[戻る]
科目名アーツマネジメント
担当者横堀 応彦
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目現代社会における芸術と文化施設の役割を考える
授業の達成目標2024年現在、日本国内には多様な芸術文化(音楽,演劇,舞踊,映画,アニメーション,マンガ等:文化庁ホームページより)が溢れているが、コロナ禍においてみられたように、芸術文化と公的支援の関係についてはいまだに様々な議論(例えば、税金でアートを支援する必要はあるのか?というような問題)がある。
このような時代背景に基づき、本授業では芸術文化と公的支援の関係を議論の手掛かりとしながら、(社会の中で)アート(を)マネジメント(する方法、およびその背景にある考え方)について理解を深める。半期の講義を通して、受講生は現代社会における芸術と文化施設の役割について自分自身の言葉で意見を述べられるようになることを目標とする。
今年度の授業内容担当教員は劇場・フェスティバルでの勤務経験があり、演劇・音楽・オペラのプロデュース・企画制作を専門としています。そのため、芸術文化の中でも、特に劇場・音楽堂と呼ばれる文化施設を主な内容に取り上げ、現代社会における芸術と文化施設の役割を中心に、アーツマネジメントおよびその周辺の諸問題について講義します。
前半の授業ではアートをめぐる最近の状況を確認した後、文化施設をめぐる状況が時代を経てどのように変化しているかについて講義します。その後、文化施設の外で行われているフェスティバルやアートプロジェクトの動き、海外におけるアーツマネジメントの状況、近年の働き方改革がアート関係者にもたらす影響などについて講義し、海外と日本における芸術創造環境の違いやアートをめぐる最新の問題について考えます。
なお、以下に記載した授業スケジュールはあくまで予定なので、この通りに進むとは限りません。受講生からの内容に関するリクエストも可能な範囲で取り入れていく予定です。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について事前に講義資料に目を通し、気になったことや疑問点を準備しておくこと。講義終了後は、講義内で紹介した内容について各自リサーチを行うこと。
合計60時間
自習に関する一般的な指示事項授業外の時間を使って、実際に行われているアートイベントを鑑賞する(チケット代3000円~目安)。配付資料を予め読み、内容および疑問点をまとめた上で授業に臨むことが求められる。授業時間外の課題が比較的多く課されるので履修にあたっては留意すること
第1回イントロダクション(授業の進め方、達成目標、評価方法の説明)
第2回アートをめぐる最近の状況1
第3回1980年代(ホール建設ラッシュの時代)
第4回1990年代(芸術文化振興基金と芸術監督制度)
第5回2000年代(文化芸術振興基本法と指定管理者制度)
第6回2010年代(劇場法とアーツカウンシル)
第7回授業内レポート(中間)及び解説
第8回ドイツの劇場制度1
第9回ドイツの劇場制度2
第10回アーツマネジメントと働き方改革1
第11回アーツマネジメントと働き方改革2
第12回表現の現場におけるハラスメント問題
第13回アートをめぐる最近の状況2
第14回授業内レポート(期末)及び解説
授業の運営方法講義形式。各回の授業でペアワークを行う。中間および期末に授業内レポートを実施する。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法提出されたリアクションペーパーを次週の授業で紹介し、教員がコメントする。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% 実施しない
小論文・レポート 60% 授業内レポートの内容
授業参加 40% リアクションペーパーおよび授業内に指示する提出物
テキスト 特に指定しない。毎回プリントを配布する。
参考文献 平田オリザ『新しい広場をつくる 市民芸術概論綱要』(岩波書店、2013年) 2000円+税
米屋尚子『【改訂新版】演劇は仕事になるのか?: 演劇の経済的側面とその未来』(アルファベータブックス、2016年) 2500円+税
小崎哲哉『現代アートを殺さないために ソフトな恐怖政治と表現の自由』(河出書房新社、2020年) 2700円+税
その他、受講生の興味・関心に応じて随時授業中に紹介する。
その他、履修生への注意事項 授業内に指示する提出物には実際にアートイベントを鑑賞することが必要となるものが含まれ、そのチケット代(3000円~目安)は自己負担となる。毎週の授業で予習・復習(決して少なくない分量の文献を読む等)が課されるので、履修にあたっては注意すること。履修者の関心に応じてゲストスピーカーを招いた講義を実施する場合があります。
同一教員が担当する「舞台芸術産業論」(春学期開講)は本講義の姉妹編となるので、芸術文化の中でも特に舞台芸術の創作環境に関心のある学生は併せて履修することを薦める。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【マネジメント学部 マネジメント学科】