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科目名消費社会論
担当者小関 孝子
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次1年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目消費の視点から、社会や文化を理解する
授業の達成目標本授業の目標は、現代社会を特徴づける消費について理解するための知識を修得することである。現代の高度消費社会を考察するための多様な枠組みを知り、消費社会の変化を促す要因、消費社会の変化がもたらす影響について、多面的に考えることができる力を身につける。具体的には以下の3点を達成目標とする。①消費社会の成立過程とその後の変遷について、農耕社会から工業社会への変遷、その後の脱工業社会、情報社会への変化の歴史と関連付けて説明できる。②技術革新が引き起こす社会変容が、人びとの価値観や生活様式をどのように変えてきたかを説明できる。③これからの消費社会を考える上で重要な視点を挙げることができる。
今年度の授業内容まず、消費社会の成立過程とその後の歴史的な経緯を概観する。産業革命後の工業化がもたらした消費革命。大量生産・大量消費が経済成長を促進し、豊かな大衆消費社会が実現。都市化や消費の標準化が進む。経済成長の鈍化と脱工業化の進展、グローバル化・少子高齢化・情報化の中で、消費は個性化・多様化を強める。21世紀に入ってからは、インターネットが消費社会のインフラとなり、情報行動や人間関係が大きく変わりつつある。授業では、マクロレベルで消費社会の理解を深めるとともに、個人の欲求や行動の変化というミクロレベルの理解を深める。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について各回の授業で示すミニ課題を手掛かりに、その回の授業内容を振り返り、過去の授業内容と紐付けながら、社会変容の要因について理解を深めること。そうした復習をふまえて、次の授業に臨むこと。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項高校までで学んだ世界史と日本史を、「消費社会の歴史」に編み直して考えていく。授業で扱う話題について自分でも調べ直してみると、現在の消費社会について理解を深めることができる。
第1回消費社会を考えると何が見えるのか?
第2回ヨーロッパ大航海時代から第一次産業革命までをつかむ
第3回フランス・パリの発展と世界に広がる万国博覧会
第4回西洋文化を受容する明治時代の日本:横浜、上野、日光を事例に
第5回1920年代アメリカにおける大衆消費社会の到来:産業篇
第6回1920年代アメリカにおける大衆消費社会の到来:娯楽篇
第7回雑誌広告から考える大正~昭和初期の日本社会:百貨店の発展に着目して
第8回日本における消費組合運動、生活改善運動、生活合理化、「欲しがりません勝つまでは」
第9回アメリカ資本主義の発展による「ゆたかな社会」と内包する矛盾
第10回日本における高度経済成長期と公害問題:『暮しの手帖』をヒントに
第11回1970年代から1980年代へ:世帯消費から個人消費(意味消費)へ
第12回消費と記号① イメージを消費する、言葉を消費する
第13回消費と記号② 差異化の欲望とアイデンティティ
第14回消費と記号③:メディア化する身体
授業の運営方法授業は対面での講義を中心とする。毎回授業中に、講義内容をもとに考察する簡単な課題を出し、授業終了後数日内にポータルで回答を提出してもらう。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法毎回授業の課題に対する回答は、個人名を除いた形で授業資料としてまとめ、全員で共有する。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
小論文・レポート 30% 学期末レポート実施。授業内容の理解度を確認し、あわせて、論旨が明確であることを評価する。
授業参加 70% 毎回授業後に提出するミニ課題の提出頻度と内容で評価する。
参考文献 『詳説世界史研究』木村靖二・岸本美緒・小松久男(編),山川出版社,2017年.
『詳説日本史研究』佐藤信・五味文彦・高埜利彦・鳥海靖(編),山川出版社,2017年.
『消費社会の神話と構造 新装版』ジャン・ボードリヤール(著),紀伊國屋書店,2015年.
『ゆたかな社会 決定版』ガルブレイス(著),岩波現代文庫,2006年.

その他、適宜,紹介する。
その他、履修生への注意事項 【出欠の取り方について】
毎回授業中に出すミニ課題への回答提出をもって、その授業の出席とする。

【その他の特記事項】
・ノートテイキングを徹底しましょう。
・講義中の私語は厳禁です。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【観光コミュニティ学部 コミュニティデザイン学科】