[戻る]
科目名人口学
担当者佐藤 龍三郎
開講期2023年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次1年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目日本と世界の人口問題について学ぶ(現代のコミュニティの諸課題とSDGsを理解するために)
授業の達成目標

(目的)
 現在約80億人の世界人口は今世紀中に100億人に達する見通しである。一方日本は少子高齢化・人口減少に直面している。この対照的な「膨張する世界」と「縮減する日本」がどのように向き合い、交流していくのか、という大きな課題についてグローバル(世界)、ナショナル(日本)、ローカル(地域社会)の視点から考える。またSDGs(持続可能な開発目標)との関連についても学ぶ。
(目標)
① 人口に関する基本的な統計表やグラフを読解し、指標の意味と計算方法を説明できるようになる。
② 少子化、長寿化、高齢化、未婚化、地域移動など主要な人口現象の原因・背景や社会に及ぼす影響について基本的な説明ができるようになる。
③ SDGsの17の目標の概要を述べ、人口・開発問題との関連について基本的な説明ができるようになる。

今年度の授業内容

「人口統計の基礎と方法」、「日本の人口問題」、「世界の人口問題」の3部構成からなる。人口学の基本的な考え方とともに、人口システムと経済社会システムの相互作用の理解に力を入れる。人口学を学ぶことは、SDGsをより深く理解する上でも非常に有用である。履修にあたり特別な知識は必要としない。初歩から順序立てて解説する。他の科目、一般書、マスコミ等で人口に関連した用語や指標を目にしたとき、よく留意し、本授業を活用して理解に努めてほしい。

準備学修 予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について授業に先立って配布資料をアップロードするので、読んでおく。よく呑み込めなかったことは授業時に質問する。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項

新聞、雑誌、テレビ等で目にした人口学の用語について、授業および配布資料で確認すること。また参考文献等を活用して理解を深めること。

 第1回

人口学はどんな学問か
 人口学の基本的な用語(定義、概念)、指標の見方、統計資料の入手・参照方法などについての解説。

 第2回

人口統計指標の意味と図表の見方(1):総論
 人口現象の計測・記述・分析、人口静態と人口動態、人口増加率と人口年齢構造など。

 第3回

人口統計指標の意味と図表の見方(2):死亡・寿命について
 健康と加齢・死亡の計測、死亡率、生命表、平均余命、平均寿命など。

 第4回

人口統計指標の意味と図表の見方(3):出生と人口再生産について
 生殖に関する人間行動の計測と分析、出生率、再生産率、出生力決定要因など。

 第5回

人口統計指標の意味と図表の見方(4):家族と世帯について
 家族と世帯の概念と類型、結婚・離婚、同居・別居、人口移動の動向など。

 第6回

日本の人口問題(1):日本人口の長期的推移
 人口転換、出生力転換、死亡力転換と人口減少、人口高齢化など。

 第7回

日本の人口問題(2):少子化と人口減少問題
 出生力転換のメカニズム、少子化の意味・原因・政策対応など。

 第8回

日本の人口問題(3):長寿化と人口高齢化
 年齢別死亡パターンの変化、疫学的転換、人口高齢化の影響と政策対応。

 第9回

日本の人口問題(4):地域社会の変貌
 人口分布・人口移動と都市化・過疎化など(東京一極集中、地域社会の持続可能性)。

 第10回

まとめ
 第1回から9回まで講義についての質疑応答。

 第11回

世界の人口問題(1):世界人口の概況
 世界人口、先進地域・開発途上地域別人口、主要地域(大陸)別人口、国別人口の概況。

 第12回

世界の人口問題(2):世界人口の変動要因①:出生力低下

 第13回

世界の人口問題(3):世界人口の変動要因②:長寿化と人口高齢化

 第14回

世界の人口問題(4):人口と持続可能な開発
 人口と食料・資源・環境問題、貧困問題、国連を中心とした国際社会の取り組み、「持続可能な開発目標」(SDGs)との関連など。

 第15回

まとめ
 講義全体に関する質疑応答

授業の運営方法

配布資料(毎回配布する)とパワーポイントにより講義をおこなう。適宜参考書や参考資料を紹介する。分からないことがあれば遠慮なく質問すること。また各自で調べたことを発表することを歓迎する。

課題 試験やレポート等に対するフィードバックの方法毎回、短い課題を提示するので、指定された期日までに回答する。
学期末にレポート課題を提示するので、指定された期日までにレポートを提出する。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% なし
小論文・レポート 40% 学期末にレポートを提出(1回だけ)。
授業参加 60% 毎週、講師が課題を提示し、学生は回答を提出する。授業中の質疑応答も加味する。
その他 0% なし
テキスト なし
参考文献

佐藤龍三郎・松浦司(編)『SDGsの人口学』原書房、2023年(特に推薦)。
小島宏・和田光平(編)『セクシュアリティの人口学』原書房、2022年。
佐藤龍三郎・金子隆一(編)『ポスト人口転換期の日本』原書房、2016年。
金子隆一・石井太(編)『長寿・健康の人口学』原書房、2021年。
井上孝・和田光平(編)『自然災害と人口』原書房、2021年。
永瀬伸子・寺村絵里子(編)『少子化と女性のライフコース』原書房、2021年。
阿藤誠・佐藤龍三郎(編)『世界の人口開発問題』(オンデマンド版)原書房。
小﨑敏男・佐藤龍三郎(編)『移民・外国人と日本社会』原書房、2019年。
国立社会保障・人口問題研究所『人口統計資料集』(図表は同研究所のホームページに掲載)。
日本人口学会(編)『人口学事典』丸善出版、2018年。
人口学研究会(編)『現代人口辞典』原書房、2010年。
河野稠果『人口学への招待:少子・高齢化はどこまで解明されたか』中央公論新社、2007年。
松浦司『現代人口経済学』日本評論社、2020年。

関連ページ

日本人口学会。
国立社会保障・人口問題研究所。
国連人口基金東京事務所。
(いずれもホームページが充実しており、学習の参考になる)

その他、履修生への注意事項

・遠隔授業の実施方法
 毎回、授業の前日までに講義資料を掲載する。ダウンロードして読むこと。動画はない。
 毎回、短い課題を出すので指定した期限までにポータルを通じて回答すること。

・遠隔授業時における出席の取り方
 課題に回答を提出することで出席とする。

卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【観光コミュニティ学部 観光デザイン学科】
カリキュラムマップ【観光コミュニティ学部 コミュニティデザイン学科】