科目名 | 道徳心理学 | |
担当者 | 阿部 洋子 | |
開講期 | 2023年度秋学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 3年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | 道徳(性)心理学 | |
授業の達成目標 | 講義で取り上げた、道徳性の特徴や獲得の過程を説明することができる。更に人間として生きていく上で、大切にすべきルールとは何かについて、犯罪や非行問題を対比するなどして説明することができる。 | |
今年度の授業内容 | 心理学という学問領域に、大きな足跡を残した研究者たちが、共通して「道徳性」に注目し、その発達理論の構築を目指した。Piajet,J.の「認知的発達理論」、Freud, S. の「精神分析学的理論」、Bandura, A. の「社会的学習理論」、Kohlberg,L.の道徳的ジレンマなど様々な道徳性およびその発達理論を紹介する。それらを通して、家庭におけるしつけの困難さ、学級運営の困難さ、人間関係の不調和の出現などが、一体何と関係しているのかについても言及する。 | |
準備学修 予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 事前にポータルに掲出する各回の講義資料を読み、疑問に思うことを予め整理しておく。講義終了後は、配付プリントや講義ノートを見直して、自分なりにまとめ直し理解を深めておくこと。 | 合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 善悪に関する行為は、法律、医学、社会学、教育学などの領域でも研究されているので、幅広い視野をもって、様々な領域の書籍を読んで欲しい。 | |
第1回 | 道徳と犯罪(1):道徳的に悪いことと犯罪とは同じことか。道徳心は犯罪の抑止力となるのか。などについて考える。 | |
第2回 | 道徳と犯罪(2) :1990年以降の犯罪の特徴。道徳と犯罪との関係について考える。 | |
第3回 | 悪いことが正当化されるのは何故か(1):アノミー、残虐性、社会的要因などについて考える。 | |
第4回 | 悪いことが正当化されるのは何故か(2) :自己統制感などについて考える。 | |
第5回 | 道徳性の発達1(精神分析学的理論(Freud,S.他)):超自我の形成について説明し、超自我・良心と、両親による子育てのかんけいの意味を考える。 | |
第6回 | 道徳性の発達2(社会的学習理論(Bandura,A.. 他))(1)モデリングの大切さと、自己調整機能の不活性化のメカニズムについて考える。 | |
第7回 | 道徳性の発達3(認知的発達理論(Piajet,J. 他))ピアジェの認知能力の発達と道徳性の発達との関係について考える。 | |
第8回 | 道徳性の発達4(Kohlberg,L. 他))コールバーグの道徳性理論について考える。 普遍主義、役割取得能力と認知能力などコールバーグの道徳性の根底にある倫理学、哲学の理論について説明し、普遍化可能性と指令性についても考える。またトロッコ問題、医療現場におけるトリアージについても考える。 |
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第9回 | 道徳性の様々な側面(1):公平性とは何か、公平感の発達について考える。 | |
第10回 | 道徳性の様々な側面(2) :向社会的行動、思いやり行動、品性などについて考える。 | |
第11回 | 道徳性を測定する(正義、思いやりなどをどのように測るのか):日本の小・中学校で実施されている「道徳性テスト」の1つを取り上げることで、道徳性の測定の可能性について考える。 | |
第12回 | 道徳性の様々な側面(3) :Turielの領域特殊理論を通して、様々なルールを個人の問題として判断することで、どのような影響が生ずるかを考える。 | |
第13回 | 特別講師の先生の講義:司法矯正領域の現場から生の声を聞く。犯罪の抑止力として道徳心理がどのように関係しているかを考える。 | |
授業の運営方法 | 講義形式で様々な理論を紹介致しますが、道徳性の形成と関連する、小説、童話、伝記等については適宜、呈示したいと思います。 遠隔授業の詳細は「その他、履修生への注意事項」を参照して下さい。 |
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課題 試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 毎回の授業で提出して貰うミニレポート(200字程度の感想と考察)はポータルで回収し、後日、その中から特徴的な見解を紹介致します。誤解があることが分かれば、それについての解説を行います。 定期試験に代わる期末レポートについてはポータルで回収し、後日、全体的な講評をポータルにて配信致します。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 0% | 実施しない。 |
小論文・レポート | 50% | 期末レポートをポータルから提出する(50点)。 |
授業参加 | 0% | 毎回提出して貰う感想・考察を提出して貰うことで、授業への参加を測定することが出来ると考える。 |
その他 | 50% | 授業中に毎回課す200字程度の感想・考察をポータルから提出する(50点)。 |
テキスト | 独自に作成した配付資料を用いる。市販のテキストは定めない。 |
参考文献 | 大西文行 責任編集『道徳性と規範意識の発達〈新・講座児童心理学9〉』(金子書房)1991年東洋著『日本人のしつけと教育〈シリーズ人間の発達12〉』(東京大学出版会)1994年日本道徳性心理学研究会 編著『道徳性心理学』(北大路書房)1992年 |
関連ページ | 子供・青少年白書、犯罪白書、警察白書などのページ。道徳教育になどに関するページ。 |
その他、履修生への注意事項 | 【出席の取り方】 対面授業で実施する場合は、スマートフォンで出席登録をして下さい。授業回ごとにポータルの「出席管理」のコード番号をポータルの「掲示登録」から事前に連絡致します。なお出席チェックは授業開始から30分までとし、それ以降は出席チェックが出来ないように設定致しますので御注意下さい。 遠隔授業で実施する場合は、授業回ごとの課題を授業実施当日23:59までに提出することをもって出席扱いと致します。 【授業の実施方法】 遠隔授業で実施する場合は、ポータルの「掲示登録」に掲出した資料とTeamsによるリアルタイム配信で行います。通信環境が悪く視聴が困難な場合を想定し、授業は録画し、出来るだけ早く配信するように致しますので各自で登録して下さい。初回授業開始までに履修生宛てにTeamsのコードをお伝え致します。遠隔授業の日は毎回そのTeamsにアクセスして御参加下さい。配付資料は、通信環境の問題もあると思いますので、授業開始日以前に閲覧することが出来るように心掛けます。 【外部講師による特別授業】 現役の司法領域勤務の方を特別講師として招聘したいと考えております。仮に第13回に入れてありますが、先方の御都合によりますので、現時点では第何回目に来校して頂けるかは未定です。確定次第、ポータルでお伝え致します。そのため現時点での予定回数がズレていくことがあるので予め承知しておいて下さい。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【心理学部 臨床心理学科】 |