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科目名エコビジネス論
担当者宮崎 智子
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次3年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目本講義では、さまざまな地球環境問題の原因と現在の状況を整理し、問題解決に向けた世界の動向と企業の対応について学ぶことを通じて、エコビジネスを体系的に理解していきます。
授業の達成目標①カーボンニュートラルや生物多様性など、サステナビリティで使われる言葉の意味を理解し、説明できるようになる。
②地球環境問題とは何か、環境問題の理由は何か、SDGs(持続可能な開発目標)、パリ協定(脱炭素)、ESG投資など環境問題解決に向けた国際的な 
 動向について基礎的な会話ができるようになる。
③地球環境問題と企業の事業活動の関連性を理解し、説明できるようになる。
④地球環境問題に対する自らの考えを述べられるようになる。

上記①‐④を通じて、将来、社会や企業で活躍できる人材の礎を形成することを目指す。
今年度の授業内容私たちが暮らす地球は、さまざまな環境問題を抱えています。地球環境問題の解決は、社会、そして企業が持続的に発展していくための重要な課題です。
本講義では、環境問題の現状と背景、そして環境問題を解決し、サステナブルな世界を実現するための国際的な動向や企業の取り組みを系統だてて説明していきます。地球環境問題に関する体系的な学びを通じて、将来の職業選択や企業での就業で役立つ知識を習得していきたいと考えています。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について事前にポータル提出の資料を読み、疑問点をあらかじめ整理しておいてください。講義終了後は、講義ノートを見直して自分なりにまとめなおして、理解度を深めて下さい。予習・復習の目安は各1時間程度です。疑問点や深堀したい点がありましたら、授業内のみならずQ&Aなど聞きやすい方法で質問してください。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項講義内で地球環境問題に対する行政の対応や企業の取り組み事例を紹介します。興味のある企業の取り組み事例をHPなどで確認して理解度を深めて下さい。
第1回ガイダンス
講義の内容・進め方と、なぜサステナビリティ(エコビジネス)を学ぶ必要があるのか、そして今後需要が増していくと言われているサステナビリティ人材像について説明します。また評価方法についても説明します。
第2回サステナビリティを巡る動き
地球環境問題はいつから論じられているのか。問題を解決するために国際社会はどのような取り組みを行ってきたのか時系列に沿って説明します。
第3回SDGsとパリ協定
「SDGs」、「パリ協定」とは何か、採択の背景も踏まえ学んでいきます。SDGsやパリ協定が目指す世界を理解するために、SDGsの17ゴールと照らし合わせながら、さまざまな地球環境問題の現状と解決のために何が必要なのかを確認していきます。
第4回企業のサステナビリティ経営
サステナビリティ経営とは、どのような経営を指すのか。なぜ、企業がサステナビリティ経営に取り組む必要があるのか、サステナビリティを推進するために取り組まねばならない課題は何か、企業はどのようにサステナビリティ経営を進めているかについて説明します。
第5回ESG投資と企業評価
E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)に係るESG投資とは何か、なぜESG投資が注目されるのか、投資家はどのようにESG投資をおこなっているのかを確認した上で、企業ESG投資に対する組みをについて説明します。
第6回小括&ミニテスト
2回ー5回までの内容について、抑えておきたいポイントを振り返り、次回以降の各講義の内容との関係を明らかにします。また、これまでの内容の理解度を確認するための、ミニテストを実施します。
第7回ケーススタディ①気候変動(脱炭素)&ミニテスト回答
地球温暖化問題の状況を概観した上で、世界や日本の地球温暖化問題への取り組みを確認します。その上で、企業のカーボンニュートラルに向けた取り組み事例を紹介します。また、講義冒頭で、ミニテストの回答の説明を行います。
第8回ケーススタディ②海洋環境問題
海洋プラスチックごみ問題を含む海洋環境問題とは何か、さまざまな海洋環境問題解決に向けた国際動向を確認した上で、問題解決に向けた企業の取り組み事例を紹介します。
第9回ケーススタディ③サーキュラーエコノミー(循環型経済
