・組織心理学の知識をもった人材が必要とされる場面が増えることが予想される。心身のストレス反応、職場のストレス要因などの知識、人が持っているレジリエンス(回復力)などについて解説する。 年功主義から成果主義へと移行するなかで、労働者が企業に依存せず、自立して職業に必要な能力を獲得し、自己責任で自律したキャリア形成を求められている現在の状況や課題について学んでもらいたい。 |
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準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 各回の授業で扱うテーマについて、あらかじめ示す参考文献から予習し、ノートを作成する。授業後は、講義内で提出した小テストおよび小レポートの吟味し、授業内容の理解に努めること。 | 合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 講義で用いられた用語は、参考文献などを利用して、理解を深めること。毎回、どのような自己理解があったのか、まとめておくこと。講義内で用いるプリントは、自分のノートとなるように予習復習して記述を補うこと。 | |
第1回 | 産業・組織心理学とはどんな学問か | |
第2回 | 産業・組織心理学のながれ | |
第3回 | 採用選考 | |
第4回 | 人事採用の現状 | |
第5回 | 職業適性とは何か | |
第6回 | 採用面接 | |
第7回 | 人材育成と人事評価 | |
第8回 | ワークモチベーション | |
第9回 | 内発的動機づけ | |
第10回 | 職場のコミュニケーション | |
第11回 | リーダーシップ | |
第12回 | マーケティングと消費者行動 | |
第13回 | 職場のメンタルヘルス | |
第14回 | 産業カウンセリング | |
授業の運営方法 | 授業は講義形式で行い、毎回小課題またはレポート課題の提出を求める。 |
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課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 小テスト・小レポート実施後、次回の講義にて解説と講評を行う。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 70% | 定期試験期間内に行うテストの結果によって評価する。 |
小論文・レポート | 20% | 授業内に行う小課題とレポートの内容によって評価する。 |
授業参加 | 10% | 小課題やレポートの提出、講義に参加する姿勢によって評価する。 |
テキスト | 特に使用しない。資料などはプリントを配布する。 |
参考文献 | 産業・組織エッセンシャルズ/田中堅一郎編/ナカニシヤ出版/2011/2800円/978-4-7795-0563-8 産業・組織心理学/山口裕幸/有斐閣アルマ/2006/1800円/4-641-12278-4 よくわかる産業・組織心理学/山口裕幸・金井篤子/ミネルヴァ書房/2007/2400円/978-4-623-04871-7 |
関連ページ | 厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/ 日本産業衛生学会 http://https://sanei.or.jp/index.html 社団法人 日本産業カウンセラー協会 http://www.counselor.or.jp/index.html |
その他、履修生への注意事項 | 出席はスマートフォンからコード番号を入力することで確認する。 スマートフォン、またはパソコンを講義に持参すること。 第1回目の講義、進め方についての詳しい説明を行うので、かならず資料を見た上で出席すること。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【心理学部 臨床心理学科】 |
実務経験の概要 | 公認心理師、企業人事担当者向けセミナー講師 |
実務経験と授業科目との関連性 | 病院精神科の公認心理師として職場内でのさまざまな問題で受診に至った患者の心理的アセスメントやセラピー、職場復帰への支援の経験や、企業人事担当者向けセミナー講師として人材採用についての講義・助言を行ってきた経験から、産業・組織心理学の主要なテーマについて解説していく。 |