[戻る]
科目名社会政策
担当者禿 あや美
開講期2023年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目持続可能な社会のありかたを考える
授業の達成目標生活の質を高めるために必要な雇用・労働にかかわる政策を理解することを目標とします。
私たちの社会は自己責任だけで成り立つわけでも、政府や行政からの支援からだけで成り立つわけでもありません。さまざまな制度が複雑に入り組む現代の社会において、私たちの暮らしを守り・向上させるには、広い視野と知識が必要です。
こうした知識は短期的には就職活動をする場合の参考となる知識となります。長期的には、社会でキャリアを重ねたり、家族を持ったり、病気やけがをしたりと、困ったときに参考になる知識になります。
そのような知識を得て、現代社会の抱える課題を認識し、今後必要な政策は何かを理解し、判断できる力を身に着けることが、講義の達成目標です。
今年度の授業内容社会政策とは、私たちの「仕事」と「暮らし」を向上させるための政策のことです。
よい仕事やよい生活とは、なんでしょうか。
お金さえあればよいのでしょうか。
そうではありません。
長時間労働が高じて過労死するのはよい仕事とは言えません。
女性ばかりが低賃金のパートタイマーになるのも、良い仕事や良い社会とは言えません。
正社員が、頻繁な転勤や長時間労働に耐えないと続けられないのは、よいこととは言えません。
ちゃんと働いているのに低い賃金しかもらえないのは良いことではありません。
大学生が、学業に支障があるくらいにアルバイトでこき使われる(ブラック・バイト)社会は、良い社会とはいえません。
しかし、多くの学生は、そうした状況を仕方のないことだと思い、もし自分が大変な目にあったとしてもそれは自己責任であり、
その会社を辞めるか泣き寝入りするかしか考えていません。それは誤りです。
労働関連の法規制や、それを取り締まる機関や労働者と使用者の話し合いを支援する仕組み(労組等)を組み合わせることで、最善の社会になるようにすることが必要です。
この授業では、テーマに沿いながら「一般的な認識」と「現実」と「課題」を分けて講義することによって、女性が活躍できる社会として必要な政策や制度の概要や問題点、今後どうすべきなのかについて講義します。
準備学修 予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について授業中に紹介する文献や記事、論文、サイトなどを必ず確認し、自分の視野を広げること。専門用語が多く正しく理解する必要があるため、復習は必須です。また授業中に2つほど視野を広げるための簡単な質問を学生にして、それに対する意見を記入して提出してもらいます。その意見を集約したファイルを、翌週の授業で全員に公開します。このような意見の交換は同じ授業を受けている学生でも違う意見や視野を持っていることがわかり、授業理解がより深まるものです。積極的に意見を記入すること、そしてそのファイルについては授業中にも紹介しますが、各自参照するようにしてください。自習にかかる時間は毎回1時間程度です。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項時事問題を取り上げるため、論文を読んだり、新聞を読んだりするなど、社会に常に関心を持つことが求められる。
また講義中に示す文献を読んでから授業に参加し、グループワークやディスカッション等に参加することが求められる。
 第1回イントロダクション 授業の進め方や文献の指示
 第2回社会政策研究における国家の類型(日本が今後目指す政策の方向性の理解;北欧の女性の活躍をサポートする福祉国家をどのようにしたら実現できるか)
 第3回テーマ1 正社員の働き方:歴史・理論からみる正社員の特徴と人的資源管理
 第4回テーマ1 正社員の働き方 :新卒採用と初任給水準の現状と課題、賃金制度改革について
 第5回テーマ1 正社員の働き方 :労働時間
 第6回テーマ1 正社員の働き方:社会を支える仕組みとしての労使関係
 第7回テーマ2 非正社員の働き方:特徴
 第8回テーマ2 非正社員の働き方 :仕事内容と賃金水準の比較 ワークシートの作成とグループディスカッション(予定)
 第9回テーマ2 非正社員の働き方 :格差是正の事例分析(ワークシートの作成とグループディスカッションの予定)
 第10回テーマ1とテーマ2のまとめ、大事な点の復習
 第11回テーマ3 各論:若者の就職とキャリア形成、ひきこもり問題
 第12回テーマ3 各論:労働者をまもる政策や制度:最低賃金制度と社会保険制度
 第13回テーマ3 労働におけるジェンダー平等
 第14回テーマ3 各論:自営業とフリーランス、中小企業
 第15回まとめ
授業の運営方法対面授業のみで行います。TEAMSを利用する際も、リアルタイムでの受講を基本としてください。念のため録画はしますが、あくまでも補助的なものと位置付けてください。
MicrosoftTEAMSで毎回の小テストをおこないます。授業時間中に課題を提示し、その場で回答・提出します。なお回答期限はその当日中になる予定です。
グループディスカッションを行う予定です。グループディスカッションは授業前半で教員の説明をもとにシートを作成します。ディスカッションはそのシートを見ながら行うので、
沈黙が怖いといったようなことがないようにします。グループも教員がランダムに指定します。
授業録画の配信は行いません。対面授業に欠席できない場合は、そのまま欠席となります。
出欠状況の登録は授業中にポータルで行います。
課題 試験やレポート等に対するフィードバックの方法課題はすべてMicrosoftTEAMS上で提出し、小テストは返却します。それとは別に、次回の授業で小テストの回答や学生からのコメントを取り上げ、授業と関わらせながら補足説明を加えます。また授業での学生のコメントはファイルにまとめ、TEAMS上にアップロードします。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% 実施しない
小論文・レポート 40% 1回のレポートの提出を求めます
授業参加 0% なし
その他 60% 基本的には毎回、小テストを行います。1回あたり4点程度の積み上げ式(4点×15回分=60)
テキスト 櫻井純理編著(2021)『どうする日本の労働政策』ミネルヴァ書房
参考文献 大沢 真理 『いまこそ考えたい 生活保障のしくみ 』(岩波ブックレット)2010/09/07
井手 英策、 松沢 裕作 編著『 分断社会・日本——なぜ私たちは引き裂かれるのか 』(岩波ブックレット)2016/6/4
本田 由紀 『社会を結びなおす——教育・仕事・家族の連携へ 』(岩波ブックレット) 2014/6/5
佐口和郎『雇用システム論』有斐閣、2018/11/10
関連ページ なし
その他、履修生への注意事項 授業は3分の2以上出席しないと、最終レポートを提出しても成績評価対象にはなりません。さらに、成績評価そのものは、相対評価です。学生便覧をよく読んでおいてください。
MicrosoftTEAMsも使用するため、必ず登録をしてください。登録については授業開始までにポータルでお知らせし、授業中にも説明します。
また、授業受講中の、内容に関する質問、運営方法等に関する要望や苦情等は、ポータルのQ&A機能を用いて問い合わせるようにしてください。メールは行き違いが発生するかもしれず、TEAMSのメッセージは気づかないことがあるので、用いませんから注意してください。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【マネジメント学部 マネジメント学科】