科目名 | 企業メセナとフィランソロピー | |
担当者 | 嘉藤 笑子 | |
開講期 | 2023年度春学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 3年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | 社会支援とフィランソロピー活動 | |
授業の達成目標 | 文化芸術を支援する社会的構造を明確にし、フィランソロピーという一般市民のなかにも存在する社会の弱者や小規模活動を支えていこうとする心遣いを成長させるための仕組を探求する。フィランソロピーとは、民間が公益のために行うボランティア活動や企業における社会貢献活動を指す。企業による文化支援活動は、わが国ではメセナ活動と呼ばれていて、企業間の文化支援活動をつなぐ組織として『メセナ協議会』(1990設立)が存在する。また、特定非営利活動法(1996-)の設立によって誕生した特定非営利活動組織(NPO)を通じて我が国の文化支援活動は発達してきた。このような組織的活動の具体的な事例を考察するとともに地域社会やコミュニティにおける社会貢献活動にも目を向けていく。本科目を通して、市民社会の文化活動に貢献にする方法を考察する。総合的な人間力を高めていき、将来的に文化活動における専門家およびアートマネージメントを行う人材を目指していく。 | |
今年度の授業内容 | 現代社会の社会貢献活動について芸術文化を中心にしたフィランソロピー活動やNPO活動によって探求する。民間や企業による社会貢献は、国連によるSDGsの政策提言によって、大きな節目を迎えようとしている。企業理念は、国際情勢や環境問題を背景に社会貢献によるポリシーが重要視されるようになった。またアートNPOと呼ばれる文化芸術の社会振興を目的とする文化支援の活動は、創作者と鑑賞者のつなぎ手として中間支援活動として考える。特に文化事業(アートプロジェクト/アートフェスティバル)と地域社会との関係性を重視してきたコミュニティ基盤の活動に着目していく。地域創生や地方活性化といった今日的問題を視野に入れて、社会変化と文化推進のなかで内在する具体的な問題を探究していく。さらにフィランソロピーを発展させるためにグローバル社会に通用する国際感覚や発信力によって、国際社会における国際情勢や社会課題を考察していく。授業の内容や順序等に変更する場合があるので予めご了解いただきたい。 | |
準備学修 予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 日頃から新聞・ニュースなどを通じて社会問題や最新動向について目を触れておくこと。文化芸術に関する専門知識を身に着けていくことも必要となります。専門誌や文献、関連する書籍を通じて一般的な文化動向の概観を掴むこと。また、日ごろから文化芸術に触れる機会や興味を増やしておくことがいいでしょう。 | 合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 現在開催されている美術展や演劇、コンサートなどの公演を鑑賞し、アートイベントやワークショップなどに積極的に参加することで芸術に触れる機会を増やしておくこと。また、コミュニティのなかでボランティアや社会奉仕等に率先して参加し、NPO活動や企業インターンなどを体験することを推奨します。 | |
第1回 | 第 1回芸術文化とフィランソロピー(ガイダンス) | |
第2回 | 第 2回企業の社会貢献:メセナ活動とフィランソロフィー | |
第3回 | 第3回NPOとNGO/独立行政法人と指定管理者制度 | |
第4回 | 第4回国際社会とSDGsを理解する | |
第5回 | 第 5回地域社会とNPO①「地域創生」とは何か | |
第6回 | 第 6回地域社会とNPO②アートプロジェクトの必要性と実態 | |
第7回 | 第7回地域社会における弱者支援I (災害ボランティア) | |
第8回 | 第 8回地域社会と弱者支援II(バリアフリー) | |
第9回 | 第 9回地域社会の文化支援 I(インバウンド政策)アートツーリズム | |
第10回 | 第10回地域社会と文化支援 II (インバウンド政策/アートフェスティバル) | |
第11回 | 第11回地域社会と文化支援 III(インバウンド政策/ 世界遺産・文化財・伝統祭り) | |
第12回 | 第12回グローバル社会と文化支援①(アールブリュット) | |
第13回 | 第13回グローバル社会と文化支援②(世界の文化支援活動) | |
第14回 | 第14回グローバル社会の課題①エコロジー | |
第15回 | 第15回グローバル社会の課題②(難民・紛争・格差) | |
授業の運営方法 | 講義形式で行う。テキストは用いず毎回配布資料を用意する。参考文献については授業内で提示する。授業内でワークショップやディスカッションを行う場合がありますので、積極的な発言や行動を求めます。 | |
課題 試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 授業後にコメントシート(授業に対する感想や意見)の提出。(無記名や記述のないものは無効)。 定期試験(評価基準、評価方法)課題の理解と的確な説明 小論は、課題内容について理解と的確な説明ができているかを評価する。用語解決は、授業内で使用されたものを出題し、出席していれば問題なく答えられる内容。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 35% | 学内評価基準 |
授業参加 | 35% | 学内評価基準 |
その他 | 30% | コメント内容 |
参考文献 | 雑誌「地域創造」一般財団法人地域創造 「メセナNOTE」公益社団法人 企業メセナ協議会 フィランソロピー―企業と人の社会貢献 丸善ライブラリー フィランソロピーのニューフロンティア:社会的インパクト投資の新たな手法と課題 ミネルヴァ書房「アーツ・マネジメント概論」(三訂版)文化とまちづくり叢書 水曜社 |
関連ページ | 公益社団法人 企業メセナ協議会 https://www.mecenat.or.jp/ja/ すみだ向島EXPO https://sumidaexpo.com/ KAB Library and Residency https://kab-air.com/ |
その他、履修生への注意事項 | 授業中の私語を慎み、携帯電話や電子機器の利用を禁止します。遅刻や途中退出はしないようにしてください。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【マネジメント学部 マネジメント学科】 |
実務経験の概要 | 徳島県神山町のアーティスト・イン・レジデンス評価委員(2005-2018) Art Autonomy Network(2005-2019) 向島学会副理事長(2005-現職) すみだ向島EXPO(2020,2021、2022) KAB Library and Residencyの運営(2019-) 「ととのう温泉美術館」愛知県蒲郡市(2023)ゲスト・キュレーター。 など。 |
実務経験と授業科目との関連性 | 地域社会と文化振興について実質的問題や方策を協議していくときに具体例として話題にしていく。 |