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科目名ファッションデザイン
担当者関谷 麻美
開講期2024年度春学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目
「世界のファッション5大都市の流行とスタイル--------パリ・NY・ロンドン・東京・ミラノ」
授業の達成目標
世界の5大ファッション先進国・都市である、「パリ」「ミラノ(イタリア)」「ロンドン」「NY(アメリカ)」「東京」。それぞれ のファッションの歴史と得意分野、そこから生まれた象徴的なデザインと流行、著名なデザイナーや職人、モデル、写真家、ファッシ ョンビジネスの特徴などを説明できる。さらに、それらが登場した時代背景や文化的背景、国・エリアの風土、国民性、5大都市の相 互影響や女性の社会進出などと関連付け、自らの意見・分析・考察・検証などをレポート・小論文で明快に論じられることを目標とす る。現代における世界のファッション業界にとって欠かせない、サステナビリティ(「地球環境への配慮」「社会貢献」など)についての基礎 を理解することも含む。
今年度の授業内容
パリ・ミラノ・ロンドン・NY・東京-------年に2回、大規模なコレクションが開催されるこれらファッション先進5大都市には、それ ぞれ異なるファッションデザインの特徴があり、その都市ならではの伝統やスタイルが存在します。その国の突出した才能が牽引し、 国民性や身体的特徴、風土、経済力、歴史・文化的背景などを反映しながら発展し、さらには国同士が相互に影響を与え合いながら、 あるタイミングをきっかけに世界的流行を生み出してきました。この講座では、縦軸に世界地図、横軸に歴史的な時間の流れを感じと りながら、時代と都市とファッションデザインと流行の関連性を掘り下げます。その内容には、現代のファッション業界において欠か せない「サステナビリティ」に対する基礎知識も含みます。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間についてsnsが発達した現代社会には、無益な情報や確実ではない情報も溢れています。よって、予習よりもまずは授 業にキチンと出席すること。講義中は集中して聞き、考え、理解し、少しでもわからなことがあればその場で メモをして質問すること。講義資料をもとに、自分で興味をもった事柄に関しては自分でさらに深く確実性のある書物やインターネットなどでリサーチ(=復習及び追究の時間を持つ)すること。中間や期末、小課題な どの定期的な提出物以外にも、「自分の興味のある事柄」について書いてみるのも有効です。その際、当方に メールやメッセージでコンタクトしてくだされば、その内容や文章についてアドバイスします。自分だけの復習 やリサーチ時間も大切ですが、前述したように情報過多の現代社会においては、明らかに間違った情報も入っ てきてしまうという難点があります。講義中及びそれ以外でも当方とコミュニケーションしながら客観的な意 見を取り入れ、考え方や表現の方法において着実に力をつけて欲しいと思います。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項
講義で取り上げる著名なデザイン、人物(歴史上の人物、デザイナーなど)や流行/ブームについては雑誌・新聞・信頼のおけるネット 記事等で報じられた内容を収集してください。ただしインターネットの情報には不確実性も潜んでいることも理解すること。
第1回

「イントロダクション----ファッション5大都市とは」
パリ・NY(アメリカ)・ロンドン・東京・ミラノ(イタリア)の紹介と全講義の流れ。 

第2回

「パリ①パリはなぜモードの都になったのか? マリー・アントワネットからオートクチュールの誕生まで」
18世紀の華麗なるフランス宮廷文化の主役、マリー・アントワネットに始まるモードの都の歴史

第3回

「パリ②19世紀末からアールデコ期 現代服の始まりとココ・シャネルの登場」
コルセットから女性を完全に解放し、現代服の基礎を作ったシャネルの革命的デザインと哲学について

第4回

「パリ③20世紀中期 第二次大戦後に花開いたディオールのニュールックとプレタポルテの台頭」
パリにモードの都としての権威を呼び戻したディオールの偉業とシャネルの復活、イヴ・サンローランの登場

第5回

「パリ④1980年代から現在 ケンゾー、アライア、川久保玲、ベルギー勢etc.外国人デザイナーがパリ進出」
外国人デザイナーがその斬新な発想とデザインをパリコレクションで発表、世界に発信する時代が到来

第6回

「NY/アメリカ①19世紀 ブルックスブラザーズの創業と世界最古のファッション誌”ハーパース・バザー”の創刊」
欧州をお手本にしたファッションと、独自のファッションビジネスの基礎ができるまで

