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科目名温泉と保養
担当者山崎 まゆみ
開講期2023年度春学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目「観光温泉学」
授業の達成目標(1)温泉の基礎的知識、日本人が形成してきた温泉情緒、温泉街、温泉組合について学んでください。これまでの湯治の習わしを振り返りながら、温泉と保養に関する基礎的なことを学びます。
(2)温泉の泉質を読み解く知識を得て、最も温泉効果が発揮される、自分に合う温泉を見つける「マイ温泉」という概念を学びましょう。
(3)コロナ蔓延による、温泉地や旅館のコロナ対策の好事例から、温泉地や旅館は何を考え、何をしているか、想いを馳せてみましょう。
(4)これから期待される温泉と「湯治」について考えてみましょう。高齢化社会に向けた温泉のあり方、バリアフリー温泉とユニバーサルツーリズムについて知り、未来を描いていきましょう。
(5)昨今の自然災害による風評被害も観光地としては悩ましいことです。自然災害時における温泉旅館の役割はどんなものか。また自然災害後の復興はどのように遂げられるのか。それらを学び、考えます。
(6)訪日外国人観光客誘致の観光資源として、「温泉」はとても期待されています。外国人が期待する日本の温泉を学び、外国人に温泉の魅力を伝え方える方法を考えてみましょう。なお、外国人に温泉の魅力を伝える術を考えることで、もう一度、私達日本人にとって温泉の存在価値を再認識してください。
(7)これから理想とする温泉地、温泉街、温泉宿を構想してみましょう。それを一般消費者にどのように伝えていくか、考えてみましょう。
(8)本授業で温泉を学び、考える。その結果、周囲に温泉の魅力を伝えられる「観光温泉マスター」となり、温泉伝道師として活動してください。
(9)日本の観光資源で最も大切な温泉。観光庁や地方自治体では観光資源としての温泉をどのように政策に活かしているのでしょう。観光産業における温泉の存在を学びます。
今年度の授業内容日本人が形成してきた唯一無二の温泉文化です。これまで日本人が守り伝えてきた温泉文化と保養をしっかりと学びます。
コロナウイルスが出現し、観光地や温泉地、旅館ホテルがダメージを受けました。どのようなダメージを受け、そこから何が生まれたか、しっかり学びます。
温泉宿に泊まれば日本を知ることができるという点でインバウンド市場(外国人観光客)においても大きな期待を担う温泉地やホテル・旅館について考えることによって、日本人にとっての温泉の価値を再認識していきます。これからの高齢化社会に求められる温泉像(バリアフリー温泉等)、これまでの温泉とこれからの温泉を考察します。
本講座では、観光温泉学の知識を得た「観光温泉マスター」の人材を育成します。
★なお、授業テーマに則した第一線で活躍する著名な有識者を多数ゲストスピーカーにお迎えする予定です。  
これまでのゲストスピーカー一例
箱根一の湯グループ・小川晴也会長、群馬県四万温泉「積善館」・黒澤大二郎社長、福島県会津東山温泉「向瀧」・平田裕一社長、新潟県越後湯沢温泉「高半」女将・高橋麻里子氏、東京都鴎外温泉「鴎外荘」元女将・中村みさ子氏、日本政府観光局職員など多数。
準備学修 予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について予習は、示すテキストを可能な範囲で読んでください。
復習は、毎回短い(300文字前後)授業感想を求めます。
合計60時間
合計60時間
自習に関する一般的な指示事項テキストは適宜示します。
 第1回第1回    本授業のガイダンス 
「温泉が美容にも健康にも効くわけとは?」
 第2回第2回    温泉の基礎知識その1
「構想編」温泉の成り立ちと泉質について「実は、雨や雪が温泉となる」
 第3回第3回    温泉の基礎知識その2「歴史編」
映画『千と千尋の神隠し』を事例に「湯治」というスタイルから、温泉の歴史を紐解く
 第4回第4回    温泉の基礎知識その3「泉質編」
温泉分析表を読み解き、最も温泉効果を発揮する自分と相性があう「マイ温泉」という概念を学ぶ
 第5回第5回    海外の温泉保養地(32か国)を事例に、日本の温泉文化を比較し考察する
 第6回第6回    観光の重要性、コロナ前後の観光の変化、持続可能な観光を学ぶ
※元日本政府観光局ニューヨーク事務所長であり、元観光庁国際交流推進課長の亀山秀一氏をゲストスピーカーにお招きします。
 第7回第7回    温泉を観光コンテンツに活用したプロジェクト「温泉街道」
※国土交通省関東運輸局観光部の方をゲストスピーカーにお招きします
 第8回第8回    コロナ禍の館経営学と旅館承継を考え、また地熱発電についても学ぶ
※新潟県松之山温泉「ひなの宿ちとせ」社長の柳一成氏ゲストスピーカーにお招きします
 第9回第9回    ひとり旅ブームや超高齢化社会、若者旅等、
