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科目名観光グランドデザイン
担当者守屋 邦彦
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次1年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目観光による地域のグランドデザインについて学ぶ
授業の達成目標

旅の始まりから現在の観光に至るまでの変遷とともに、観光客、観光関連産業、地域、環境・資源それぞれの視点からの現状や取組の基礎的知識を体系的に理解し、説明出来るようになる。

今年度の授業内容人々の意思から始まった旅は、社会の変化によって様々な形に変化してきました。その背景には、明治時代の日本の近代化や戦後からの復興、国土の均衡ある発展、地方創生などの国としての政策があります。こうした旅行者のニーズや政策的な取組みに対して、各地域は様々な取組みを展開し、観光地づくりを進めてきました。
本講義では、こうした旅の始まりから現在の観光に至るまでの変遷とともに、需要側(観光客)、供給側(観光関連産業、地域)及びそれを支える環境・資源それぞれの視点からの現状や取組について、適宜事例を交えながら学んでいきます。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について事前に観光庁ホームページや観光白書を読み、観光政策の概要を理解しておくこと。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項観光に関連する社会の動きについて、インターネットによる情報だけでなく、新聞や雑誌などにも積極的に目を通し、自分の関心のある事項だけでなく、幅広く関連する事項について情報収集を行ってください。
第1回講義概要の説明
本講義の狙いや各回の講義概要について概説する。
第2回観光の意義
観光の語源や観光の意義、観光が社会や地域に及ぼす諸影響(経済的な効果、社会的な効果等)について学ぶ。
第3回日本の観光旅行の変遷
中世・近世の観光旅行から、明治〜戦前、戦後(高度経済成長期〜バブル期〜現在)の観光旅行の変遷について、主に定性的な動向から学ぶ。
第4回日本の観光振興に関わる政策の変遷(1)
日本人および訪日外国人の観光旅行の動向の背景となる、また観光関連産業や観光地づくりにも影響を与える背景ともなる、日本の観光に関わる政策の変遷(明治時代〜1980年代)について学ぶ。
第5回日本の観光振興に関わる政策の変遷(2)
日本人および訪日外国人の観光旅行の動向の背景となる、また観光関連産業や観光地づくりにも影響を与える背景ともなる、日本の観光に関わる政策の変遷(1990年代〜)について学ぶ。
第6回旅行者の動向
日本人の国内観光旅行、日本を訪れる外国人の旅行について、主に定量的な動向から学ぶ。
第7回観光関連産業の概況(1)
観光振興にとって重要な産業である旅行業(旅行会社、OTA)について、その変遷や現状について学ぶ。
第8回観光関連産業の概況(2)
観光振興にとって重要な産業である宿泊業、運輸業について、その変遷や現状について学ぶ。
第9回観光地づくりの考え方(1)
これまでに学んできた観光旅行や観光政策、観光関連産業の変遷や取組を踏まえ、観光地はどのように対応してきたのか、その変遷を学ぶ。
第10回観光地づくりの考え方(2)
観光計画や観光地経営の基本的な考え方について学ぶ。
第11回観光地づくりを推進する組織
観光地づくりの重要な役割を担う推進組織(主にDMO:デスティネーション・マーケティング/マネジメント・オーガナイザー)について、その概念や役割について学ぶ。
第12回観光地づくりとビジネス需要
ビジネスを目的として地域に訪れる旅行者(MICE参加目的の旅行者等)、更にはビジネス目的と観光目的が融合した旅行者(ワーケーション実施者等)について、その特性と観光地における取組みについて学ぶ。
第13回観光地づくりと地域コミュニティ
観光と地域コミュニティの関係性について、過去から現在までの経緯を学ぶとともに、観光地で暮らす人(地域コミュニティ)の生活の質の向上や、観光資源を保全しながら持続的に発展していくための視点や取組について学ぶ。
第14回まとめ/観光地づくりの全体像の理解
これまでの講義の振り返りを行い、観光地づくりの全体像を改めて理解する。
授業の運営方法適宜資料を配布し、講義形式を中心に質疑応答を交えながら、授業を進めます。国を発展させていくために様々な形で取組まれた観光政策の変遷を理解するとともに、観光地づくりが旅行者のニーズにどのように対応していったのか、需要側と供給側の両面から理解することで、これからの観光による国・地域のグランドデザインに対する知見が深まるようにしていきます。なお、学生の理解度及び講義の進捗状況、新たな法制度の動き等により講義内容・順番は変更することがあります。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法各回の最後に提出を求めるコメントシートでの記載内容に対して、次回講義の最初に講評を行う。
小レポート回収後及び小テスト実施後に、内容に対する講評や解説を行う。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% 実施しない
小論文・レポート 20% 期末の小レポートの内容により評価
授業参加 30% 各回講義後に提出を求めるコメントシートの提出状況と内容により評価
その他 50% 講義内で実施する理解度確認の小テスト(2回)により評価
テキスト 適宜、資料を配布する。
参考文献 観光白書 https://www.mlit.go.jp/statistics/fi le000008.html
観光立国推進基本計画 https://www.mlit.go.jp/kankocho/kankorikkoku/kihonkeikaku.html
『観光地経営の視点と実践[第2版]』/(公財)日本交通公社/丸善出版/2019年/本体3,000円/ISBN:978-4-621-30384-9
関連ページ 観光庁 https://www.mlit.go.jp/kankocho/index.html
その他、履修生への注意事項 授業開始時及び終了時の挨拶励行。遅刻及び私語は厳に慎むこと。その他、他の学生の迷惑になる言動は退室を命じる場合があります。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【観光コミュニティ学部 観光デザイン学科】
実務経験の概要 調査・研究を主たる事業とする企業・組織において、観光をはじめとする各種政策に関する調査・研究、観光やMICEによる地域の活性化に関する調査・研究に24年間従事。
実務経験と授業科目との関連性 国(観光庁、経済産業省、環境省など)が進める観光に関する政策に関連する調査研究、地方自治体や観光協会等の観光関連組織が行う観光振興計画の策定や観光振興に関する取組みの推進支援などに長年従事してきた経験を通して、観光政策が国や地域のグランドデザインにどのように実際に役立ってきたのかを具体的に教えていきます。