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科目名人口学
担当者坂井 博通
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次1年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目日本と世界の人口問題について学ぶ(現代のコミュニティの諸課題を理解するために)
授業の達成目標

(目的)
  現在約80億人の世界人口は今世紀中に100億人に達する見通しである。一方日本は少子高齢化・人口減少に直面している。この対照的な「膨張する世界」と「縮小する日本」がどのように向き合い、交流していくのか、という大きな課題について世界・日本・地域の視点から考える。また特に女性の視点から見える世界を学ぶ。


(目標)
① 人口に関する基本的な統計表やグラフを読解し、指標の意味と計算方法を説明できるようになる。
② 少子化、長寿化、高齢化、未婚化、地域移動など主要な人口現象の原因・背景や社会に及ぼす影響について基本的な説明ができるようになる。
③ 地域の人口学的状況を踏まえて、どのようなコミュニティを作ることが望ましいかを想像・説明ができるようになる。

今年度の授業内容

「人口統計の基礎と方法」、「日本・世界の人口問題」、「地域の人口問題」の3部構成からなる。人口学の基本的な考え方とともに、人口システムと経済社会システムの相互作用の理解に力を入れる。人口学を学ぶことは、自分自身のみならず人類の持続的な生存可能性をより深く理解する上でも有用である。履修にあたり特別な知識は必要としない。初歩から順序立てて解説する。他の科目、一般書、マスコミ等で人口に関連した用語や指標を目にしたとき、よく留意し、本授業を活用して理解に努めてほしい。




準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について授業に先立って配布資料をアップロードするので、読んでおく。わからないことは遠慮なく質問する。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項

ネット、テレビ等で目にした人口学の用語について、授業および配布資料で確認すること。また参考文献等を活用して理解を深めること。


第1回人口学はどんな学問か
 国勢調査の調査票を実際に回答することで、人口学の方法、内容、その限界を考えてみよう。

第2回人口統計指標の意味と図表の見方(1):総論
 人口現象の計測・記述・分析、人口静態と人口動態、人口増加率と人口年齢構造など。

第3回人口統計指標の意味と図表の見方(2):死亡について
 死亡率・平均寿命


第4回人口統計指標の意味と図表の見方(3):出生について
 生殖に関する人間行動の計測と分析、出生率、再生産率、出生力決定要因など。



第5回人口統計指標の意味と図表の見方(4):家族と世帯について
 家族と世帯の概念と類型、結婚・離婚、同居・別居、人口移動の動向など。



第6回人口統計指標の意味と図表の見方(5):少子化と高齢化と人口減少問題
 出生力転換のメカニズム、少子化・高齢化の意味・原因・政策対応など。



第7回日本・世界の人口問題(1):世界人口の概況
 世界人口、先進地域・開発途上地域別人口、主要地域(大陸)別人口、国別人口の概況。


第8回日本・世界の人口問題(2):よりよい環境や経済は人を幸せにするか?
 人口爆発・人口減少の問題点:いくつかの国の実例


第9回日本・世界の人口問題(3):理論は正しいのか?
 中国の1人っ子政策とは何だったのか



第10回日本・世界の人口問題(4):ジェンダーからの視点
 人口とジェンダー、国際社会の取り組み、「持続可能な開発目標」(SDGs)との関連など。



第11回自分の人口レファレンスを持つ
 地域診断を行う際に、基準となる数値を構築して自分なりの人口レファレンスを構成しよう。



第12回地域の人口問題(1):身近な人口問題
 自分の身近にある人口問題を切り出す。


第13回地域の人口問題(2):地域社会の変貌
 人口分布・人口移動と都市化・過疎化など(東京一極集中、地域社会の持続可能性)。



第14回地域の人口問題(3):地域社会の個性
 男町・女町の特徴


授業の運営方法

配布資料とパワーポイントにより講義をおこなう。適宜参考書や参考資料を紹介する。分からないことがあれば遠慮なく質問すること。また各自で調べたことを発表することを歓迎する。

課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法毎回、短い課題を提示するので、指定された期日までに回答する。
定期試験に関してはあらかじめ問題の範囲を指定する。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 40% 40点満点。選択式問題30点、記述式問題10点。
小論文・レポート 0% なし
授業参加 60% 毎週、講師が課題を提示し、学生は回答を提出する。授業中の質疑応答も加味する。
その他 0% なし
テキスト 公表されているサイト国立社会保障・人口問題研究所『人口統計資料集』(紙媒体の購入不要)
(https://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/Popular2023RE.asp?chap=0)

参考文献

国立社会保障・人口問題研究所『人口統計資料集』(図表は同研究所のホームページに掲載)。
日本人口学会(編)『人口学事典』丸善出版、2018年。
人口学研究会(編)『現代人口辞典』原書房、2010年。
小島宏・和田光平(編)『セクシュアリティの人口学』原書房、2022年。
永瀬伸子・寺村絵里子(編)『少子化と女性のライフコース』原書房、2021年。


関連ページ

日本人口学会。
国立社会保障・人口問題研究所。
国連人口基金東京事務所。
(いずれもホームページが充実しており、学習の参考になる)

卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【観光コミュニティ学部 観光デザイン学科】
カリキュラムマップ【観光コミュニティ学部 コミュニティデザイン学科】