科目名 | 環境経営学入門 | |
担当者 | 伊藤 由宣 | |
開講期 | 2024年度秋学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 1年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | ●この授業の基本テーマは、社会と企業の持続可能な発展(サステナビリティ)をめざした、環境経営やSDGs, ESG投資などを含む CSR(企業の社会的責任)経営である。 ●具体的な授業内容は以下のとおり。 世界のCSRの潮流、日本型CSRの特徴、CSRの実践領域(ガバナンス、人権、労働、環境、事業慣行、消費者課題、コミュニティ参画)、CSR経営の情報開示とコミョニケーション、CSR経営の評価、CSV(共有価値の創造)。 ●なお、CSRは「企業の社会対応力」とも言われる。 |
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授業の達成目標 | ●グローバルに企業の事業展開が広がる中で、持続可能な環境と社会の実現に向けて、企業は本業でどのようなCSR経営を実践すべきかを理解し、自らの言葉で説明できる。 ●また、企業の「環境・CSR報告書」を自らの視点で評価できる。 ●結果として、ブラック企業や企業不祥事が絶えない中、社会的責任の視点から企業を評価できる「確かな眼」を持つことができる。 |
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今年度の授業内容 | ●現代企業の事業活動は国内だけでなくグローバルに拡大し、環境や社会に様々な影響を及ぼす反面、それを解決できるキープイヤーでもある。 ●CSR経営が最終的に目指すものは、環境・社会と企業の持続可能性の同時達成である。そこで環境問題や社会的課題の解決し、企業価値創造を企業経営の視点で考える。 ●CSRの国際規格ISO26000(2010年発行)に基づき、様々な企業事例(良い例と悪い例)を交えて授業を行う。 ●留意点は以下の2点である。①CSRとは本業における実践であり、単なる社会貢献ではない。②「知識」よりも「考え方」を問う。 |
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準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | ●授業において予習・復習は特に求めないが、内容に関する事前調査や興味を持ったトピックについて理解を深めるための事後学習は推奨する。 | 合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | ●新聞・テレビ・インターネット等で、以下の事項について情報収集を行う。●企業不祥事、人権・労働問題(長時間労働)、消費者問題、環境汚染、気候変動(地球温暖化)、生物多様性、関心ある企業の環境・CSR報告書等。●サステナ経営検定3級(サステナブル経営/CSR検定3級)の受験についても考える(詳細は授業で説明する)。就活にも効果的である。 | |
第1回 | イントロダクション(授業の進め方):ドラッカー著『マネジメント』を踏まえ、CSRの全体像と世界的潮流 | |
第2回 | 日本におけるCSR60年の歴史:日本型CSRの形成とこれからの課題・展望 | |
第3回 | ISO26000(社会的責任のガイダンス):概要と狙い、CSRの7つの実践領域 | |
第4回 | 経営の誠実さ:ステークホルダー、企業倫理、コンプライアンス、説明責任 | |
第5回 | コーポレート・ガバナンス:CSRにかかわる経営の意思決定、企業不祥事はなぜ起きる | |
第6回 | 人権:日本と世界の人権意識の乖離、人権尊重の内容と自己評価 | |
第7回 | 労働:雇用、機会均等、ワークライフバランス、労働安全衛生、人材育成 | |
第8回 | 環境:環境問題の全体像、環境マネジメントシステム(PDCA)、戦略的環境経営 | |
第9回 | 事業慣行:顧客・取引先への倫理的な行動、汚職防止、公正な競争 | |
第10回 | 消費者課題:正確な情報提供、公正な契約・苦情解決、商品の安全安心 | |
第11回 | コミュニティ参画:地域社会の課題、対話、コミュニティ投資 | |
第12回 | サプライチェーンのCSR:サプライヤーへのCSR教育、海外展開のCSRリスク CSR経営の評価:環境・CSR報告書、SRI(社会的責任投資)の評価基準 |
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第13回 | 統合報告書とCSV:財務・非財務情報の融合、ビジネスとしてみたCSV概念と企業事例 | |
第14回 | 全体の総括(授業内での到達度確認) |
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授業の運営方法 | ●基本的に講義形式であるが、双方向コミュニケーションと受講者の理解を深めるために受講者の意見・感想を随時たずねることがある。 ●テキスト『CSR検定3級公式テキスト』を基本とし、毎回、講師作成の講義レジュメを配布する。必要に応じ新聞・雑誌などの教材を用いる。 ●なお、各受講者に特定企業の統合(環境・CSR)報告書を割り当て、「課題レポート」の提出を義務付ける(評価対象で合格要件)。 |
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課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | ●受講者の理解を深めるために課題の中で簡単な意見や感想を都度求め、必要に応じて個別にフィードバックを行う。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 0% | 実施しない |
小論文・レポート | 60% | ●特定企業のCSR報告書に関する「課題レポート」提出 ●授業内の期末論述試験(持込可) |
授業参加 | 30% | ●上記「授業の運営方法」の「課題レポート」の提出(合格要件) |
その他 | 10% | ●「ミニ感想文」(コミュニケーション・ペーパー)の提出 |
テキスト | サステナ経営検定3級 公式テキスト(2024年版 第1版)価格:2,200円(税込)判型:A5判 総ページ数:112頁 発売日:2023年11月22日 ISBN-13: 978-4-9911878-5-8 |
参考文献 | 毎回レジュメを配布するので、特定の参考文献はない。 |
関連ページ | 特になし。 |
その他、履修生への注意事項 | ●講師の海外を含む企業勤務や企業評価の経験を交えて講義する。 ●事情があり欠席する場合には、事前相談に応じる。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【マネジメント学部 マネジメント学科】 カリキュラムマップ【マネジメント学部生活環境マネジメント学科】 |
実務経験の概要 | 環境経営学会理事、監査法人リスクアドバイザリー部門所属、ビジネス・ITコンサルタント、キャリアコンサルタント |
実務経験と授業科目との関連性 | 企業向けコンサルティング業務の実績に基づき体系的かつ実践的な解説を行う。 |