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科目名教育原理
担当者鈴木 芳明
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次1年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目教育の意義、目的、内容、方法、歴史について学び、理解を深める。
授業の達成目標(1)教育の意義や目的、内容について学び、教育の基本的概念を理解し、説明することができる。
(2)日本や世界の代表的な教育家の思想や理念並びに教育の歴史を学ぶことによって、
   教育学の基礎的な内容について理解を深め、説明することができる。
(3)近・現代の教育制度がどのようにして成立し発展してきたかについて理解し、説明することができる。
(4)教育の方法と現代の教育問題や教育課題、教育改革の流れについて理解し、説明することができる。
今年度の授業内容「教育とは何か」「人間とはどうあるべきか」という視点を通して、教育についての基礎的な理念や概念を学ぶことをねらいとしている。そのためには、日本や諸外国における教育の思想や歴史を学び、近・現代の教育制度がどのようにして成立・発展して来たかといった教育学の基礎的な内容を身につけ、そして、それらが現代の教育的課題とどのように関連性があるかについて考察していく。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について(1)日本や世界の代表的な教育者の理念、思想、業績などを調べ学習する。
(2)日本や世界の教育史を調べ学習する。
(3)近・現代の教育制度について調べ学習する。
合計60時間
自習に関する一般的な指示事項日本や世界の代表的な教育家の思想や理念、教育の歴史について調べる。
第1回オリエンテーション:定期試験や評価、授業運営についての説明。教育の目的と意義。教育の語義。学校教育の目的。
世界の代表的な教育思想と理念:①「コメニウス」の教育理論と教育的業績。
第2回世界の代表的な教育思想と理念:②ルソーの教育理論と教育的業績。18世紀フランスの教育制度。
ルソーが世界に与えた影響。
第3回世界の代表的な教育思想と理念:③「ペスタロッチーの」の教育理論と教育的業績。
「直観教授」から「基礎陶冶の理念」へ。フレーベルやヘルバルトへの影響。
第4回世界の代表的な教育思想と理念:④「ロック」の教育理論と教育的業績。
イギリス経験論・経験主義。白紙説(タブラ・ラサ)、紳士教育、立憲君主政治理論。
第5回世界の代表的な教育思想と理念:⑤「デューイ」の教育理論と教育的業績。
新教育運動の中心人物、経験論・実験主義、問題解決学習、プラグマティズム(実用主義)。
第6回世界の代表的な教育思想と理念:⑥「フレーベル」の教育理論と教育的業績。18世紀のドイツの教育制度。
「幼稚園の父」「幼児教育の祖」、世界で最初の幼稚園(キンダーガルテン)創設者。
第7回世界の代表的な教育思想と理念:⑦「ヘルバルト」の教育理論と教育的業績。教育学の体系化。四段階教授法。

第8回世界の代表的な教育思想と理念:⑧「モンテッソーリ」知的障がい児教育、子どもの家、感覚教育。
⑨「エレン・ケイ」平和主義者、 第二のルソー、 児童中心主義運動、「20世紀は児童の世紀である」
第9回日本の代表的な教育教育思想と理念:①「貝原益軒」随年教法(教育課程論)、『和俗童子訓』『養生訓』、
江戸時代の教育制度。②「 福沢諭吉」啓蒙思想家、慶応義塾の創設者、『学問のすすめ』
第10回日本の代表的な教育教育思想と理念:③「森有礼」初代文部大臣、日本の近代的学校制度の基礎を創設。
学校令(諸学校令)制定、国家主義的教育観・「国体教育主義」、明六社。
第11回日本の代表的な教育教育思想と理念:④「倉橋惣三」児童中心主義に基づく進歩的保育の提唱、
大正・昭和期の幼児教育の研究実践家。⑤「城戸幡太郎」「社会中心主義」の保育を主張。
第12回教育の方法(1)①古典的な教育方法(ソクラテスの産婆術)②一斉授業の成立  ③新教育運動と教育方法(20世紀の教育方法)デューイ「子ども中心主義」。フランクリン・ボビット「教育課程」。「単元学習」キルパトリック「プロジェクト・メソッド」、ヘレン・パーカーストの「ドルトン・プラン」、ブルーム「完全習得学習」、オコン「教授過程論」
第13回教育の方法(2)①スキナーの「プログラム学習の理論」② ブルーナーの「発見学習 」
③オーズベルの「有意味受容学習 」
第14回「日本の教育史(1)」1.学制発布以前(江戸時代における教育)、2.近代教育制度の創始とその確立・整備 (明治 5 年頃〜大正 5 年頃)、3.教育制度の拡充(大正 6 年頃〜昭和 11 年頃)、 4.国民学校と戦時下の教育(昭和12 年頃〜20 年頃)
「日本の教育史(2)」5.戦後教育の再建(昭和20 年頃~27年頃)6.戦後教育政策からの転換(昭和27 年頃~33 年頃)7.教育の量的拡大(昭和34 年頃~40 年代中頃)8.教育の質の改善(昭和 40 年代中頃~ 50 年代前半)9.従来の教育路線の見直し(昭和 50 年代後半~平成 10 年頃)10.新たな展開(平成 10 年頃以降)11.令和の日本型学校教育
授業の運営方法パワーポイントの資料等を使って授業を行う。毎回、その授業のテーマに沿った課題を出すので、その回答を作成して課題管理に提出する。
グループ学習をした場合は、そのディスカッションの内容をまとめて、課題管理に提出する。
そのため毎回の授業には、ノートパソコンを持参すること。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法毎回提出された課題に対して、コメントと評価をつけて返信する。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% 実施せず。
小論文・レポート 90% 毎回課題を提出し、それを総合的に評価する。
授業参加 10% 課題に対する取り組み、関心・意欲・態度を評価する。
その他 0% 評価せず。
テキスト テキストは毎回こちらで用意する。
参考文献 ・汐見稔幸・伊東毅・髙田文子・東宏行・増田修治編著『よくわかる教育原理』ミネルヴァ書房2011年発行
・安彦忠彦・石堂常世編著『最新教育原理』勁草書房2010年発行
・田嶋一・中野新之祐・福田須美子・狩野浩二著『やさしい教育原理』有斐閣1997年発行
・田代直人・佐々木司編著『新しい教育の原理』ミネルヴァ書房2010年発行
・中村弘行著『人物で学ぶ教育原理』三恵社2010年発行
関連ページ 文部科学省ホームページ「学制百年史」
国立教育政策研究所『我が国の学校教育制度の歴史について』
その他、履修生への注意事項 「教育とは何か」「教育とはどうあるべきか」という大きな問いに、一緒に正面から向き合って考えていきましょう。ぜひ前向きで積極的な姿勢で取り組んでください。
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【文学部 人文学科】
実務経験の概要 【教員としての職歴】
・1981/04~1988/03 神奈川県立海老名高等学校 国語科教諭
・1988/04~1998/03    神奈川県立横浜緑ヶ丘高等学校 国語科教諭
・1998/04~2007/03   東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校 国語科教諭
・2007/04~2012/03 東京学芸大学附属高等学校 国語科教諭
・2012/04~2017/03 東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校 副校長
・2012/04~2017/03 全国国立大学附属学校連盟 理事
・2012/04~2017/03 日本教育大学協会 評議員
・2016/05~2017/03    全国国立大学附属学校連盟関東地区副校園長会 会長
実務経験と授業科目との関連性 長年にわたり教育現場に携わって来たが、教育の実践と理論は車の両輪と同じような関係性にある。よりよき教育現場を目指すためにも教育の理想としての理論を学ぶ必要がある。