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科目名社会調査実習I
担当者牧野 修也
開講期2023年度春学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法実習
授業題目社会調査実習Ⅰー社会調査の手法を、実際に行いながら体得する
授業の達成目標本講義は、秋学期に開講される「社会調査実習Ⅱ」と合わせて履修することで成り立つものである。したがって、この講義を履修するものは、秋学期の「社会調査実習Ⅱ」も必ず履修すること。
 講義内容としては、農村を対象地として、調査の全体テーマを「都市-農村交流および観光事業」の理解とし、履修者はその枠内でサブテーマを設定し、調査計画の 立案を行う。 まず、全体テーマ設定の背景や内容について理解したのちに、このテーマに関わる先行研究や、資料調査やインタビュー調査に関する先行研究 の収集と検討を行う。その後、対象地域についての各種資料や調査報告書の収集と検討を行う。そのうえで、各自が自身のサブテーマについて 検討し、調査課題の設定および調査仮説の検討、調査方法および調査対象、調査項目についての検討を行う。
 したがって、調査計画の立案、調査の実施、調査結果についての分析や考察、成果報告書の作成に至る社会調査の一連の過程を経験することで、実際に社会調査を設計・実施し調査をまとめる能力を養うことを目標とする。講義科目であるが、科目の性質上、実習の側面も大きく、講義時間外での個人的学習時間やグループ討議と発表も求められる。
 特に、「社会調査実習Ⅰ」においては、調査テーマの設定、テーマ関連の文献リサーチと文献の精読および論点整理、調査方法の検討および調査の実施計画の立案など、調査実施の前段階のプロセスを経験することを通じて、、調査の企画立案の手法を理解した上で体得し、実際に調査を経験することを目標とする。
 なお、この授業においては、社会調査の技術の中でも、特に、既存統計資料の整理、文献資料調査とインタビュー調査と観察の手法を体得するすることを強く念頭に置いていく。
今年度の授業内容調査は、農村社会学・地域社会学・観光社会学・観光人類学の視点から行う。調査対象地は、長野県南佐久郡小海町およびその周辺市町村(必要に応じて、東京圏の関係諸機関・個人も含む可能性があります)を対象とする。調査実施時期については、夏期休業中を予定している。調査全体のテーマは、「都市-農村交流および観光事業の歴史的変遷および現状と課題」とする。履修者は、全体テーマの枠組みの中で、テーマ設定とグループを作り、具体的な作業を行っていく。
 具体的なプロセスについては、まず、社会調査の手法について既習得の知識を整理することを行う。その上で、まず、地域研究の入門書の行動を通じて、全体テーマ設定の背景や内容について理解したのちに、このテーマに関わる先行研究や、資料調査やインタビュー調査に関する先行研究の収集と検討を行う。その後、対象地域についての各種資料や調査報告書の収集と検討を行う。そのうえで、各自が自身のサブテーマについて検討し、分析手法の検討を行い、調査課題の設定および調査仮説の検討、調査方法および調査対象、調査項目についての検討を行う。また、本科目の一環として、夏季休業期間中に実習として実際の資料調査・インタビュー調査を実施する。
 実習に参加しない者および調査報告書を提出しなかった者の単位は認定しないので留意すること。
準備学修 予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間についてテキストの精読および調査テーマに関連する資料の検索および論点の抽出と整理(90分)
グループ内の質疑と資料作成(90分)
合計7.5時間
自習に関する一般的な指示事項実習科目のため、授業時間内に行うのは、履修者による調査の目的や仮説、調査計画についての報告と議論が中心となる。そのため、実際の事前の資料収集や分析、仮説の検討や調査計画の立案については授業外の時間に行うことになる。したがって、講義時間外の個人的学習やグループ討議は必然的に必要となる。
 また、実際の調査も授業時間外(具体的には、夏季休暇期間の1週間程度)に行うことになる。
 第1回ガイダンス
社会調査の方法の確認(既存統計調査・文献調査・インタビュー調査・観察・フィールドノーツ)
 第2回小海町の歴史と現況
 第3回理論的枠組みの検討(家・むら)
 第4回理論的枠組みの検討(家・むら)
 第5回理論的枠組みの検討(地域づくり)
 第6回理論的枠組みの検討(地域づくり)
 第7回グループの形成
調査内容の検討(グループごとに調査項目を検討する)
 第8回調査内容の検討(グループごとに調査項目を検討する)
 第9回調査内容の検討(文献の整理とリスト化)
 第10回調査資料の作成(討議や文献を通じて得た内容を踏まえて、必要資料を作成し、質問を検討する)
 第11回調査資料の作成(討議や文献を通じて得た内容を踏まえて、必要資料を作成し、質問を検討する)
 第12回調査項目の発表と討議
 第13回調査項目の検討
 第14回調査項目の検討
 第15回調査項目の検討
授業の運営方法講義および実習の為、担当者の講義だけでなく、履修者相互のディスカッションと発表を行う
グループごとに、資料を作成して発表する
課題 試験やレポート等に対するフィードバックの方法各グループの発表ごとに対するコメント
提出レポートに対するコメント
全体的指摘事項のペーパーによる提示
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% 定期試験は実施しない
小論文・レポート 60% レポート
複数回(3回程度)
授業参加 30% グループ発表時の参加度・内容
その他 10% グループ活動への参加度
テキスト 講義の購読で使用:山本努編著2022『よくわかる地域社会学』ミネルヴァ書房
資料を調べるための手引き:宮内泰介・上田昌文2020『実践 自分で調べる技術』岩波新書

