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科目名力動論的アプローチ
担当者内田 亮
開講期2023年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目力動的アプローチの理論と実践
授業の達成目標本講義では、心理臨床における力動的アプローチ、特にその源流と見なされる精神分析の成立過程と諸技法に関して取り上げる。催眠より始まる力動的心理療法前史、精神分析の祖ジークムント・フロイトの生涯と理論、そしてその理論が実際の臨床実践においてどのように用いられるのかに関する基礎的な知識を獲得することを目標とする。
今年度の授業内容イントロダクションとして今日の心理臨床における多様性に触れたうえで、力動的アプローチの位置づけについて説明する。そのうえで前半7回は、力動的アプローチの成立過程とそこに大きな役割を果たしたフロイトを始めとする臨床家の人物像と彼らの理論を概説する。さらに後半6回では、力動的アプローチを用いた治療過程がどのように進行していくのか、そしてそこで力動的な技法がどのように用いられるのかについて説明を行う。
準備学修 予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について予習については、事前に参考資料の関連箇所を読み、内容の理解に努める(2時間)。復習は、講義内容についてのノートを振り返り、講義内で紹介された資料について調べるなどして理解を深めること(2時間)。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項講義内で紹介する参考文献、資料などを用いて予習及び復習を行うこと。
 第1回イントロダクション
 第2回力動的心理療法前史:催眠とヒステリー
 第3回フロイト➀:神経医学者フロイトとヒステリー研究
 第4回フロイト②:精神分析の成立
 第5回フロイト③:フロイトの症例
 第6回フロイト④:理論的展開
 第7回フロイトの継承者たち:アンナフロイト、クライン、(+ユング)
 第8回フロイトの継承者たち②:ウィニコット、ビオン
 第9回力動的アプローチの実践➀:設定、アセスメント、契約
 第10回力動的アプローチの実践②:転移と逆転移、投影同一化
 第11回力動的アプローチの実践③:介入
 第12回力動的アプローチの実践④:治療の難局、抵抗、行き詰まり
 第13回力動的アプローチの実践⑤:面接の終結
 第14回力動的アプローチの応用:教育、福祉、産業領域への応用可能性
 第15回まとめ
授業の運営方法配布資料を用い、講義形式で行う。遠隔授業の実施に関しては、「その他、履修生への注意事項」を参照のこと。
課題 試験やレポート等に対するフィードバックの方法レポート回収後、特徴的な見解の紹介や典型的な誤解について解説を行う。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 55% 客観式の試験によって授業目標を達成しているかを評価する。
授業参加 45% 授業後レポートの提出率によって参加度を評価する。
参考文献 藤山直樹『集中講義・精神分析 上・下』(岩崎学術出版社)
松木邦裕『対象関係論を学ぶ』(岩崎学術出版社)
吾妻壮『精神分析的アプローチの理論と実践 アセスメントから介入の技術まで』(岩崎学術出版社)
セーラ・フェルス・アッシャー『精神分析的サイコセラピー入門』(岩崎学術出版社)
その他、履修生への注意事項 初回時に講義概要と諸注意について伝えるので、受講希望者は必ず出席すること。出席のカウントはスマホ出席で行う。遠隔授業はzoom・teams等のツールを用いてリアルタイムで実施、もしくはオンデマンドで配信を行う(詳細は状況に応じて決定する)。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【心理学部 臨床心理学科】
実務経験の概要 臨床心理士、公認心理師
実務経験と授業科目との関連性 心理臨床実践の経験及び研究をつうじて講義を行う。