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科目名文化政策の国際比較
担当者嘉藤 笑子
開講期2023年度春学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目国際社会における文化政策と国際比較
授業の達成目標グローバル社会の発展とともにアートは国際化しボーダレスな価値観を築いてきた。文化政策は、国際政治と大きくかかわり、各国の政策や政治哲学と密接に関わっている。特に欧米を中心に自由主義国家のなかで発展したきた理念といえるだろう。わが国の芸術文化の発展および振興をめざすためにも、必要不可欠な近代的制度である。本授業を通して各国の文化政策の動向を洞察し、国内外の比較
分析につなげていく。特に世界情勢が常に変化していくことを鑑みて、国際的な視座を含有する文化政策を探求していく。同時に、日本社会の今日的課題に目を向けていくことで、市民社会に文化活動を振興していくための社会構造を考察していく。
今年度の授業内容国際社会における民主主義国家を中心に文化政策を探求していく。特に20世紀のアメリカ、ヨーロッパ(イギリス・フランス・ドイツ)、日本を取り上げ、それぞれの国家のの歴史的背景と文化的状況を比較していく。さらに第二次世界大戦や、冷戦構造、そして東西分断をしていたベルリン壁の崩壊を経て、世界の国家体制が大きな変化し、その体制は政治・経済とともに文化政策にも大きな影響を与えている。そのなかでも文化支援を行う公的機関やNPO,民間組織の存在は、各国ともその構造や規模、運営方法が異なる。さらに各国の経済・文化振興を図るために取り入れられた文化施設の設立、万国博覧会やオリンピックといった大型イベント、その流れで登場してきた地域プロジェクトや国内芸術祭などによる文化交流事業を検証する。日々刻々と変化していく世界の状況をグローバルな視点で見つめていき国際社会の一員として文化支援の在り方をを、各国の具体的な事例から考察していく。授業の内容や順序等に変更がある場合は予めご了解いただきたい。
準備学修 予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について各国それぞれの文化政策を学ぶことになるため、国ごと(アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・日本)の政治・経済の特徴や歴史、地理、観光、産業など、その国を好きになることで情報が身につくと考える。各国の情報を事前に学んでおくと良い。各回のレジュメや参考書類はファイルにしておき、自分で調べた資料などを追加していけるようにするしよう。学習時間は、予習・復習ともに各自で考えて進めてください。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項日頃から新聞・ニュースなどを通じて国際政治や動向について目を触れておくこと。文化芸術に関する専門知識や世界史や歴史的考察を身に着けていくことも必要となります。専門誌や文献、関連する書籍を通じて世界の文化動向の概観を掴むこと。また、日ごろから文化芸術に触れる機会や興味を増やしておくことがいいでしょう。
 第1回第1回文化政策と国際比較(ガイダンス)
 第2回第 2回20世紀のアメリカ①近代国家への道
 第3回第 3回20世紀のアメリカ②資本主義の発展
 第4回第 4回20世紀のアメリカ③第二次世界大戦以後の文化戦略
 第5回第 5回20世紀のアメリカ④冷戦時代の文化政策(マッカーシズム、宇宙開発ほか)
 第6回第 6回20世紀のヨーロッパ:イギリス① ミュージアム大国(博物館や万国博覧会の始まり)
 第7回第 7回20世紀のヨーロッパ:イギリス② アーツカウンシル
 第8回第 8回20世紀のヨーロッパ:ドイツ①ナチズムの影響(オリンピック、戦争という負の遺産)
 第9回第 9回20世紀のヨーロッパ:ドイツ② 戦後復興(ドクメンタ・ミュンスター彫刻プロジェクト)
 第10回第10回20世紀のヨーロッパ:フランス①国家主導型文化支援「文化財保護」ユネスコ・世界遺産など
 第11回第11回20世紀のヨーロッパ:フランス②地方行政へのシフト「文化の家」
 第12回第12回日本の文化政策①近代国家への道、世界と日本をつなぐ文化政策
 第13回第13回日本の文化政策③地域社会と文化振興「ソーシャル・インクルージョン」
 第14回第14回世界の文化予算の国際比較
 第15回第15回世界における文化支援のための思想や哲学、その影響を考える
授業の運営方法講義形式で行う。テキストは用いず毎回配布資料を用意する。参考文献については授業内で提示する。オンラインで授業を行う場合がありますので、パワーポイントが閲覧できる状態であること。
課題 試験やレポート等に対するフィードバックの方法各回ごとに授業後のコメントシートを回収します。オンラインの場合は、Teamsからフォームに書いて提出してください。
授業内にレポート課題がでますが、内容や提出方法は授業内で詳しく説明する。基本はTeamsにて提出しポータルによる提出は受け付けない。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
小論文・レポート 35% 学内評価基準
定期試験 35% 学内評価基準
授業参加 30% 学内評価基準
テキスト 授業内で参考資料を配布す場合と参考書籍を発表していく。
参考文献 「文化政策入門」丸善ライブラリー
「文化政策学」後藤和子 有斐閣コンパクト
「地域主権の国 ドイツの文化政策」藤野一夫・秋野有紀 美学出版
その他、履修生への注意事項 授業中の私語を慎み、携帯電話の利用を禁止します。遅刻や途中退席はしないようにしてください。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【マネジメント学部 マネジメント学科】
実務経験の概要 文化芸術の振興をはかるために墨田区においてNPO組織に所属して地域の文化振興に貢献している。
KAB Library and Residency(2019-) https://kab-air.com/ 
向島学会副理事長(2005-現職) https://www.mukojima.org/  
すみだ向島EXPO実行委会 https://sumidaexpo.com/ 
直近では『ととのう温泉美術館』https://miyaonsen.com/ 愛知県蒲郡市のアートフェスティバルにゲストキュレーターとして参加している。
徳島県神山町のアーティスト・イン・レジデンス評価委員(2005-2018)
Art Autonomy Network(2005-2019)



実務経験と授業科目との関連性 上記の実務経験では国際文化事業の実際を複数含んでいます。現代社会における国際文化事業を知る上でも貴重な情報となるため最新動向を取り入れてください。講師の実務経験に目を向けて、より敏感に国際文化事業の実践を身に着ける機会となると考えます。