多岐にわたるニーズを知り、現代が求める温泉像を考察する
 第10回第10回  バリアフリー温泉・ユニバーサルツーリズムに取り組む好事例
観光庁が推奨する「心のバリアフリー認定制度」について
 第11回第11回  旅館女将の気働き、心配りを学び、「もてなし」の本質と社員教育についても学ぶ
※伊香保温泉「ホテル松本楼」女将の松本由起氏をゲストスピーカーにお招きします
 第12回第12回  温泉業界にとっての女性の役割
 第13回第13回  マスメディアに見る温泉の魅力の伝え方
 第14回第14回  自然災害から復興を遂げた温泉地
 第15回第15回  総括講義:私たちが求める温泉地、温泉宿像を考察
授業の運営方法大学側の意向により、遠隔授業 (パワーポイント・DVD・等を使用)とします。 
授業では大学推奨のMicrosoft Teams を活用します。
履修人数にもよりますが、可能な限り履修生の反応を見ながら、
飽きない、わかりやすい授業を目指します。
※出席は授業終了後にポータルを通じての課題提出をもって出席とします。

課題 試験やレポート等に対するフィードバックの方法ポータルへの質問は必要な場合のみ回答し、
多くの学生にも伝えるべき要素においては次回の授業で触れるようにします。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
小論文・レポート 50%
授業参加 50%
テキスト 『温泉ごはん 旅はおいしい!』(河出文庫)山崎まゆみ(著)
『女将は見た 温泉旅館の表と裏』(文春文庫)山崎まゆみ(著)
『行ってみようよ!親孝行温泉』(昭文社)山崎まゆみ(箸)
『さあ、バリアフリー温泉旅行に出かけよう!』(河出書房新社)山崎まゆみ(箸)
『おひとり温泉の愉しみ』(光文社新書)山崎まゆみ(著)
『だから混浴はやめられない』(新潮新書)山崎まゆみ(著) 
『お風呂と脳のいい話』(東京書籍)茂木健一郎・山崎まゆみ(著)
参考文献 環境省 温泉の保護と利用 https://www.env.go.jp/nature/onsen/index.html
国土交通省観光庁 VISITJAPAN大使 http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/jinzai/yj_taishi.html


関連ページ 山崎まゆみの記事一覧 - 個人 - Yahoo!ニュース 
山崎 まゆみ プロフィール | 文春オンライン (bunshun.jp) 
その他、履修生への注意事項 私語厳禁。礼節を重んじます。遅刻厳禁。
授業中に感想や質問を求めます。積極的に発言してください。
授業の進行に合わせて、スケジュールを変更する場合もあります。
映像資料なども適宜活用します。
温泉関連業界への就職希望者に要求される全体の仕組みや業界知識も合わせて指導します。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【観光コミュニティ学部 観光デザイン学科】
実務経験の概要 【日本の温泉文化を国内外に伝える】
日本と世界32ヶ国の温泉を取材し「日本人にとって温泉はアイデンティティーである」をテーマに執筆。著書は温泉の原風景を描いた『だから混浴はやめられない』〈新潮新書〉、ひとり旅を推奨する『ひとり温泉の愉しみ』(光文社新書)、温泉旅館の内情を綴った『女将は見た 温泉旅館の表と裏』(文春文庫)、『温泉ごはん 旅はおいしい!』(河出文庫)等多数。東京新聞、観光経済新聞、オール讀物、味の手帖で連載中。Yahoo!や文春オンライン等のWebでも多数寄稿中。
【観光庁や地方自治体の観光政策への参画】
観光政策に参画 観光庁長官表彰の審査員等、重要な会議に参画。「新潟県の魅力を考える懇談会」、「新潟プレミアサロン」のコーディネーターも務め、地方自治体の観光政策会議の委員も多数歴任。
インバウンド 日本の温泉を紹介した自著が台湾で出版し、自身が出演した温泉番組が台湾全土、成田空港、複数の外国エアラインの機内において放映され、2008年に国土交通省からYOKOSOJAPAN大使に任命。現・VISIT JAPAN大使として講演を行っている。
【バリアフリー「親孝行温泉」等、ユニバーサルツーリズムを促進】
「高齢者や身体の不自由な人にこそ温泉」を提唱し、バリアフリー温泉を積極的に紹介。内閣官房東京オリンピック・パラリンピック「ユニバーサルデザイン2020関係府省等連絡会議」「同・評価会議」に参画。観光庁、東京都と様々な委員を歴任し促進している。
NHKラジオ深夜便で「バリアフリーで温泉を楽しむ」NHKラジオらじるラボにレギュラー出演、東京新聞で「バリアフリーで行こう」を連載し、ユニバーサルツーリズムの発信にも力を入れている。
実務経験と授業科目との関連性       
温泉入浴の経験だけでなく、国や地方自治体の観光政策の重要な会議に参画し、また世界の温泉を取材し日本の温泉文化の価値を考察してきました。そうした経験値から「温泉」を多面的にとらえることができます。