その他、テーマに即して、適宜、必要文献をグループごとに提示する。
参考文献 テキストで不足部分は、まず、以下の参考書で補足すること


鳥越皓之1993『家と村の社会学』世界思想社
岩上・池岡・大久保・正岡編2017『変容する社会と社会学』学文社
佐藤郁哉2015『社会調査の考え方 上・下』東京大学出版会
細谷昂2021『日本の農村』ちくま新書
須藤廣・遠藤英樹2018『観光社会学 2.0 拡がりゆくツーリズム研究』福村出版
安村克己・堀野正人・遠藤英樹・寺岡伸悟編2011『よくわかる観光社会学』ミネルヴァ書房
関連ページ 小海町HP https://www.koumi-town.jp/
その他、履修生への注意事項 現地調査に参加しない者・報告書の原稿を提出しなかった者は単位認定をしない。また、調査地において、遅刻や無断キャンセルは厳禁行為であるから、通常の講義においても、正当な理由がない限り、遅刻や早退や欠席は厳禁である。遅刻・早退・無断欠席が多い者は実習参加を認めない場合もあるので十二分注意すること。
 なお、調査に関わる費用については、学生各自の負担となる。

 また、単に現地に行って見聞してきただけでは,報告書は書けないので、春学期の間に自己学習をして、問題意識を固める必要がある。

尚、新型コロナ感染症の状況しだいでは、現地との関係上、現地調査が実施できない場合がある。その場合、質問紙やオンラインインタビューへの切り替え、東京近郊において、関連する施設や人物に対する調査を実施する場合もある。

 小海町については、以下のことを参照して欲しい。
小海町は八ヶ岳東麓の千曲川上流域に位置する町である。千曲川を挟んで東西に分かれて、標高800~1000mの位置に集落が点在している。千曲川の西岸は八ヶ岳の裾野の傾斜地であり、東岸は秩父山地の裾野の段丘地帯となっている。また、1956年までは、西岸が北牧村・東岸が小海村として存在し、両村が合併することで小海町が成立した。合併後、一貫して人口は減少し続けている。高齢化率も40%であり、2050年の日本の姿であると報道されたこともある。主たる産業としては、高原野菜を主とした農業と釣り・キノコ狩り・登山などのアウトドア系の松原湖周辺の観光が挙げられる。また、『君の名は』や『天気の子』で知られる映画監督新海誠氏の出身地としても知られる。

【遠隔講義実施の場合】
1.リアルタイムでのTeamsもしくはZoomでのオンライン講義
2.出欠については、提出期限を指定したコメントシート(作業報告書)で行う

卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【観光コミュニティ学部 コミュニティデザイン学科】