[戻る]
科目名消費社会論
担当者佐野 美智子
開講期2023年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次1年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目消費の視点から、社会や文化を理解する
授業の達成目標本授業の目標は、現代社会を特徴づける消費について理解するための知識を修得することである。現代の高度消費社会を考察するための多様な枠組みを知り、消費社会の変化を促す要因、消費社会の変化がもたらす影響について、多面的に考えることができる力を身につける。具体的には以下の3点を達成目標とする。①消費社会の成立過程とその後の変遷について、農耕社会から工業社会への変遷、その後の脱工業社会、情報社会への変化の歴史と関連付けて説明できる。②技術革新が引き起こす社会変容が、人びとの価値観や生活様式をどのように変えてきたかを説明できる。③これからの消費社会を考える上で重要な視点を挙げることができる。
今年度の授業内容まず、消費社会の成立過程とその後の歴史的な経緯を概観する。産業革命後の工業化がもたらした消費革命。大量生産・大量消費が経済成長を促進し、豊かな大衆消費社会が実現。都市化や消費の標準化が進む。経済成長の鈍化と脱工業化の進展、グローバル化・少子高齢化・情報化の中で、消費は個性化・多様化を強める。21世紀に入ってからは、インターネットが消費社会のインフラとなり、情報行動や人間関係が大きく変わりつつある。授業では、マクロレベルで消費社会の理解を深めるとともに、個人の欲求や行動の変化というミクロレベルの理解を深める。
準備学修 予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について各回の授業で示すミニテスト課題を手掛かりに、その回の授業内容を振り返り、過去の授業内容と紐付けながら、社会変容の要因について理解を深めること。そうした復習をふまえて、次の授業に臨むこと。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項高校までで学んだ世界史と日本史を、「消費社会の歴史」に編み直して考えていく授業になる。授業で扱う話題について自分でも調べ直してみると、現在の消費社会について理解を深めることができる。
 第1回講義全体の俯瞰図: 産業革命と社会変容 これからの社会
 第2回消費革命:ヨーロッパ大航海時代と商業革命
 第3回消費革命:[イギリス]重商主義経済、プロト工業の発展と生活革命
 第4回消費革命:[イギリス]第1次産業革命と都市化の進展
 第5回消費社会の登場:[フランス]パリの発展
 第6回消費社会の発展:[アメリカ]第2次産業革命
 第7回大衆消費社会の登場:[アメリカ]大量生産システム
 第8回大衆消費社会の登場:[アメリカ]大量販売と大量消費
 第9回大衆消費社会の進展:[アメリカ]大衆文化と消費社会
 第10回大衆消費社会の成熟:[アメリカ]豊かな社会(1950年代)
 第11回[日本]消費社会の登場まで:戦国時代~明治時代
 第12回[日本]大衆消費社会の登場:大正時代 中間層の拡大と消費の大衆化
 第13回[日本]大衆消費社会の成熟:昭和時代 戦時下→戦後の高度経済成長と豊かな社会(1950年代)
 第14回高度消費社会の発展: 脱工業社会の到来 第3次産業革命(情報革命)から第4次産業革命へ
 第15回講義内容の総括: これからの消費社会について考える
授業の運営方法授業は講義を中心とする。毎回授業中に、講義内容をもとに考察する簡単な課題(ミニテスト)を出し、授業終了後数日内にポータルで回答を提出してもらう。回答内容をまとめて授業資料とし、ポータルを利用して全員で内容を共有し、様々な捉え方や考え方を知る機会とする。なお、回答提出の際に、授業内容への質問や感想を書く欄を設けて、気軽に質問できる機会を提供する。
なお、対面授業を前提とし、遠隔授業の実施に関しては、オンデマンドによるPowerPoint動画配信となる。具体的内容は、「その他、履修生への注意事項」を参照のこと。
課題 試験やレポート等に対するフィードバックの方法毎回授業の課題(ミニテスト)に対する回答は、個人名を除いた形で授業資料としてまとめ、考えるポイントについてのコメントを付けてポータル配信する。回答の際に質問や感想が寄せられた場合には、質問に対する教員からの回答を授業資料に加える。また、学生からの感想についても授業資料に載せて全員で共有する。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% なし
小論文・レポート 30% 学期末レポート実施。授業内容の理解度を確認し、あわせて、論旨が明確であることを評価する。
授業参加 70% 毎回、授業内容に関する簡単な質問を出すので、その答えの提出回数と内容(授業の理解度)を評価。
その他 0% なし
参考文献 『消費入門—消費者の心理と行動,そして,文化・社会・経済—』佐野美智子,創成社,2013年,2,500円+税.
『シナジー社会論』今田高俊・舘岡康雄(編著),東京大学出版会,2014年,3,800円+税.
『詳説世界史研究 改訂版』木下康彦・木村靖二・吉田寅(編),山川出版社,2008年,2,381円+税.
『詳説日本史研究 改訂版』佐藤信・五味文彦・高埜利彦・鳥海靖(編),山川出版社,2008年,2,381円+税.

その他、適宜,紹介する。
その他、履修生への注意事項 ①授業の実施方法について
対面授業を前提とし、遠隔授業の実施に関しては、オンデマンドによるPowerPoint動画をYouTube配信する。対面授業の場合も遠隔授業の場合も、授業内に講義内容をもとに考察する簡単な課題(ミニテスト)を出し、授業終了後数日中に回答をポータルで提出してもらう。なお、希望があれば、対面授業の参加者にも復習に使えるように、遠隔参加者が利用するものと同じPowerPoint動画を配信する。
②出欠の取り方について(遠隔授業・対面授業で共通)
対面授業の場合も遠隔授業の場合も、毎回授業中に出す課題(ミニテスト)への回答提出をもって、その授業の出席とする。回答提出は授業終了後数日中(授業中に明示する)とすることで、遠隔授業受講中の通信不具合に配慮する。なお、期限内に回答が提出されなかった場合は、原則、その回の授業は欠席となる。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【観光コミュニティ学部 コミュニティデザイン学科】