サーキュラーエコノミーとは何か、3R(Reduce, Reuse, Recycle)との違いは何かなど、サーキュラーエコノミーの定義を説明します。また、なぜサーキュラーエコノミーが必要なのかを説明します。その上で、企業のサーキュラーエコノミー取り組み事例確認し、企業や個人が出来ることは何かを考えていきます。
第10回ケーススタディ④生物多様性
生物多様性が私たちの生活や経済活動にとっての重要性を説明した上で、生物多様性が直面している課題を確認します。次に、生物多様性の危機的状況を改善するための世界の動向を整理し、改善に向けた企業の取り組み事例を紹介します。
第11回ケーススタディ⑤ビジネスと人権
環境問題を考える上で配慮が不可欠な「人権」とは何か、環境と人権はどのように関係しているのか、を確認します。次に、近年、重要性が高まっている企業による人権尊重の基本原則を示した「ビジネスと人権」の内容について説明します。その上で、企業の人権に対する取り組み事例を紹介します。
第12回ケーススタディ⑥サプライチェーンマネジメント
経済活動のグローバル化に伴い、企業は持続可能なサプライチェーンの構築に加え、サプライチェーン上の社会課題・環境課題解決に対応する必要があります。サプライチェーンとは何か、またどのような課題があるのかについて整理し、サプライチェーンマネジメントの重要性を確認します。その上で、企業がサプライチェーン上の課題に対し、どのような取り組みをしているのか事例を紹介します。
第13回企業のサステナビリティ情報開示&ミニテスト
ESG投資の拡大に伴い、E(環境)S(社会)G(ガバナンス)への方針・目標・体制などのサステナビリティ経営に関する企業の情報開示の重要性が高まっています。サステナビリティ情報とは何か、なぜ開示の重要性が増したのか、サステナビリティ情報開示を巡る動向について確認し、高い評価を受けている企業のサステナビリティ情報の開示事例を見ていきます。また、内容の理解度を確認するための、ミニテストを実施します。
第14回第15回:統括~企業のエコビジネス~&ミニテスト回答
本講でみてきたさまざまな環境問題に対する世界の動向、そして企業の環境問題への取り組みを振り返ります。その上で、多様な主体による環境問題へのアプローチの可能性について考えていきます。また、授業冒頭で、ミニテストの回答の説明を行います。
授業の運営方法毎回の講義の終わりに内容の振り返りを行った上で質問有無を伺います。質問については、ポータルのQ&Aでも受けつけます。ポータルに届いた質問は、原則、質問者の名前はださずに講義時に回答します。活発な質問を期待します。講義の資料はポータルの「授業資料管理」に講義3 日前までにアップロードしますので、ダウンロードしてください。出席確認は、スマートフォンでの登録をベースに行います。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法ミニテスト実施後(6回・13回)、次回の講義(7回・14回)にて回答の解説と講評を行います。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% 実施しません
小論文・レポート 30% ミニテストで環境課題認識と課題に対する自身の意見の記述問題を出します。
授業参加 40% 積極的・協力的な授業態度によって評価します。
その他 30% ミニテストで講義の理解度を確認します。
テキスト 講義は、パワーポイントを用いて行います。
テキストは使用しません。
参考文献 「ESG思考 激変資本主義1990-2020、経営者も投資家もここまで変わった」夫馬賢治 (講談社+α新書) 
その他、履修生への注意事項 環境問題への取り組みは日々進化しています。日頃からニュースなどで最新の情報を確認するよう心掛けて下さい。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【マネジメント学部 マネジメント学科】
カリキュラムマップ【マネジメント学部生活環境マネジメント学科】
実務経験の概要 三井物産株式会社(1986年~2022年)
中部支社のCSR立ち上げ、トヨタ自動車完成車のカナダ及びチリ・ペルー・ボリビア向け輸送業務などに従事した後、環境・社会貢献部(サステナビリティ経営推進部に変更)に異動し、ESG評価機関対応、サステナビリティレポート作成、NGOとの協働による環境保全プロジェクトの立ち上げ、社会貢献活動、社員への意識浸透などを担当。
一般社団法人バードライフ・インターナショナル東京(2023年~)
国際環境NGOのバードライフ・インターナショナル東京(本部:英国ケンブリッジ)事務局長に就任。世界各国の環境保全活動や生物多様性評価などに従事。
実務経験と授業科目との関連性 サステナビリティ経営について、企業でさまざまな業務を担当してきました。また環境経営学会にて企業のサステナビリティを研究しています。
学術面の知識と実務経験双方の観点から、企業での実務にも役立つ講義にしていきたいと考えています。