第7回

「NY/アメリカ②20世紀 セレブリティが体現する高級モードとストリートのパワー」
女優やファーストレディが広める欧州の高級モードvsベトナム反戦運動が生んだヒッピースタイル

第8回

「ロンドン/英国 サヴィル・ロウからミニスカート、ロイヤルファッションまで」
軍服に始まったバーバリー、ストリートから派生したミニ、ロックや皇室。世相と文化を映し出す流行とスタイル

第9回

第2回目〜8回目までのまとめ及び「現代ファッションとサステナビリティの基礎知識」

小課題の解説及び中間テスト(もしくは中間小論文出題)

第10回

「東京 1920年代から世界の流行をキャッチ! 80年代のボロルックの誕生からカワイイ文化へ」
ディオールもミニも大ヒットした東京。80年代以降は自ら流行を生み出し世界に発信

第11回

「ミラノ/イタリア① パリ&イギリスの下請けから始まった! 素材の国のモード創世記」
プラダ、グッチ、フェンディ、フェラガモ・・・人気ブランドのデザインは戦前の革工房から始まった

第12回

「ミラノ/イタリア② 1990年代 ミラノの3G登場と現代イタリアブランドの社会貢献」
90年代のミラノモード全盛時代と、地元に根付く家族経営を貫くブランド意識&社会貢献(*期末小論文出題)

第13回ゲストスピーカーによる講義(ファッションジャーナリストorファッションPR)
第14回全講義のまとめ・現代ファッションとサスティナビリティの基礎知識その2及び中間テスト&小課題の解説
授業の運営方法
パワーポイントを用いた講義形式
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法第9回目および14回目の講義時に、小課題や中間課題(テストの場合はテスト)の回答や、小論文・小課題の解答例を紹介(匿名)。 テストの回答では、必須で覚えるべき項目やポイント、小論文の場合はどこがよかったか、どこを改善するともっと良くなるか、など を解説します。単に良い成績の小論文や課題だけでなく、良いところがあるのに発揮されていない例も挙げ、学生自身がより深 く自分の個性や長所を理解する方法を伝え、それを学生が自分で探れるように導きます。つまり、学生一人一人が「自分の発想や思考、表現方法のどこに長所があるのか」気付き、その個性と感性を以って徐々に能力を発揮できることを目的とします。また、受講人数によっては、全員の課題の添削やフィードバックを(teamsなどで)行う場合もあります。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
授業参加 30% 積極的な授業態度(集中・発言・質問など)、リアクションペーパーの提出・内容、発表
小論文・レポート 40% 期末小論文、特別講義のレポート
その他 30% 中間小論文or中間テスト
参考文献
WWD Japan」(インファス)
「ザ・ストリートスタイル」高村是集著(グラフィック社)
「モードの物語 パリ・ブランドはいかにして創られたか」ディディエ・グランバック著(文化出版局) 
「ココ・シャネル----20世紀ファッションの創造者」筑摩書房編集部
「mode et mode」(モード・ェ・モード社」

関連ページ
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その他、履修生への注意事項
授業の運営方法について
・今年度の授業方法に則り、講義はすべて対面になり、わたくし自身は教場で講義を行います。
・課題やリアクションペーパーの提出は、teamsもしくはポータルの課題タブから提出を考えております。
 初回〜2回目の講義時に指示します。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【マネジメント学部生活環境マネジメント学科】
実務経験の概要
1987年より「流行通信」、92年より「CREA」、2000年より「ハーパース・バザー」(創刊スタッフ)編集部にて、ファッションエディター/ディレクターを歴任。2006年よりフリーラン ス。パリ、ミラノ等のワールドコレクション取材歴は35年に及ぶ。近年は雑誌だけでなく、ファッション広告のクリエイティブディレクターとしても活動しております。
実務経験と授業科目との関連性
35年以上に及ぶファッション雑誌及びファッション広告業界での実務経験があり、特に一貫して、世界の流行の種=トレンドをまず最初に発信するラグジュアリーブランドのファッションページの企画・制作、ワールドコレクションのレポート執筆、などを手がけていおります。つまり、この講義の主旨であるファッションの「デザイン」「スタイル」「流行」といった領域そのものをメディアから発信し続けていることとなります。当然のことながら、ファッション業界のさまざまな職種の方たちとのネットワークを構築しています。講義を受け、積極的に講師とコミュニケーションすることにより、知識としてのファッションや流行だけでなく、学生自身が将来目指す場所(就職先や仕事の展望)のイメージがより明確に湧いてくることでしょう。