科目名 | 環境倫理学 | |
担当者 | 伊藤 由宣 | |
開講期 | 2024年度秋学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 1年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | 環境倫理学 | |
授業の達成目標 | 気候変動問題や生物の絶滅、森林減少といった問題が、現在の実際の生活にも影響を及ぼしてきている一方で、エシカル(倫理的な)な、サステナブルな商品や考えが身近になっています。本講義の達成目標は、エシカルつまり倫理的な選択をする理由の根底にある環境倫理の基本を理解し自分なりに説明できるようになることです。さらに、講義で学ぶ様々な哲学や倫理を自分なりに消化し日常生活や世界の動向と結び付けて発表したり文章にできることが、より望ましい達成目標です。 | |
今年度の授業内容 | 本講義では、人間と環境(自然、動物)との関係の捉え方に関し、環境倫理の上ではどのような考えが存在してきたか、そしてその変遷について学びます。人間中心主義への反発から出発した環境倫理学について、人間非中心主義、持続可能な発展、環境正義、動物倫理などいくつかの環境倫理とその変遷を学んでいきます。同時に、現代社会の実例に即しエシカルファッションやヴィーガニズムなどの倫理的な選択の事例を参照しつつ自分なりの哲学や倫理学を構築する知識を身に着けるための練習を行います。 | |
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 事前にポータルにあがる講義資料は可能であれば印刷して関連箇所を読み、内容を理解しておく。またその際に疑問点があればわかるようにしておき、講義中に解決できるようにする。メディアなどで関連する実例を見つけておく。授業後は理解を深めるために自分のノートを整理して復習し、自分にとってわかりやすい復習資料を作成する。同じく、メディアなどで関連の実例を見つけ、講義で学んだ哲学や倫理学に沿って読み解いてみる。 | 合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 自分の消費者としての、あるいは市民としての考えを構築できるように自らの生活に関連付けておくと理解が深まりやすいので、自分にとって興味のある事例を日頃からメディアで探しておき、その事例についてどんな哲学や倫理学が存在しているかを考えてみる(例:ヴィーガン食は動物の生きる権利を尊重するという考えが一つある、など)。 | |
第1回 | イントロダクション: 授業の目的・スケジュール説明および環境倫理学、持続可能性(サステナビリティ)などについての基礎知 識の学習 |
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第2回 | 「持続可能性」とは何か(事例:SDGsと 企業のESG) | |
第3回 | 環境問題と世代内の公平 (事例:ファストファッションとエシカルファッション) |
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第4回 | 環境問題と世代内の公平 (事例:フェアトレード) |
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第5回 | 動物倫理 1 動物の解放 |
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第6回 | 動物倫理 2動物の権利 |
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第7回 | 動物倫理 3 (事例:家畜のアニマルウェルフェアとヴィーガン主義) |
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第8回 | 人間中心主義と非人間中心主義自然中心主義 |
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第9回 | 持続可能な社会 1 (ハーマンデイリーの定常経済) |
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第10回 | 持続可能な社会 2 (ドーナツ経済) |
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第11回 | 持続可能な社会 3(事例:森林減少に由来する製品と私たちの日常) |
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第12回 | 持続可能な社会 4(事例:森林減少に由来する製品と私たちの日常) |
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第13回 | 実践:世界の森林破壊に見る社会環境問題に学ぶ |
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第14回 | 環境倫理学の変遷のまとめ(古代ギリシャ時代から現代まで)と試験 |
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授業の運営方法 | 本授業では、担当教員がパワーポイントを講義資料として行います。環境倫理学でのこれまでの様々な考え方の概要と、関連する現代の環境問題の現状と課題について講義します。中間レポートを一回提出、授業最終回には筆記試験を行います。授業内容に関する質問や意見があれば、ポータルのアンケートで提出してください。 |
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課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 提出された期末レポートに対し、担当教員がポータルの課題提出からフィードバックを送ります。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
小論文・レポート | 40% | レポートの内容によって採点評価する |
その他 | 60% | 最終試験の点数(内容)によって評価する |
テキスト | テキストはありません。講義資料がテキストになります。 |
参考文献 | ①ケイト・ラワース『ドーナツ経済』河出書房新社 (2021/7/3) 1,397円(税込) ②ピーター・シンガー『動物の権利』人文書院、改訂版 (2011/5/20)4,840円(税込) ③宮崎正浩・籾井まり(2010)「生物多様性とCSR - 企業・市⺠・政府の協働を考える」信山社4,180円(税別) |
関連ページ | 特になし。 |
その他、履修生への注意事項 | 講義内容に関する質問や意見を歓迎します。状況に応じて授業のビデオを録画し、後日指定のリンクにあげます。授業に参加できなかった受講生は後日視聴してください。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【マネジメント学部生活環境マネジメント学科】 |
実務経験の概要 | 環境問題、特に企業のESG(環境・社会・ガバナンス)対応や持続可能なサプライチェーンの分野なども含めた企業向けコンサルティングファームに所属。森林問題、アニマルウェルフェアなど含め環境経営についてのリサーチ・執筆・コンサルティングの提供などの活動をしている。 |
実務経験と授業科目との関連性 | 持続可能な社会の構築に向けた企業活動は、多くの場合、政府の政策、NGOやシンクタンクの提言などを基盤に進んできているが、それらの政策や提言の根底にあるのが環境倫理学の様々な考え方であり、実務においても主要な考えは反映されている。 |