科目名 | むさしの学 | |
担当者 | 一條 三子 | |
開講期 | 2024年度春学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 1年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | 「むさしの」のトータルな把握 |
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授業の達成目標 | 本学の立地する新座市は武蔵野台地の一角を占める。「武蔵野」の具体的なエリアや自然・地理、歴史・文化、産業、典型とされる景観を学び、「武蔵野」を総合的に理解する。こうした学習を手掛かりとして、学生自身にとって身近な地域を各自がフィールドワークやWeb資料等で探究し、プレゼンテーションを行って相互に批評しあう。それらの学習を通して、武蔵野エリアを中心にさまざまな地域の風土や実情に触れ、地域コミュニティや観光のあるべき姿を主体的に考え他者に伝える力を身につける。 |
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今年度の授業内容 | 「むさしの」は地名ではないため、「むさしの学」が対象とする地理的領域は曖昧である。時には氷河時代後期に形成された武蔵野台地全体を対象とし、時には律令時代に制定された武蔵国を中心に学ぶ。また、より具体的な地域として新座市に焦点を絞ることもある。マクロ的視点とミクロ的視点を交差させて、原始古代から現代までの「むさしの」の変遷を学ぶことで、豊かな地域資源と克服すべき課題を探り当て、この地域ならではの観光、コミュニティの構築を追究する。 |
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準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 授業で配付した資料を熟読したうえで、授業中に紹介した文献や書籍、資料等を用いて復習するほか、フィールドワークや資料館等の見学を通して地域の諸相にじかに触れてほしい。 毎回授業後に感想等をポータルに提出するが、授業終了から数時間の余裕を持たせるので、それらの自学した成果を感想に織り込むことを期待する。 |
合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 配布資料を熟読し、インターネット等で情報を補充して当該授業のテーマについて主体的に学習に取り組む。また大学や居住地の近隣等についてはできるだけ実際に歩き見聞することを推奨する。 | |
第1回 | 授業ガイダンス:「むさしの学」のめざすものは何か、 「むさしの」のイメージや地理的範囲を確認し、 「武蔵野」という地域を具体例として「地域を学び地域に学ぶ」意義について考える |
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第2回 | 武蔵野の歴史① 原始・古代 本キャンパスはじめ新座市内や現在の埼玉、東京周辺各地の地層、遺跡から浮かび上がる武蔵野台地の黎明期 |
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第3回 | フィールドワークの勧め:昨年度受講学生の「ご近所紹介」、新座市域を流れる野火止用水を中心としたフィールドワー クの紹介 ジオツーリズム、歴史や社会的課題を学ぶダークツーリズム等様々なフィールドワークを考える |
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第4回 | 武蔵野の歴史② 古代社会の広がり:東アジア世界の中の武蔵国、古墳と国府にみる武蔵国の政治的変遷 武蔵野の歴史③ 古代から中世へ:歌に詠まれた武蔵野、「いざ鎌倉へ」を彷彿させる鎌倉道 |
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第5回 | 武蔵野の歴史④ 江戸幕藩体制 川越藩主松平信綱がつくった「武蔵野」の原風景、玉川上水と野火止用水、流域に広がる新田開発の歴史 |
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第6回 | 武蔵野の民俗:神社・仏閣や石仏、伝承などから浮かび上がるいにしえの人々の暮らし、信仰 | |
第7回 | 水と人々の暮らし:江戸の6上水、新座市域を流れる河川等(柳瀬川、黒目川、野火止用水)から暮らしの中の「水」の ルーツを探り、治水と利水の歴史を通して川と人の共生について考える |
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第8回 | 受講生のフィールドワーク実践の発表① 意見・感想を寄せ合い各自の認識を深める |
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第9回 | 受講生のフィールドワーク実践の発表② 意見・感想を寄せ合い各自の認識を深める | |
第10回 | 受講生のフィールドワーク実践の発表③ 意見・感想を寄せ合い各自の認識を深める 発表のまとめ フィールドワーク実践発表から学ぶこと |
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第11回 | 武蔵野の歴史⑤ 近代国家建設:江戸幕藩体制の終焉と明治新政権の誕生による社会の変化 | |
第12回 | 武蔵野の変容 鉄道敷設、産業構造の変遷にともなう社会の変化と景観の変貌 |
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第13回 | 武蔵野の災害の歴史 災害を視野に据えた観光、コミュニティつくり |
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第14回 | 「むさしの学」の補填、まとめ 小論文の作成 |
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授業の運営方法 | 原則として授業で配布するレジュメとパワーポイントで提示する資料を用いて講義する。配付資料に関してはポータルの「課題提示」にも配信する。 | |
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 1.毎回、ポータルの「課題提出」に、授業の最後に出す小問の解答及び授業感想を提出する。これに対して、 講師はその週のうちにコメントを書くので確認すること 2.第3回でフィールドワーク等の課題を指示、成果をパワーポイント等にまとめ第8回~の授業で発表する |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 0% | 実施しない |
小論文・レポート | 50% | 第8~10回の授業で発表するレポート及び第14回の授業で作成する小論文を3:2の割合で評価する |
授業参加 | 50% | 授業に取り組む姿勢、毎回提出する小論文回答・授業感想を総合的に評価する |
参考文献 | 『新座市史』、『昭島市史』等の近隣自治体史、国木田独歩『武蔵野』、相沢忠洋『岩宿の発見』、井出明『ダークツーリズム 悲しみの記憶を巡る旅』など |
関連ページ | 埼玉県HP、新座市、志木市など埼玉県南部を中心とした県内各市町村のHP、東京都HP、練馬区、武蔵野市、小平市、国分寺市など埼玉県に隣接する都内各自治体HP、東京都水道歴史館はじめ各地の歴史資料館、自然史博物館等のHP |
その他、履修生への注意事項 | 小問の解答及び授業の感想をポータルの「課題提出」に提出したことをもって出席とする。未提出の場合は欠席扱いになるので注意すること |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【観光コミュニティ学部 観光デザイン学科】 カリキュラムマップ【観光コミュニティ学部 コミュニティデザイン学科】 |
実務経験の概要 | 埼玉県公立高校の地域史研究部顧問として生徒とともに高校所在地はじめ県内各地をフィールドワーク 埼玉県比企郡3町村自治体史の編纂事業に調査・執筆担当として参加し県内各地をフィールドワーク 宮城県石巻市のNPO法人の活動支援等を兼ねて宮城県内各地をフィールドワーク |
実務経験と授業科目との関連性 | 埼玉県や東京都、宮城県各地をフィールドワークし地域住民に取材するなどして得た「地域を学び、地域に学ぶ」姿勢や情報を伝える |