科目名 | コミュニティ論 | |
担当者 | 坪原 紳二 | |
開講期 | 2024年度秋学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 1年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | コミュニティの理論と現状、及びコミュニティの効用 | |
授業の達成目標 | 以下の5点を目標とする。 ①「コミュニティ」という言葉の、規範的定義と実体的定義を説明できること。 ②田園都市論、近隣住区論の内容と、それらへの批判を説明できること。 ③ソーシャル・キャピタルの構成要素と種類を説明できること。 ④コミュニティにSNSが及ぼしている影響を説明できること。 ⑤コミュニティとレジリエンスの関係を説明できること。 |
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今年度の授業内容 | 「コミュニティ」という言葉の意味を整理したうえで、前半は親密な近隣という意味でのコミュニティを希求する動きや理論、政策に触れる。後半は、ソーシャル・キャピタル(つながり)としてのコミュニティに注目し、理論的な整理を行った後、それが弱まっている現状、インターネットが及ぼしているさまざまな影響について考察する。そして最後に、身近な地域におけるソーシャル・キャピタルが、地球温暖化対策や新たな感染症対策としても有効であることを解説する。 | |
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 授業中に使用するレジュメには英語の原文が多数引用されている。事前にポータルで配布するので精読し、よく分からない部分、授業中に理解すべき部分を明確にして授業に臨む。授業後は、興味を持った引用の元の文献に当たり、理解を深めること。 | 合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | ニュース等を見る時は、「コミュニティ」あるいは「つながり」という言葉に日ごろから注意を払い、それらを巡ってどういう問題が今、起きており、またどんな施策が実施されているのか、情報収集に努めること。 | |
第1回 | 「コミュニティ」の意味①(「コミュニティ」という言葉がどのように使われているのかを概観する) | |
第2回 | 「コミュニティ」の意味②(「コミュニティ」の歴史的定義を整理する) | |
第3回 | 親密な近隣の希求(親密な近隣としてのコミュニティを希求する動きの起源に触れる) | |
第4回 | 田園都市論(19世紀末に大都市への対案として提起された都市計画理論に触れる) | |
第5回 | 近隣住区論(20世紀初めに提起された、親密な近隣の再生を物的に促そうとする都市計画理論に触れる) | |
第6回 | 近隣住区論への批判①(ジェイコブスによる近隣住区論批判に触れる) | |
第7回 | 近隣住区論への批判②(アレグザンダーのパタン・ランゲージ及び近隣住区への対案に触れる) | |
第8回 | 疎外とコミュニティ(東西冷戦期におけるコミュニティ運動の背景に触れる) | |
第9回 | 日本の近隣コミュニティ政策(1970年代に展開された日本のコミュニティ政策を検証する) | |
第10回 | ソーシャル・キャピタル論の歴史(ソーシャル・キャピタルという概念の由来を探る) | |
第11回 | ソーシャル・キャピタルの定義、種類、測定方法 | |
第12回 | ソーシャル・キャピタルの現状(ソーシャル・キャピタルの内外における現状を各種統計から探る) | |
第13回 | ICTとソーシャルキャピタル(SNSがソーシャル・キャピタルに与えている影響を考える) | |
第14回 | レジリエンスとソーシャル・キャピタル(都市の強靭性にソーシャル・キャピタルが与える影響に触れる) | |
授業の運営方法 | レジュメはワークシート形式になっており、多くの質問が設定されている。英語の原文を読みつつ、授業中にはそれらを個人、あるいはチームで解き、発表してもらいながら進めていく。 | |
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 課題への解答、考察をポータルで提出してもらい、ポータルでコメントを付けて返し、次の授業で講評を行う。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 70% | 実施する |
小論文・レポート | 0% | 実施しない |
授業参加 | 30% | 授業中課題の提出 |
テキスト | なし |
参考文献 | ・ソーシャル・キャピタル入門:孤立から絆へ(稲葉陽二,中央公論新社,2011,ISBN 978-4121021380) ・コミュニティを再考する(伊豫谷登士翁・吉原直樹・齋藤純一,平凡社,2013,ISBN 978-4582856897) ・日本型コミュニティ政策:東京・横浜・武蔵野の経験(広原盛明,晃洋書房,2011,ISBN 978-4771022935) ・Bowling Alone: Revised and Updated: The Collapse and Revival of American Community(Robert D. Putnam,Simon & Schuster,2020,ISBN 978-1982130848) ・Heat Wave: A Social Autopsy of Disaster in Chicago(Eric Klinenberg, University of Chicago Press, 2015, ISBN 978-0226276182) |
関連ページ | なし |
その他、履修生への注意事項 | 授業開始後の入室は原則認めない。レジュメの印刷版は配布しないので、PCを持参しPC上でメモを取ることを推奨する。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【観光コミュニティ学部 コミュニティデザイン学科】 |