科目名 | 社会・集団・家族心理学/社会心理学 | |
担当者 | 岩熊 麻由美 | |
開講期 | 2024年度秋学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 1年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | 社会・集団および家族関係における人間の行動を理解する | |
授業の達成目標 | この講義では、「社会的動物」といわれる人間を理解することを目的としている。人と人との相互作用のありかたを、個人内過程、対人関係、集団内過程、集合現象,文化の影響などの側面から幅広く学んでいく.なぜ人の目が気になるのか、どうやって親しい対人関係を築いていくのか、集団の中で効果的なリーダーシップはどんなものか、なぜ人々の間の対立がなくならないのか、なぜ家族は必要なのかなど、さまざまな日頃の疑問を、「心」が介在した問題として考えていく。対人関係や集団における人の意識や行動を、心の過程として説明できるようになること、社会心理学で提唱された理論を用いて人の態度やこころの過程を説明できるようになること、家庭や集団、文化が私たちにどのような影響を与えているか理解し、説明できるようになることがこの講義での目標となる。 | |
今年度の授業内容 | 個人対個人のミクロなレベルから、家族間の人間関係、マクロなレベルの群衆まで、それぞれのレベルでの「相互的な対人関係」を扱う。 社会や集団、家族の中で適応していこうとする人間の行動を、対人関係や集団との関係、文化的な影響からとらえていく。 また、家族というシステムがなぜ人間社会に誕生し、それはどんな機能をもって私たちに影響を与えているのか、心理学的視点から考える。 対人認知、原因帰属、印象形成、自己と自我、感情などの個人内過程の問題、同調と服従、対人コミュニケーション、家族・学校・会社などでの身近な対人関係のあり方、シーダーシップなどの集団内過程、集合現象、家族・集団・文化が個人に及ぼす影響などがテーマとなる。 |
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準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 各回の授業で扱うテーマについて、あらかじめ示す参考文献から予習し、ノートを作成する。授業後は、講義内で提出した小テストおよび小レポートの吟味し、授業内容の理解に努めること。 | 合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 講義で用いられた用語は、参考文献などを利用して、理解を深めること。毎回、どのような自己理解があったのか、授業後に配付資料を自分のノートとしてまとめておくこと。社会心理学などの知見が身近な出来事とどのように関連しているか自分なりに考察すること。 | |
第1回 | 社会心理学とはどんな学問か | |
第2回 | 女性が社会心理学を学ぶ意義 | |
第3回 | 集団・帰属過程 | |
第4回 | 偏見・差別 | |
第5回 | 社会的動物としての人間 | |
第6回 | 対人認知 | |
第7回 | 対人魅力 | |
第8回 | 社会的アイデンティティ | |
第9回 | 同調 | |
第10回 | 自尊感情 | |
第11回 | 文化の影響-日本人と集団主義 | |
第12回 | 家族とは何か① | |
第13回 | 家族とは何か② | |
第14回 | ステレオタイプ | |
授業の運営方法 | 基本的には講義形式の授業なので、自分のノートを作成し、自分の身近な問題と照らし合わせて考える事が大切である。授業の最後に適宜レポートを提出する。 |
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課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 小テスト・小レポート実施後、次回の講義にて解説と講評を行う。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 70% | 定期試験期間内に行う試験の点数で評価する。 |
小論文・レポート | 20% | 授業の終了時に提出する小レポート、並びに課題に基づいたレポートによって評価する。 |
授業参加 | 10% | 小レポートやディスカッションや講義への参加姿勢で評価する。 |
テキスト | 特に使用しない。適宜、プリントなどの資料を配布するので、ノートとして活用すること。 |
参考文献 | グラフィック 社会心理学 第2版/池上和子・遠藤由美共著/サイエンス社/2008 社会心理学のストーリー 無人島から現代社会まで/田島 司/ナカニシヤ出版/2012 いちばんはじめに読む心理学の本 2 社会心理学/遠藤由美/ミネルヴァ書房/2009 よくわかる家族心理学/柏木恵子編著/ミネルヴァ書房/2010 家族進化論 /山極 寿一 著/東京大学出版会/2012 「日本人」という、うそ: 武士道精神は日本を復活させるか /山岸 俊男 (著)/ちくま文庫/2015 「集団主義」という錯覚―日本人論の思い違いとその由来/高野 陽太郎 (著)/新曜社/2008 |
その他、履修生への注意事項 | 毎回講義の最後にポータルのテストや課題提出機能を用いたレポート提出を行う。 出席はスマートフォンからコード番号を入力することで確認する。 スマートフォン、またはパソコンを講義に持参すること。 第1回目の講義、進め方についての詳しい説明を行うので、かならず資料を見た上で出席すること。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【心理学部 臨床心理学科】 |
実務経験の概要 | 公認心理師 |
実務経験と授業科目との関連性 | 病院精神科の公認心理師として患者の心理的アセスメントや援助を担ってきた経験から、生態学的システム論にもとづき、社会的環境からの影響を受ける人間理解の重要性について解説を行う。 |