科目名 | 言語心理学 | |
担当者 | 河原 哲雄 | |
開講期 | 2024年度春学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 3年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | 言語の心理学入門 | |
授業の達成目標 | 言語心理学の基礎的な知識を習得し,言語の習得と使用にまつわるさまざまな現象と,その背後にある心のメカニズムについて理解・説明できるようになること。広義の目標は,言語のはたらきに関する基本的な考え方を身につけることで,ヒトが一生関わらざるを得ない言語と,よりよくつきあうための教養と洞察を得ること。 | |
今年度の授業内容 | 言語心理学は,(1)人間が言語を獲得する過程についての研究と,(2)言語の認知処理,言語の生成過程など,人間の心理的過程と深く関わる言語使用の研究によって,人間の心(mind)の本質を探ろうとする学問である。この授業では,チョムスキーの普遍文法理論,認知言語学,言語発達心理学,言語心理学実験,工学的な自然言語処理モデルと脳科学の進展,等の基礎知識の上に,(1)言語獲得については,母国語の獲得と外国語の獲得,(2)言語使用に関しては,言語理解と言語産出について,言語心理学の実証研究の成果と言語処理過程の情報処理モデルを中心に学習する。 | |
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 事前にポータルに掲出する各回の講義資料に目を通し,理解が難しい内容や疑問に思う内容を洗い出しておくこと。講義後は,講義資料やノートを見直して,理解を深めておくこと。 | 合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 普段から「言語」にまつわる不思議な現象やおもしろい現象に気を配り,言語に関連するニュース記事や研究,書籍等に積極的に触れておくこと。 | |
第1回 | 「言語の心理学入門」 言語の心理学とは何か。主な話題の紹介。言語学や認知科学,工学など他の学問分野との関係。 |
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第2回 | 「言語獲得の言語学」 ノーム・チョムスキーの普遍文法理論。言語獲得の生得説・学習説・入力説。 |
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第3回 | 「言語獲得の認知発達心理学」 言語発達の過程。言語獲得の認知言語学。 |
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第4回 | 「語彙の獲得」 単語の学習。語彙獲得の制約説。 |
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第5回 | 「動物の言語学習」 類人猿など人間以外の動物を用いた言語学習研究。 |
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第6回 | 「言語理解の認知心理学」 言語を理解するのはどのような心理プロセスか。 |
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第7回 | 「言語理解のコンピュータモデル」 言語を理解するコンピュータ・プログラムを作成するには。 |
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第8回 | 「単語と概念」 単語と概念の処理の実験心理学と情報処理モデル。 |
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第9回 | 「文の理解」 文理解の実験心理学と情報処理モデル。 |
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第10回 | 「文章の理解」 文章理解の実験心理学と情報処理モデル。 |
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第11回 | 「音声と会話」 音声・音韻と会話・談話。 |
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第12回 | 「言語産出と教育」 発話と作文。作文教育などの言語教育。 |
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第13回 | 「外国語学習」 母語の獲得と外国語学習の違い。効率の良い外国語学習の方法。 |
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第14回 | 「言語と脳」 言語を支える脳のはたらき。言語の障害と脳。 |
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授業の運営方法 | 授業で画面提示するスライドのうち,主要なものを掲載したpdfファイルを,大学ポータル上で資料として配付する。 教科書は指定せず,適宜参考資料を指示する。 |
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課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 期末試験の正解を,試験実施後に大学ポータルサイトで公開する。 小課題については,授業内で解説や講評を行う。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 70% | 学則に定められた条件を満たす学生を対象にリアルタイム・オンライン期末試験を実施する。 |
小論文・レポート | 0% | 実施しない。 |
授業参加 | 30% | 不定期に実施する小課題および実習の参加状況。 |
テキスト | なし。 |
参考文献 | 『公認心理師の基礎と実践⑧学習・言語心理学』楠見孝(編) 遠見書房 ¥2,600円+税 978-4-86616-058-0 『言語心理学』 針生悦子(編) 朝倉書店 ¥3,600+税 978-4-254-52665-3 『文章理解の心理学』大村彰道(監修) 北大路書房 ¥2,800+税 4-7628-2228-0 |
関連ページ | なし。 |
その他、履修生への注意事項 | 特になし。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【心理学部 臨床心理学科】 |