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科目名認知行動療法/認知カウンセリング
担当者宇野 かおり
開講期2024年度秋学期
科目区分集中講義
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目認知行動療法の理論と認知カウンセリングの実践技法
授業の達成目標

認知行動療法の理論および認知行動療法にもとづく認知カウンセリングの実践技法を習得することで、他者支援の現場で活用できることに加え、ライフスキルとして自分自身の日常生活でも応用できるようになる。また、予測困難と称される時代において主体的に考え、自律的に生きるために、人間に求められる能力のひとつとして注目される「心理学的レジリエンス(psychological resilience)」について、認知行動療法の観点から説明できるようになる。

今年度の授業内容

講義を中心とする。心理療法の基本的な理論と技法のひとつとして、認知行動療法を学ぶ。認知行動療法とは、人間の気分や行動が、ものの考え方や受け取り方(認知)の影響を受けることから、認知の偏りに気づき、よりよい問題解決を手助けする療法である。自己や他者の抱えている課題や問題を、認知論的、行動論的視点からとらえる理論、さらに、そのような理論をもとに組み立てられた認知的・行動的支援技法などを、心理臨床全体の中に位置づけ、系統的かつ具体的に理解し学習する。

準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について授業で扱うテーマについて、授業を離れても⽇常的に意識して過ごしてみることをお勧めします。本授業の準備学修(予習・復習等)の時間は各2時間を標準としますが、各⾃でペースを調整して進めてください。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項

授業内でペアまたはグループとなったメンバーと各回のレポート課題のテーマについて積極的に議論すると同時に、家族や学外の友人など周囲の⼈とも意識してインタラクティブに過ごすことで「気づき」を深める姿勢を⾃ら養うことを奨励する。

第1回オリエンテーション:授業概説、諸連絡事項
第2回認知とは何か?認知的変数と自己理解・他者理解
第3回認知行動療法の基本的枠組み
第4回

認知行動療法と心理学的レジリエンス

第5回認知と感情・行動の関係
第6回認知とネガティビティ・バイアス
第7回自動思考とスキーマ
第8回事例研究:ブリーフ認知セラピー(初回セッション)
第9回事例研究:認知的技法と行動的技法
第10回実践技法を習得する①:認知再構成
第11回実践技法を習得する②:問題解決技法
第12回実践技法を習得する③:コミュニケーションスキル
第13回実践技法を習得する④:リアルタイム・レジリエンス
第14回総括と振り返り
授業の運営方法

理論に対する理解を促す講義に加え、体験型で実践技法の理解と習得を⽬指す講義を⾏う。各人で行う課題と、ペアまたはグループで⾏う課題とを織り交ぜていく。履修課題についてはレポート形式で提出を課す。授業に積極的かつ協力的な姿勢で臨むことを期待する。

課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法締切期⽇までに提出された課題レポートに基づき、模範回答や注意点などを含めて授業内で講評を⾏う。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% 実施しない。
小論文・レポート 60% 課題レポートの出来具合から理解度を評価する。
授業参加 10% 課題レポートの締切については基本的に寛大に扱うが、期日に従った場合には加点対象とする。
その他 30% 授業内容に関係する質問紙を実施する。質問紙から学んだことをレポートに反映させる能力も評価する。
テキスト

【編著者名】⽇本ポジティブ⼼理学協会(著)、宇野カオリ(監修)、滝本繁(執筆)
【書名】折れない⼼のつくりかた:はじめてのレジリエンスワークブック
【出版社名】すばる舎
【刊⾏年】2016年
【定 価】1,430円
【ISBN】978-4-7991-0568-9

参考文献 【編著者名】ジュディス・S・ベック(著)、伊藤絵美、神村栄⼀、藤澤⼤介 (翻訳)
【書名】認知⾏動療法実践ガイド:基礎から応⽤まで 第2版
【出版社名】星和書店
【刊⾏年】2015年
【定 価】4,950円
【ISBN】978-4791109074
その他、履修生への注意事項

認知行動療法は、臨床の現場のみならず、日常のあらゆる場面で役に立つ知見を提供してくれます。授業スケジュール一覧には専門用語が記されていますが、授業ではもっと分かりやすく、無理なく理解できるように、なるべく日常的に馴染みのある言葉で学習していきます。

卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【心理学部 臨床心理学科】