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科目名老いと女性
担当者中野 洋恵
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目ジェンダーの視点から「老い」を社会学的に考える
授業の達成目標この授業では次の点を成果目標とします。
①「老い」を個人の身体的、心理的な変化としてだけでなく、その社会・文化的な位置づけについて理解を深め、説明できるようになる。
②社会の中での「老い」の課題は男女で異なっており、ジェンダー問題であることを理解し説明できるようになる。
③避けることのできない「老い」に対して、どのように向き合っていくのかを自分ごととして深く考えることができる力を身につける。
今年度の授業内容女性にとっての「老い」の持つ課題は、男性にとってのそれと何か違いがあるのか。あるとしたら、どこが異なっているのかそれはなぜなのか。この問いは、社会学的である。「老い」を身体的、心理的な個人の課題と捉えるだけではなくその社会的意味を重視する。
現代社会において「老い」はネガティブに捉えられているが、歴史的、また他文化との比較を通して、「老い」のイメージや高齢者の役割、社会的地位等は多様であったことを知る。また、実際に多様な生き方の高齢者を知ることで、「老い」のイメージがメディア等によって「つくられた」ものであることを理解する。つまり、社会的・文化的に構築されたものであると捉えることができる。また若い世代にとっては「老い」は遠いものであると考えられがちであるが、ある日突然「老人になるわけではなく、私たちの生活の延長線上にあることから「自分ごと」として考えたい。どのように生きていくか、「老い」をどう迎えるかを考えることはできる。授業を通して、若さの称揚やアンチエイジングの背後にある人々の意識、弱さを理解しつつ尊厳ある生が保障される社会のあり方を考える。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について事前にポータルに掲出する各回の講義資料を読み、疑問等をあらかじめ整理しておくこと。講義終了後は、配布資料や講義ノートを見直して自分なりにまとめ直し理解を深めておくこと。紹介した参考資料にも目を通し、さらに広い知識を身につけること。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項高齢化が進む日本社会の中では高齢者に関する話題に関心が持たれメディアに取り上げられることも多い。 
新聞(紙媒体)やテレビ、ネットのニュースに常に注意し、その内容を批判的に受け止める姿勢を身につけること。
第1回オリエンテーション 
「老いと女性」では何を学ぶか、何のために学ぶか、授業の進め方を説明します。
第2回寿命の伸びと高齢化 
平均寿命が伸びる中で高齢化が進んでいます。高齢化は何が問題なのかを考えます。
第3回日本の人口構造の変化 
少子高齢化によって日本社会の人口構成は大きく変化してきました。どのように変わってきたのかを説明します。
第4回戦後日本の家族の変化
核家族世帯、単独世帯の増加など、家族形態が変化してきました。家族形態の変化と家族の持つ意味の変化を説明します。
第5回少子高齢化社会の問題
少子高齢化が進むとどのような問題が生じるのか、特に高齢女性にとってどのような影響があるのかを考えます。 
第6回「老い」とは何か
加齢による身体的、心理的な変化について説明します。
第7回介護の問題 
誰が高齢者の介護をするのか、性別役割分業を考えます。
第8回介護保険制度について
2000年に施行された介護制度とその後の制度の見直しについて説明します。
第9回自立支援
要介護状態になった時に「その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができる」ために必要なサービスについて説明します。

第10回介護の社会化と家族意識の変化
家族が変化し、人々のライフスタイルが多様化する中で、これまで家族や女性が担ってきた高齢者ケアが社会全体で支援する方向に変わってきたことを説明します。
第11回高齢者をめぐる諸問題 (1)経済的格差
「老後2000万円問題」が話題になりました。年金をはじめ老後の経済問題について考えます。
第12回高齢者をめぐる諸問題(2)孤立・不安
一人暮らしの高齢者が増加しています。高齢者が抱える孤立や精神的な不安の問題を考えます。

第13回「老い」を迎えるまえに今をどう生きるか(1)女性と仕事
私たちはある日突然高齢者になるわけではありません。
高齢期の経済問題を踏まえ、若い時からどのようの準備をしておけばいいのかを考えます。
第14回「老い」を迎えるまえに今をどう生きるか(2)人間関係
私たちはある日突然高齢者になるわけではありません。
高齢期の孤立や不安の問題を踏まえ、若い時からどのようの準備をしておけばいいのかを考えます。
授業の運営方法対面授業として実施します。
基本的には事前にポータルに掲載する資料や映像を使用する講義ですが、学生同士のグループディスカッションも取り入れ、発言の機会も確保します。

課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法講義終了後にリアクションペーパーの提出、もしくは課題に関する小レポートを課します(ポータルに提出)。次回、匿名で意見を紹介することによって、多様な意見の共有するとともに誤解があれば解説を加えます。双方向的な授業をめざします。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 40% 論述式の試験によって、授業目標の達成度を評価する。
小論文・レポート 30% 授業内レポートの提出によって参加度を評価する。
授業参加 30% 積極的・協力的な授業態度によって評価する。
テキスト テキストは特に指定しない。授業前に資料をポータルに掲載する。
参考文献 必要に応じて授業で紹介する。
関連ページ 国立女性教育会館 https://www.nwec.jp/
国立社会保障・人口問題研究所 https://www.ipss.go.jp/
内閣府男女共同参画局 https://www.gender.go.jp/
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/
その他必要に応じて授業の中で紹介する。


その他、履修生への注意事項 対面授業を前提とする。
出席確認はスマホを通じて行う。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【観光コミュニティ学部 コミュニティデザイン学科】