科目名 | コミュニティ論特殊講義(買い物) | |
担当者 | 佐野 美智子 | |
開講期 | 2023年度秋学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 3年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | 消費者行動について考える | |
授業の達成目標 | 本授業の目標は、消費者を取り巻く環境や消費者の心理など多様な側面から消費行動を考察し、その現代的特徴を理解し、今後の変化方向について考えるための知識を修得することにある。あわせて複眼思考を身につけることを目指す。具体的な授業の達成目標を以下の5点とする。①消費者の欲求の捉え方についていくつかの方法を説明できる。②消費者の購買意思決定プロセスを説明できる。③消費者の選択行動に影響する個人差要因(消費者資源、知識、態度、動機、価値観・ライフスタイル)について説明できる、④消費者の選択行動に影響する環境要因(経済社会状況、文化、他者の影響など)について説明できる、⑤情報通信技術の進展、グローバルなネットワーク社会の進展に伴い急激に変容する消費社会環境にあって、現在の消費の変化を引き起こしている要因を指摘できる。 | |
今年度の授業内容 | 消費行動について、消費欲求がなぜ起きるのか、購買動機を考えるところから始め、欲求を充足する対象について情報探索する過程、情報をもとに商品に対する態度(全体的評価)を形成する過程、候補となった商品を比較して一つを選ぶ過程、選んだ商品の購買方法を決める過程、といったように、購買に至る意思決定の過程を段階ごとに考えていく。購買後は、使用・消費を通じて明らかになる商品の意味や行動の意味について、文化的価値の側面から考える。さらに、消費・使用後の処分の方法について、「売る」という選択肢も含めた選択について考える。一連の意思決定の過程を題材に消費行動を考察したあとは、他者の影響という側面から消費欲求や行動を考察する。学期終盤では、現在広がりつつあるシェア消費やエシカル消費を取り上げ、人びとの価値観やライフスタイルの変化と関連付けて考える。最後に、豊かさ観や幸福観の視点から消費者行動の特徴や今後について考える。 | |
準備学修 予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 各回の授業で示すミニテスト課題を手掛かりに、その回の授業内容を振り返り、過去の授業内容と紐付けながら、消費者行動について理解を深めること。そうした復習をふまえて、次の授業に臨むこと。また、予習・復習としてテキストの関連箇所を読むことも、理解を深めることに役立つので実行してもらいたい。 | 合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 教科書の内容を適宜取り上げながら授業を進めるので、予習や復習に利用して欲しい(教科書の入手方法については授業初回に説明する)。また、毎日の買い物、お金の使い方、商品・店の選び方、情報の集め方など,意識して「なぜ」を考えてみよう。自分の行動に引き付けて講義を聞くと理解が深まる。 | |
第1回 | 講義全体の俯瞰図を示す(消費研究のフレームワーク) | |
第2回 | 消費者意思決定① 欲求 | |
第3回 | 消費者意思決定② 情報探索、情報処理(前) | |
第4回 | 消費者意思決定③ 情報探索、情報処理(後) | |
第5回 | 消費者意思決定④ 態度(前) | |
第6回 | 消費者意思決定⑤ 態度(後) | |
第7回 | 消費者意思決定⑥ 代替案の比較と選択 | |
第8回 | 消費者意思決定⑦ 購買方法 | |
第9回 | 消費者意思決定⑧ 消費・使用の方法と意味 | |
第10回 | 消費者意思決定⑨ 消費・使用後の処分 | |
第11回 | 他者の影響と消費 | |
第12回 | シェア消費(シェアリングエコノミー) | |
第13回 | 消費者問題 | |
第14回 | 幸福と消費、豊かさの変化 | |
第15回 | 総括 これからの消費のあり方を考える | |
授業の運営方法 | 授業は講義を中心とする。毎回授業中に、講義内容をもとに考察する簡単な課題(ミニテスト)を出し、授業終了後数日内にポータルで回答を提出してもらう。回答内容をまとめて授業資料とし、ポータルを利用して全員で内容を共有し、様々な捉え方や考え方を知る機会とする。なお、回答提出の際に、授業内容への質問や感想を書く欄を設けて、気軽に質問できる機会を提供する。 なお、対面授業を前提とし、遠隔授業の実施に関しては、オンデマンドによるPowerPoint動画配信となる。具体的内容は、「その他、履修生への注意事項」を参照のこと。 |
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課題 試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 毎回授業の課題(ミニテスト)に対する回答は、個人名を除いた形で授業資料としてまとめ、考えるポイントについてのコメントを付けてポータル配信する。回答の際に質問や感想が寄せられた場合には、質問に対する教員からの回答を授業資料に加える。また、学生からの感想についても授業資料に載せて全員で共有する。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 0% | なし |
小論文・レポート | 30% | 学期末レポート実施。授業内容の理解度を確認し、あわせて、論旨が明確であることを評価する。 |
授業参加 | 70% | 毎回、授業内容に関する簡単な質問を出すので、その答えの提出回数と内容(授業の理解度)を評価。 |
その他 | 0% | なし |
テキスト | 『消費入門—消費者の心理と行動,そして,文化・社会・経済—』佐野美智子,創成社,2013年,2,500円+税,ISBN978-4-7944-2405-1. |
参考文献 | 『消費者心理学』山田一成・池内裕美編著,勁草書房,2018年,2,700円+税,ISBN978-4-326-25128-5. 『シナジー社会論』今田高俊・舘岡康雄編著,東京大学出版会,2014年,3,800円+税,ISBN978-4-13-050181-1. |
その他、履修生への注意事項 | ①授業の実施方法について 対面授業を前提とし、遠隔授業の実施に関しては、オンデマンドによるPowerPoint動画をYouTube配信する。対面授業の場合も遠隔授業の場合も、授業内で、講義内容をもとに考察する簡単な課題(ミニテスト)を出し、授業終了後数日中に回答をポータルで提出してもらう。なお、希望があれば、対面授業の参加者にも復習に使えるように、遠隔参加者が利用するものと同じPowerPoint動画を配信する。 ②出欠の取り方について(遠隔授業・対面授業で共通) 対面授業の場合も遠隔授業の場合も、毎回授業中に出す課題(ミニテスト)への回答提出をもって、その授業の出席とする。回答提出は授業終了後数日中(授業中に明示する)とすることで、遠隔授業受講中の通信不具合に配慮する。なお、期限内に回答が提出されなかった場合は、原則、その回の授業は欠席となる。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【観光コミュニティ学部 コミュニティデザイン学科】 |